寒い時期の保湿ケアとは(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
昨日は、広い範囲で降雪となりました。
関東でも、気温が氷点下まで下がったところが多く、寒さは厳しい一日でした。
今年は、冬の寒さが厳しい予想でしたが、その傾向が続く場合、2月いっぱいまでは、冷え込みに注意をした方が良いでしょう。

寒さは、アトピー性皮膚炎の方にとって、マイナス要因が重なりやすくなります。
まず、状態をすぐに落としやすい要因としては「大気の乾燥」があります。
湿度の低下は、角質層からの水分蒸散量を増加させることになります。
本来、寒い時期は体温調節による水分蒸散(汗)が夏ほど必要がありませんが、角質層における水分は、細胞間脂質での保持能力が低下することで、自然蒸散することになります。
アトピー性皮膚炎の方の問題点の一つは、角質層におけるバリア機能の低下です。
角質層の水分が減少した状態は、表皮細胞の形成を乱すことにつながります。
いったん、表皮細胞が乱れる=バリア機能が低下する、といった状態になると、表皮細胞の隙間をとおり外部からの異物の侵入を許しやすくなり、それに対する免疫反応から痒みが生じやすくなります。
同時に、角質層の水分減少は、本来真皮内にとどまっているはずの、痒みを知覚する神経線維を角質層内に伸ばして侵入させることが分かっていますので、皮膚に対する「触角」の刺激を、痒みとして伝達することもあります。

皮膚の乾燥による痒みは、アトピー性皮膚炎の人に限らず、他の人でも起きますが、アトピー性皮膚炎でない方は、その痒みによる「次の痒み」を体がコントロールすることで、連続した痒みにはつながりません。
しかし、アトピー性皮膚炎の方の場合、体内のB細胞の表面にIgEを発現させたsIgE+B細胞が多くなることで、いったん生じた痒みから連鎖的に免疫機能による痒みへとつながることで、掻き壊しも生じやすくなります。

アトピー性皮膚炎の方の症状を悪化させる要因は個々人により異なりますが、この「乾燥」という要因は、比較的多くの方のアトピー性皮膚炎に関わる要因であり、同時に、症状を悪化させる「悪循環」を形成させるための「きっかけ」になることも多いと言えます。
したがって、現在、状態が悪い方も、そうでない方も、悪循環を強固なものにしない、あるいは悪循環のきっかけを作らないために、乾燥への対策はしっかりと行うことが大切になります。

アトピー性皮膚炎の方の肌状態を考えた場合、基本的に不足しているのは「水分」であることが多く、まず「保水」を行うことが大切であることは、他の季節と同様です。
ただ、水分をしっかり与えても、夏の時期と違い、空気の乾燥による自然蒸散は防ぐことはできませんから、スキンケア後から、少しずつ乾燥は進行しはじめます。
そこで、その乾燥の進行を「遅く」するために必要なのが「保湿」です。
皮膚を薄くカバーして覆うことで、水分の蒸散を防ぐ、ということです。
保湿アイテムの基本はオイル系アイテムです。
オイルの種類は、大まかに分けると「植物系」「動物系」「魚類系」「鉱物系」に分かれます。
皮膚への刺激度では、低い順に、
       
植物系>魚類系>動物系>鉱物系
       
となり、保湿の強さのランクでは逆に
        
鉱物系>動物系>魚類系>植物系
        
といった傾向が見られます。もちろん、オイルの種類により、この順序が異なることはありますが、一般的には、刺激が少ないとカバー力も弱く、カバー力が強いオイルは刺激が強くなる傾向があります。
例えば、鉱物系の代表は「ワセリン」ですが、ワセリンの場合、強いカバー力を持つ代わりに、反復継続して使用することで炎症が生じやすくなることもあります。
単発使用は特に問題ありませんが、反復して使い続けることを考えた場合には、鉱物系以外のオイルアイテムの方が、お肌にはより安心と言えるでしょう。

では、寒い時期は、どういった保湿ケアに注意することが大切なのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                   
おまけ★★★★南のつぶやき

ワセリンは、精製度の関係で、お肌への刺激が少なくなるから大丈夫、という説明を受ける方がいますが、アトピー性皮膚炎の方の場合、もともと肌のバリア機能が低下した状態が続いていることが多く、ワセリンの成分そのものがダメージを受けた肌に反復継続して使用することで、炎症反応を示すケースは、ときどき見受けます。
単発で使用した反応が、継続使用した反応と一致しないことがあるこは注意するようにしましょう。