乳児の抗菌薬使用は、アトピーを発症させやすい?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、国立成育医療研究センターから興味深い報告がWebで出ていたので紹介しましょう。
          
          
●乳幼児の抗菌薬服用、注意を ぜんそく発症率1.7倍に
https://www.asahi.com/articles/ASL52552QL52ULBJ008.html
         
細菌感染に効く抗菌薬を2歳までに服用した子どもは、ぜんそくやアトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の発症リスクが高まるとの研究結果を、国立成育医療研究センターの研究チームがまとめた。チームは「抗菌薬の不適切な使用はやめるべきだ」と指摘する。
2004年3月~06年8月に同センターで生まれ、2歳までに抗菌薬を服用した436人と使っていない466人を比べた。5歳時点でアレルギーによるぜんそくや鼻炎、アトピー性皮膚炎があったかを調べた。
抗菌薬を服用した子どもは、しなかった子どもに比べて、ぜんそくで1・72倍、鼻炎で1・65倍、アトピー性皮膚炎で1・4倍、発症の割合が高かった。抗菌薬を服用した方がなぜ発症率が高くなるかはよくわからないという。
チームの山本貴和子医師は「抗菌薬によって免疫の制御にも関係するとされる腸内細菌がいったん死滅し、腸内環境が悪化したことがアレルギー疾患の発症につながった可能性がある」としている。
抗菌薬は肺炎などを引き起こす細菌の増殖を抑えるが、ウイルス性の風邪などには効かない。誤って多用すると薬の効かない耐性菌を増やす恐れもある。
         
        
幼体に対する抗生物質の使用が、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させることは、マウスなどの研究でも報告がありますから、記事にあるような内容が生じたことは不思議ではありません。
もし、気をつけなければならない点があるとするならば、ここで「増加」したとするアトピー性皮膚炎は、「何を原因としたアトピー性皮膚炎なのか?」ということです。

昔ながらの、アレルギーを原因としたアトピー性皮膚炎が増加しているだけならば、その後の「子どもの免疫力の成長」が正常に行われれば、自然と良くなってくる可能性は高いでしょう。
あるいは、最近増加している、皮膚のバリア機能低下を原因とするアトピー性皮膚炎ならば、腸内環境だけでなく皮膚の細菌叢も乱している場合、バリア機能の低下の改善がなかなか見られずに、悪化した状態が長引く恐れもあるでしょう。

おそらく、今のアトピー性皮膚炎治療は、「皮膚の痒み」「症状悪化に対してアレルギーが関与する」というアトピー性皮膚炎の特徴は抑えていても、これはあくまで「症状悪化に対する特徴であり、アトピー性皮膚炎の発症原因までを全て対応できているわけではありません。
複合的な面から、研究が進むことを期待したいですね。

                          
おまけ★★★★大田のつぶやき

記事では、抗菌薬による腸内環境の問題点を指摘していますが、腸内環境は改善させることは可能ですから、この部分だけで見れば、その検証は容易でしょう。
できれば、一つ一つの原因と結果をきちんと結びつけながら、「正しい道」を適切に模索して欲しいところです。