亜鉛に関する取材の話(1)

こんにちは。編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
今年も残すところ、2週間ほどとなりました。
ニュースを見ていると、今年はラニーニャ現象により、北からの寒気が日本列島にかかる状態が生まれやすく、冬の寒さは厳しくなる見込みのようです。
同時に、大気の乾燥も進んでいますので、寒さ対策、乾燥対策は意識してしっかり行って欲しいと思います。

さて、10月24日に徳島文理大学から「毛包と表皮の形成における亜鉛の役割を解明」というプレスリリースがありましたが、その研究を行われた徳島文理大学の深田俊幸教授を、今週火曜日(12日)に取材させていただきました。

●毛包と表皮の形成における亜鉛の役割を解明(徳島文理大学)
http://p.bunri-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2017/10/decde7641de6b7db4dab2547053846ab.pdf#search=%27%E5%BE%B3%E5%B3%B6%E6%96%87%E7%90%86%E5%A4%A7%E5%AD%A6+%E8%A1%A8%E7%9A%AE%E3%81%AE%E5%BD%A2%E6%88%90%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E4%BA%9C%E9%89%9B%E3%81%AE%27

取材の詳細については、あとぴナビの2018年2月号で特集としてご紹介する予定ですが、今回の取材内容は、今後のアトピー性皮膚炎を取り巻く医学の現場においても(基礎、臨床を問わず)、かなり重要な要素を含んでいるように感じました。

取材は、深田先生がパワーポイントを用いて、講義のように説明いただき、大変分かりやすい内容でした。ボールなど、小道具(?)も使っていただき、約2時間ほどの取材でしたが、非常に楽しく、有意義なものとなりました。深田先生には深く感謝しております。
そして、当初は、表皮の形成における亜鉛のトランスポーターの役割と必要性を取材する予定だったのですが、いろいろと「亜鉛」についてお教えいただく中で、今後のアトピー性皮膚炎の治療においても、重要な役割を果たすのではないかと痛感いたしました。

皆さんは、「亜鉛」に対して、どのようなイメージを抱かれれますでしょうか?
深田先生は、日本において亜鉛の研究が外国よりも規模が小さい理由の一つに「亜鉛」という言葉の問題を指摘されておられました。
「鉛」という言葉が含まれているため、体に毒をもたらす金属のイメージを抱く人が多く、研究者が少なかったことが理由としてあるそうです。
なぜ「亜鉛」という言葉がつけられたのかと言うと、江戸時代中期に、漢方医の寺島良安が、銀白色の亜鉛の結晶を見て鉛に外見が似ていたことで「鉛の亜種」のような意味合いで「亜鉛」と名付けられた、という説があります。外国名は「Zinc(ジンク)」と呼ばれています。歴史を調べていくと、鉛よりも銅との関連性が強いようで、鉛に近いイメージを用いているのは日本独特のようです。
もちろん亜鉛は構造式的には金属の一種ですが、鉄が身体にとって必須であるのと同様に、亜鉛も必須ミネラル16種の一つで、微量栄養素です。

そして、亜鉛がなぜ、アトピー性皮膚炎に関係してくるのかと言うと、取材に同行いただいたライターの方が分かりやすく記事にまとめていただく予定ですので、詳しくは2月号のあとぴナビをご覧いただきたいと思いますが、簡単にいうと、「細胞」に関わってくるからです。
亜鉛は、細胞内に取り込まれる際、ZIPと呼ばれる運搬分子(亜鉛トランスポーター)により運ばれることが近年、解明されてきました。
そしてこのZIPの種類は、体の部位により異なります。
例えば、腸内において食品から亜鉛を吸収するのはZIP4、表皮の形成に関わるのはZIP10、真皮のコラーゲン生成に関わるのはZIP7、といった具合です。
「亜鉛」が良いという話を聞くと、亜鉛をサプリメントなどで摂取すれば良いのか、と考えがちですが、いくら亜鉛を摂取しても、この運搬分子が正常に働かないと、亜鉛を細胞内において「上手に利用」することができません。
「亜鉛」自体はもちろん大事なのですが、実は、同じくらい大事なのが、この「ZIP(亜鉛トランスポーター)」だったことを深田先生らの研究グループは突き止めた、ということです。

では、亜鉛にしろ亜鉛トランスポーターにしろ、細胞に関わる因子が、なぜアトピー性皮膚炎に関わるのでしょうか?

少し長くなりますので、続きは明日にしたいと思います。

                          
おまけ★★★★中田のつぶやき

あとぴナビのアイテムで、Fグリンアップというサプリメントがありますが、本来はフィラグリンの増加を考えた処方です。
でも、Fグリンアップには、実は植物種子を発酵させた亜鉛原料が使われていて、さらにトランスポーターの仲間であるジンクフィンガーの機能もあると考えられています。
もしかすると、Fグリンアップが有効だった方は、本来の目的であるフィラグリンの増加、という部分よりも、こうした亜鉛の正常な運搬の部分もあるのかもしれません。
今後、製造しているメーカーにも意見を求めていきたいと思います。