【Q&A】アトピーはアレルギーじゃやないって本当?(2)

今日は、昨日の続きじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
昨日は、アトピー性皮膚炎に関わる免疫機能は、正しく「成長」させることで、コントロールされることを説明した。
しかし、アトピー性皮膚炎には、他にも発病に関わる大きな原因がある。

それが、最近、増加していると言われておるアトピー性皮膚炎は、この免疫機能以外の要因が関わることが研究で分かってきたのじゃ。
では、その免疫機能以外の要因が何かと言うと、それが「皮膚のバリア機能の問題」ということじゃ。

もちろん、アトピー性皮膚炎の症状である「炎症」「痒み」は、アレルギーにより引き起こされている部分はある。じゃが、病気の原因と症状の原因は必ず一致する、ということではない。

「病気」と「症状」を混同して考える人が多いのじゃが、いうなれば、「病気」とは原因で「症状」とは結果じゃ。本来、この二つは全く別のベクトル上にある。
例えば、インフルエンザに罹患して高熱が出たとする。
ここでいう「病気」とは、インフルエンザのウィルスに感染、発症することを示す。
そして、その病気に対抗するため、体が高熱という「症状」を出す。
アトピー性皮膚炎も同じじゃ。

「アトピー性皮膚炎」という病気に罹患することで、「炎症」「痒み」という症状を体が引き起こすわけじゃ。
アトピー性皮膚炎、という「病気」と、痒み、という「症状」は同じ線上にはあっても、その位置は、全く真逆の位置にある、「別のモノ」ということじゃな。

そして、この「病気」の原因が、昔のアトピー性皮膚炎は、免疫機能のバランスが成長しきっていないなどにより生じた、つまりアレルギーを原因として生じておったわけじゃ。
じゃが、最近、増加しているアトピー性皮膚炎は、免疫機能の異常状態(アレルギー)により引き起こされたのではなく、皮膚の機能異常により引き起こされることが、最近の研究で分かってきた、ということじゃな。

乾燥などによる皮膚のバリア機能の低下は、皮膚の細菌叢を少しずつ乱す。
そして、皮膚の菌叢が乱れて黄色ブドウ球菌やボービス菌などが定着すると、それらの菌が出すデルタ毒素などが、体内のIgEを増強し、アレルギーが誘発されるのじゃ。

昔のアトピー性皮膚炎は、原因が「免疫機能の異常(アレルギー)」であり、その結果が「炎症」「痒み」という症状じゃった。
じゃが、最近増加しているアトピー性皮膚炎は、原因が「皮膚の機能異常」であり、その結果が「アレルギー」を引き起こし、間接的に「炎症」「痒み」が生じておった、ということじゃな。

当然、病気と症状が違う以上、症状を治すことが間接的に病気にアプローチはできても、直接的に治すことが必ずできる、というわけではない。
確かに、痒みや炎症という症状を治すことで、皮膚を掻き壊す=バリア機能を低下させずに済むから、バリア機能の問題に対して、ステロイド剤やプロトピックなどの免疫抑制作用を持つ薬剤は、間接的にアプローチできる。
じゃが、大元の「バリア機能の低下」という問題までは、ステロイド剤やプロトピック軟膏が対処できるわけではない。

例えば、痒みを知覚する神経線維は通常、真皮内に留まっておるが、角質層の水分が減少する、つまり皮膚が乾燥することで、角質層内に伸び、皮膚を触るなどの刺激を直接、痒みとして、認識しやすくなる。
アトピー性皮膚炎の「痒み」に対して、痒みが生じておる皮膚に注目してしまうが、「痒み」という情報を伝達して「掻く」という行為を示すように体に指示しているのは、皮膚ではなく「脳」の働きじゃ。
最近は、脊髄におけるグリア細胞の異常が、皮膚で生じた痒みを増幅した情報として脳に伝えることで、「強い痒みを感じやすい」ことも分かってきておる。

症状だけ見れば、昔も今も、アレルギーの反応が中心であることに代わりはない。
じゃが、大元の原因が異なる以上、痒みや炎症だけを治す治療だけでは、必ずしも「バリア機能の異常状態」そのものを治すことまでにはつながらないことがある。
実際、アトピー性皮膚炎を発症した方の1~2割程度が、長期化していくことを考えても、「症状の治療」だけでなく、「病気の治療」も考えていく必要があることを、示しておるのではないじゃろうか?

では、「病気の治療」とは、どういったところを考える必要があるのじゃろうか?
続きは明日じゃ。

                          
おまけ★★★★東のつぶやき

今回の博士のブログに書かれているエビデンスは、特集で取材していますので、ご参考ください。

▼かゆみのメカニズムとアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=chishiki&c2=2&c3=1

▼皮膚と細菌叢の関係からアトピーの新たな治療法を探る
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=141

▼アトピーと感染症の最新研究
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=134