薬は、患者のため?製薬会社のため?

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
久しぶりにブログを担当する。
今日は、花粉症に関する話題で、気になる記事を見つけたので紹介したい。
                      
           
●「商品化まで3年」といわれてから既に10年超 花粉症を治すお米はどうなった?
http://www.sankei.com/smp/premium/news/180320/prm1803200004-s1.html
            
ご飯を食べるだけでスギ花粉症を根本から治せる。夢のような話だが、夢ではない。「スギ花粉症緩和米(花粉米)」だ。ただ、「商品化まで3年」と言われてから10年以上が過ぎたのに、いまだに実現していない。花粉症は「国民病」といわれるが、悩む人には待ち遠しい。商品化はいつなのだろうか。
          
▼安全性は問題なし
          
花粉米は、遺伝子組み換え技術を使ってスギ花粉症の原因物質の一部を、本体部分である胚乳(はいにゅう)に蓄積させた米だ。この米を食べ続けることで、体が「花粉が入ってきた」と錯覚し、花粉への抵抗力がつくようになると考えられている。アレルギーの原因となるものを少しずつ食べることでアレルギー症状を改善させる治療を「減感作療法(げんかんさりょうほう)(経口免疫療法)」と呼ぶが、花粉米を食べることでこの治療を行うわけだ。
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)が2003年に開発した。コシヒカリやキタアケなどの品種の遺伝子を組み換えており、元の品種と栄養分の組成は変わらないので味はほぼ同じという。
マウスや猿を使った実験で安全性や効果の確認は終わり、12年度からは人を対象にした臨床試験が行われている。花粉米の栽培は農研機構の隔離ほ場、精米は拡散防止措置がとられた施設内で行われ、他の米と混ざることがないよう厳重に管理されている。
東京慈恵会医大(東京都港区)は、花粉米の安全性と免疫学的な有効性を確認するため、「8週間経口摂取」の臨床試験を14年10月~15年2月に実施。スギ花粉症患者21人を対象に、花粉米(5グラムと20グラム)を食べる群と普通の米を食べる群で花粉症の発症に関与する免疫応答に差があるかを調べた。
その結果、花粉米を食べている人の方が免疫反応が有意に抑制されることが明らかになった。慈恵医大の分子免疫学研究部の齋藤三郎教授は「安全性に問題がないことや、米5グラムと少ない量でも免疫学的効果が得られることが確認できた」とし、花粉米を食べると花粉症特有の症状(くしゃみ、鼻水など)が改善されるかなどの有効性をさらに検討するため、投与期間を延長するなどした試験を行っている。
大阪はびきの医療センター(大阪府羽曳野市)も16年11月から臨床試験を始め、現在も継続中だ。
          
▼食品か、医薬品か
          
さらに商品化には、さまざまな手続きがいる。それも「医薬品」とするか「食品」とするかで異なる。
「医薬品」なら、安全性確保に必要な規制などを定めた「薬機法」に基づく治験と承認がいる。慈恵医大などによる臨床試験も治験だが、もっと多数の患者に投与し有効性などを確認する必要がある。
ただ、医薬品で商品化するには製薬会社の参画が不可欠で、開発関係者は「花粉米によって花粉症患者がいなくなることは製薬会社には脅威でもある。参画してくれる企業があるかは微妙」と話す。
「食品」とする場合は、遺伝子組み換え食品なので、内閣府食品安全委員会による安全性の確認審査が必要だ。また、一般農場で栽培するには、国内における遺伝子組み換え生物の使用などを規制する「カルタヘナ法」に基づき、農林水産大臣と環境大臣の承認がいる
いずれにしても、これらの手続きは、臨床試験で効果が確認されてからになりそうだ。つまり、現時点では、商品化は先の話ということになる。
        
▼栽培で農業振興
            
消費者団体「食のコミュニケーション円卓会議」は昨年12月、花粉米をテーマにセミナーを開催。花粉症患者も交えたパネルディスカッションでは、1日も早い実用化を望む声が上がった。
一方で、「有効性の確認には大規模な臨床研究をしたいが、そのためには研究費が必要」「花粉米を栽培するためのルールが確立されていない」「食品の場合、今のコシヒカリより高い値段だと学生は手が出ない」など、課題が山積していることが浮き彫りになった。
市川まりこ代表は「私は花粉米を薬でなく食品として社会に出してほしいと思っている。私自身、花粉に悩まされる患者でもあり、1日も早い商品化を期待したい」と話す。
花粉米は、国内の農業振興の面でも注目される。遺伝子組み換え作物は、有機栽培農家などからの反対が強く、現状では国内での栽培ができていない。しかし、つらい花粉症をやわらげてくれる花粉米なら、反対する人が少ないとみられるためだ。当初、早期の商品化が見込まれた理由の1つは、ここにあった。
こうした中、農林水産省と経済産業省が共同で設置した「農業と生物機能の高度活用による新価値創造に関する研究会」(座長=高田史男・北里大大学院教授)は1月、スギ花粉米の利活用などを盛り込んだ提言をまとめた。提言は、政府が今夏にも策定するバイオ技術の活用戦略に盛り込まれる見込みだ。商品化に向けて大きく踏み出すきっかけとなるか注目される。
            
          
花粉症米は、以前、話題になったことがあるが、減感作療法としての側面から、花粉症にアプローチできるのかは興味深いところだが、今回、この記事を取り上げたのは、そこに注目したからではない。
注目したのは、
        
      
ただ、医薬品で商品化するには製薬会社の参画が不可欠で、開発関係者は「花粉米によって花粉症患者がいなくなることは製薬会社には脅威でもある。参画してくれる企業があるかは微妙」と話す。
         
        
という部分だ。
ようするに、「花粉症患者がいなくなるような薬は、製薬会社にとって脅威だから、そういった薬の開発に参画してくれる製薬会社をみつけるのは大変」ということだ。
では、今、「治療薬」として販売している薬の多くは、「病気を治す」ことを目的と指定のではなく、「病気を維持して薬を使わせる」ことを目的としているのか、と勘繰りたくもなる。
もちろん、そんなことはないのだろうが、製薬会社の目的が「会社の存続と成長」にあるならば、こういった「患者の切り捨て」とも思える考え方が、まかり通ることがあっても不思議はないのかもしれない。
患者本位の企業こそが、最終的に生き残れる、と思うのだが・・・

                         
おまけ★★★★博士のつぶやき

企業が存続していくためには、「利益」を必要とするのは当然じゃ。利益が無く赤字のままでは、倒産してしまうことになるからの。医療の分野も、患者は「ボランティア」的な精神を病院や医師に求めることがあるようじゃが、ボランティアだけで維持できる分野は一つもない。表面上はボランティアでも、それを裏で支える仕組みがあってこそのボランティアじゃからの。医師も霞を食べて生きていけるわけではないし、病院も医療設備を整えるのには資金が必要じゃ。
善意が求められる分野ではあるが、善意だけを求めたのでは成り立たないこともあることは、厳しいようじゃが、承知しておいた方が良いかもしれんの。