皮膚の細菌とアトピーの関係(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
アトピー性皮膚炎は、昭和の時代は主に、アレルギーが原因で発症すると考えられていました。実際、当初はⅠ型(即時型)のアレルギーが取り上げられ、その後Ⅳ型(遅延型)とⅠ型が混合している、という考え方が中心だったようです。
しかし、ここ数年で、アトピー性皮膚炎の原因に対する考え方は大きく変わってきて、現在は、アトピー性皮膚炎の「病気としての原因」は、「アレルギー」にあるのではなく、「皮膚」にあると考えられるようになってきました。
もちろん、アトピー性皮膚炎の主な症状である「炎症」「痒み」の原因は、免疫反応が関わっており、そこにはアレルギーが関与しているわけですが、ここで関係してくる「アレルギー」とは、原因ではなく結果(アトピー性皮膚炎、という病気の結果)である、という考え方です。
もちろん、「アレルギー」を原因とするアトピー性皮膚炎がない、ということではありません。昔ながらの大きくなれば自然と治る、と言われていたアトピー性皮膚炎は、免疫機能が成長と共にそのバランスが正常化することで「自然と消退した」と言えます。
ただ、ここ二十年ほどで急激に増加してきたアトピー性皮膚炎の原因は、アレルギーではなく、皮膚の異常状態から生じている、ということです。

では、アトピー性皮膚炎につながる「皮膚の異常状態」とは、どういった状態を指すのか、いうと、さまざまな研究で明らかになりつつあるのが、皮膚のバリア機能の低下から皮膚に異常な細菌叢が形成される、ということです。
皮膚に定着した黄色ブドウ球菌が出すデルタ毒素などが、体内のIgEを増加させることでアレルギーを発症させる、つまりアトピー性皮膚炎の原因はアレルギーではなく皮膚にある、ということに繋がってくるわけです。

慶応義塾大学が一昨年の春に発表した研究結果では、これを裏付ける内容となっています。
当時、その研究結果を取り上げた新聞記事では、黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎の原因だった、という見出しになっていましたが、その研究を行った永尾先生を取材させていただいた際、「正しく言えば、黄色ブドウ球菌が原因なのではなく、異常な皮膚の細菌叢が形成されたことが原因」とのことでした。
実験では、アトピー性皮膚炎のマウスに定着した黄色ブドウ球菌を、正常な細菌叢が形成されたマウスに移植してもアトピー性皮膚炎は発症しなかったのに対し、そうでないマウスに移植するとアトピー性皮膚炎を発症したそうです。
このため、黄色ブドウ球菌はアレルギーを引き起こすためのトリガーではあっても、元の原因は、皮膚の細菌叢にある、ということでした。

そして、今回、アメリカの研究で皮膚の細菌叢に注目した研究が行われたようです。
詳しくは、明日に続きます。

                       
おまけ★★★★北のつぶやき

慶応義塾大学の研究結果については、あとぴナビでも取材した記事を掲載しております。
興味のある方は、ご覧ください。

●皮膚と細菌叢の関係からアトピーの新たな治療法を探る
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=141