【Q&A】アトピーの悪化は、強いステロイドに変えれば良いの?(1)

今日は、Q&Aじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

Q.病院からもらった保湿剤(ワセリン)を使っていますが、肌の赤みがなかなか引きません。医師からは、アトピーが悪化しているだけだから、強いステロイドに替えましょう、と言われましたが、それで良いのでしょうか?

(Gさん、岐阜県、48歳、女性の方)

                                   

Gさん、こんにちは。
質問いただいた内容からみると、まず皮膚のケアが十分にできていない状況が見て取れる。
病院で処方される保湿剤は、保険適用がされる範疇のものになり、ワセリンなど石油から精製された鉱物系の油脂が多い。
鉱物系油脂の特徴としては、強い「保湿力」がある。
これは、皮膚の「保湿」というより「カバー力」と考えた方が良いのじゃが、ここで一つ、アトピー性皮膚炎の方のケアでみてみると、大きな誤りがあると言った方が良いじゃろう。

アトピー性皮膚炎の原因は、多岐にわたるとされておるが、最近、増加してきておるアトピー性皮膚炎の原因は、アレルギーではなく皮膚のバリア機能にある、といわれておる。
そして、この「皮膚のバリア機能」に大きく関わっているのが、角質層内の「水分」じゃ。
一言で言うならば、角質層内の水分が不足したことで、痒みを知覚する神経線維が角質層内に侵入、外部からの刺激を痒みと知覚しやすくなると同時に、掻き壊しによる健全だった角質層の異常状態が、外部から異物を真皮内に侵入させやすくなることで、炎症反応が生じやすくなった、ということじゃ。
他にも、バリア機能が低下することで、皮膚の細菌叢が乱れ、黄色ブドウ球菌やボービス菌が増えることで、それらが出すデルタ毒素などが、体内のIgEを増やすことでアレルギー的な要因を増強しておる、というこも関係しておる。

いずれにしても、アトピー性皮膚炎の原因の一つは、「角質層の水分不足」=角質層の乾燥、にあるといっても過言ではないわけじゃ。
そしてGさんの質問に戻ってみるが、Gさんの場合、保湿剤としてワセリンを使用しておる。
じゃが、ワセリンは鉱物系の油で、水分を全く含んでおらん。
いわゆる、乾燥した砂場にブルーシートをかぶせただけの状況を作っておる、ということじゃ。
砂場自身に水分がなければ、いくら外を覆っても、砂場が自然と潤うことは難しい。
角質層も同じじゃな。
確かにワセリンには、強いカバー力はあるが、水分が含まれておらんから、乾燥した角質層は、ワセリンの下でいつまでも乾燥状態が改善されない、ということが起こっておる。
もちろん、厳密にいえば、全く「無駄」ということではなく、汗などによる水分補給がゼロではない。じゃが、先ほどの例でいえば、からからに乾いた砂場を、ブルーシートでいくら覆っても、しっとり湿った状態にならないのと同じで、角質層に「必要な水分量」をワセリンが確保してくれることはない。

したがって、まずGさんは、「保水」のケアを最初に行う必要がある、ということじゃな。
しっかり、そしてたっぷりと水分を角質層に与えてから、その水分を逃さないようにカバーすることは意味がある。
ステロイド剤などの軟膏タイプの薬剤の多くは、ベースがワセリンじゃ。つまり、そうした薬剤は、皮膚の「カバー」を行うケアには役立つが、水分を補給する役割は担っていない。
軟膏タイプのお薬を使用する場合には、まず最初に、水分系アイテム(ローションやジェルなど)で、たっぷり保水を行ってからお薬を使用すると、乾燥から生じている二次的な悪化要因も防げる、というこにとになる。

もう一つの問題は、強い薬剤に替える必要があるのか、ということじゃが、少々、長くなったので続きは明日にしたい。

                         
おまけ★★★★大田のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方の「誤ったスキンケア」の中で多いのが、角質層に水分を「十分」に与えずに、油分のケアだけ行っている、というパターンです。
多少の水分を与えたとしても、本来、角質層における水分保持機能が低下していることが多いアトピー性皮膚炎の方の場合、とても「間に合った量」に足りていない、というケースもあります。
多めの水分をまずしっかり与えてあげることを考えるようにしましょう。