アトピーの脱保湿を考える(5)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は、今回の記事の最後です。

脱保湿のメリットとデメリットは、これまで述べた通りです。
アトピー性皮膚炎の治療法として、理論的には理想的な部分はありますが、実際に行う上では、クリアしなければならないハードルが高く、そして実現するために必然的ではなく偶発的な要因が必要にもなるため、「確実性」が高いアトピー性皮膚炎の治療法とは言いづらい部分が多いのは確かでしょう。

また、医師が「脱保湿」を行う場合、果たして本当に「脱保湿」を行っているのか、という問題点がみられるケースもあります。
例えば、脱保湿を行う医師の中には、何らかの塗布薬などを処方する先生もいます。
もちろん、感染症など肌の状態に合わせて必要ならば、そうした薬の処方が必要で会っても当然なのですが、もし「保湿剤」を異物とするならば、「薬」を異物としない理由はどこにもありません。
薬こそ、体にとっては「刺激」となり得やすい物質であり、だからこそ効果も見られ、副作用が見られることもあるわけです。
塗布薬を反復継続している段階で、本来の「脱保湿」の考え方には沿っていない、といえるでしょう。
これは、一般の塗布薬だけでなく、その医師が特製の何かであっても、皮膚に塗布させた段階で、本来の脱保湿の考え方とは異なる治療法と言えます。

もちろん、だからといって、その医師の治療法が誤っている、ということではありません。単に、その治療法は「脱保湿」ではなく、単なる「脱ステ」の治療法、というだけです。ただ、脱保湿の考え方を、その治療法の「必要性」として患者に説明しているならば、少々、問題があると言わざるを得ないでしょう。

あとぴナビでは、基本的に「脱保湿」の考え方を否定してはいませんが、それを行うためには、先に述べた「汗をかけること」「乾燥状態が季節により変動が大きいこと」などの条件が必要だと考えています(後者の季節変動は、汗をかける時期に、脱保湿を行えば、少しでも自分の力でスキンケアに繋がりやすいため)。
しかし、そうした条件が揃うアトピー性皮膚炎の方は多くなく、そもそも汗をかける人ならば、ステロイド剤治療を長期間継続するまでに至ることはなかったとも考えられます。
少なくとも、「脱ステ」を考えなければならないくらい長期間、ステロイド剤によるアトピー性皮膚炎治療を続けてきた理由の一つが、自らスキンケアを行う力が弱かったことで、バリア機能が適切に維持されなかった、とも言えるからです。

アトピー性皮膚炎の治療法は、「一つ」しかないわけではありません。
個々人ごとに、解決すべき原因を見極め、対処していけば、症状の改善には必ず繋がっていきます。そして、その「原因」が個々人ごとに異なる以上、「治療法」も個々人ごとに異なる、と考えても良いでしょう。100人のアトピー性皮膚炎の人がいれば、その治療法は100通りある、と言われる所以です。

脱保湿、という方法も、アトピー性皮膚炎にとって有効な治療法となるケースはあるでしょう。しかし、それは「全員のアトピー性皮膚炎の方に」というわけではありません。
ほとんどのアトピー性皮膚炎の方は、特に最近のアトピー性皮膚炎の発症原因と悪化要因が、皮膚機能にあると考えられている中では、皮膚の機能を維持させるための「治療」そして「ケア」はとても重要なポジションを占めているとも言えます。
脱保湿を行っている方、そしてこれから行おうと考えている人は、「脱保湿が成功する条件が整っている」かをしっかり見極めるようにして欲しいと思います。

                     
おまけ★★★★博士のつぶやき

あとぴナビでは、絶対値の問題から、長年アトピー性皮膚炎に悩んでいる人の場合、脱保湿が有効な人よりも、スキンケアを実践した方が有効な人の方が多い、と考えておる。
もちろん、さまざまな意見がそこにはあるのじゃろうが、自分にとって、適した「治療法」を実践できるようしたいものじゃ。