アトピーの脱保湿を考える(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

                   
今日も脱保湿の続きです。
昨日は脱保湿のプラス面について考えていきましたが、今日はマイナス面について述べていきましょう。

●脱保湿のマイナス面

外から異物を与えないことで刺激にならない、そして、自分の力でスキンケアが行えるようになるのでアトピー性皮膚炎を自然治癒力で治せる、一見すると理想的な治療法にも見える脱保湿ですが、そこには大きな落とし穴が潜んでいます。

・痒みの神経線維の問題

皮膚に存在する痒みの神経線維は、研究により、角質層が乾燥状態になると、真皮内から表皮内に侵入、免疫反応とは別の経路として、皮膚へのさまざまな刺激(触隔を含む)を痒みとして認識しやすい、という問題点を抱えていることが明らかになっています。
この問題点の解決法は唯一、「角質層内に十分な水分が確保された状態が続くことで、表皮内に侵入した神経線維が真皮内に戻る」という方法になります。
しかし、脱保湿を行っている場合、角質層が乾燥した状態が続くことは避けられる、外部からの刺激を痒みの神経線維が、「痒み」として認識しやすくなります。
脱保湿を行っている方が、「肌が乾燥してくると、狂ったような痒みに襲われる」という理由の一つは、この痒みの神経線維にあると言われています。
免疫反応とは違う経路の痒みですので、例えば、強い風が肌に触れた、ということも痒みにつながることがあります。
痒みとは、皮膚で生じていますが、あくまでその「認識」は脳で行われています。
痒みが刺激として脳に伝わる過程の中で、繰り返し伝わる「痒みの情報」は、やがて脊髄のグリア細胞が「増幅」して脳に伝えていることが九州大学の研究で明らかになっています。
こうした痒みは、アレルギーなど免疫反応を出発点にしていませんので(いったん、掻き壊してしまえば、そこで免疫反応が生じて二次的な痒みにつながることはあります)、「痒みの悪循環」を短時間で形成しやすく、それが「強い痒み」へとつながり「狂ったような痒み」を感じることにもなるわけです。
もちろん、この問題は、角質層が常に「潤う」状態を続けることができれば、解消されるわけですが、脱保湿を行っている場合、自分の力でスキンケアの機能が「復活」するまでは「耐える」しかない、ということになります。
また、強い痒みは、同時に掻き壊しを生じさせますので、掻き壊し=バリア機能の低下、つまり余計に角質層の水分保持ができにくい環境を生むことになります。

もう一つの問題点は、「自分の力でスキンケアを行う」という部分ですが、長くなるので続きは明日にしましょう。

                     
おまけ★★★★北のつぶやき

今日のブログで出てきた九州大学の研究は、あとぴナビでも特集を組みました。
興味のある方はご覧ください。
         
●アトピーの痒みはなぜ慢性化するの?
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=health&c2=1&c3=143