2018年4月号の記事より(1)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                
今日は、今月号の記事の中から、ステロイド剤の記事について紹介しましょう。
なお、前半部分は先月末に紹介していますので、後半部分を分けて掲載いたします。
            
          
●ステロイド治療の「メリットゾーン」と「デメリットゾーン」
今、あなたはどっちに立っている?
(2018年4・5月号特集より)
          
▼なぜ、デメリットゾーンにいるときにステロイド剤を塗布するのが良くないのか?
         
デメリットゾーンに入っても、ステロイド剤の使用を続けた場合、どのようにアトピー性皮膚炎に良くないのかを考えてみたいと思います。
まず、ステロイド剤の薬剤としての副作用にはどういったものがあるのでしょうか?
ある中程度のランクのステロイド軟膏の添付文章から見てみましょう。
   
●副作用
       
■副作用等発現状況の概要
再評価結果における安全性評価対象例4875例(ローションを含む)中,副作用は166例(3・41%)に認められた。主なものは、毛嚢炎・せつ41件、皮膚刺激感38件等であった)。
       
■ 重大な副作用
眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障
       
■ その他の副作用
・過敏症
皮膚の刺激感、接触性皮膚炎、発疹
・皮膚の感染症
細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・せつ等)、真菌症(カンジダ症、白癬等)、ウイルス感染症
・その他の皮膚症状
魚鱗癬様皮膚変化、紫斑、多毛、色素脱失
・その他の皮膚症状
ステロイドざ瘡(尋常性ざ瘡に似るが、白色の面皰が多発する傾向)、ステロイド酒さ・口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
・下垂体・副腎皮質系
下垂体・副腎皮質系機能の抑制
        
これらの副作用の恐れがあるわけですが、そのほとんどは「頻度不明」であり、使用期間や頻度にも影響を受けますが、多く発生するものではありません。
また、直接アトピー性皮膚炎に関わる要因として言われるのが、副腎皮質系機能(副腎皮質ホルモン)への抑制ですが、医師がいうように、服用や注射・点滴と違い、外用の場合には、その影響が見られる頻度は最強クラスのステロイド剤を相当年数使用した場合であって、例外的なものといえるでしょう。
つまり、ステロイド剤の副作用が、アトピー性皮膚炎という病気自体を直接悪化させているケースは多くはないのです。
では、なぜ、ステロイド剤の長期連用が良くないのでしょうか?
         
そこに、「ゾーン」のどの位置に今、自分がいるのかが大きく関わってきます。
例えば、ステロイド剤の添付書に重大な副作用として書かれている眼障害は、メリットゾーンの中でステロイド剤を使用している場合に現れやすいものではありません(リスクがゼロではありませんが)。また、デメリットゾーンの中でも、かなり深度が深いところにいる方が該当しやすいと言えます。
ただ、こうした副作用は、必ずしも「アトピー性皮膚炎の悪化」につながっているわけではありません(眼障害など、他の疾患として現れている)。
デメリットゾーンの中にいるアトピー性皮膚炎の患者が気をつけなければならないのは、「アトピー性皮膚炎を悪化に導く影響」です。
では、実際にデメリットゾーンにいると考えられる患者が、そのままステロイド剤の使用を続けた場合、「どういった影響がアトピー性皮膚炎に関係しているのか」を、これまで報告されている医学論文と実例をもとに見てみましょう。
          
         
今日はまず、冒頭の部分について、紹介しました。
明日は、具体的な研究報告事例の部分を紹介しましょう。

                             
おまけ★★★★博士のつぶやき

ステロイド剤の副作用を考える時、薬としての副作用を重視すると、「本当の姿」が見えなくなることもあるようじゃ。医師がいうように、ステロイド剤の副作用を、服用と外用を混ぜて大げさに表現している場合もあるのは確かじゃからの。ステロイド剤による問題は、直接的な副作用の問題ではないことをまずしっかり理解することが大切じゃろうの。