アトピーの脱保湿を考える(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
秋まっさかりですが、季節は少しずつ冬へと向かっているように感じます。
昔は、春夏秋冬、季節を感じるできごとは多かったのですが、異常気象が続く昨今は、季節感があいまいになっている部分があるように感じます。
アトピー性皮膚炎の方にとっては、一年の中でもっとも過ごしやすい「秋」の時期から、乾燥からくるダメージが強くなる「冬」の季節への移行は、慎重な見極めが必要になります。
朝晩の気温差も少しずつ広がってきます。これからしばらくは、気象情報に敏感に注意するようにしていきましょう。

さて、アトピー性皮膚炎の方にとって「脱ステ」を行う場合、同時に「脱保湿」を行う方がおられます。
これは、脱ステを推奨する医師の中に「脱保湿」を行う先生が少なからずおられることも理由の一つかと思いますが、脱ステ=脱保湿はイコールの関係ではありません。
冬になると乾燥からお肌の状態が悪化する方が多くなりますが、これは脱保湿を行っている方も同様です。さらに、脱保湿を行う場合、冬場をどのように乗り越えられるのかは、大きなポイントにもなります。
今回は、脱保湿について考えてみたいと思います。

▼脱保湿の基本的な考え方とは?

一言に脱保湿、と言っても、その「治療」を行う医師や専門家によって、「脱保湿の内容」は異なることがあります。
とはいえ、「脱保湿」の基本的な考え方が、

1.皮膚に「異物」を塗らない
2.自身が持つスキンケアの力を抑えない(あるいは、働かせる)

という部分にあるのは共通しているといってよいでしょう。
皮膚にとって、スキンケアのアイテムは、どれだけ皮脂に近づけて作られていても、「自分が作り出す皮脂」と全く同じ物ではありません。
したがって、程度の差はあれども、異物として「刺激」をどうしても受けることになります。
ほんとんどの方の場合、皮膚のバリア機能がしっかりしていることで、そうした「異物」と認識することもなく「防いでくれる」ことで、問題にならないわけですが(バリア機能が防いでくれている場合に、そうしたアイテムを使用することの意味があるのかどうかは別にして)、バリア機能が低下した状態の肌(掻き壊しや乾燥状態の肌)は、スキンケアの「成分」がバリア機能を通過して侵入、そこで「効果」と「副作用」を示すことになります。
自己の成分でない以上、それらの成分が侵入した場合、何らかの「反応」は生じます。
その反応が強ければ、炎症につながることもあるでしょう。
仮に、スキンケアの「有効成分」が役に立つとしても、それは同時に「異物としての刺激」として役割を果たす可能性があることを否定できるものではない、という考え方です。

もう一つの「自身が持つスキンケアの力を抑えない(あるいは、働かせる)」という部分は、スキンケアとは、本来、汗と皮脂が乳化して出来た皮脂膜がバリア機能として機能する、あるいは角質層が健全に形成されることでバリア機能が保たれるなど、自らの力で行うべきものです。
しかし、スキンケアを外から補うことで、そうしたバリア機能を自ら形成、あるいは維持するという働きが「お休み」してしまう、というマイナス面がある、という考え方です。

つまり、脱保湿とは、「皮膚に刺激を与える異物を一切与えない」ことで過剰な免疫反応などを起こさないようにして、同時に、「自らの力でスキンケアが行えるように」外からスキンケアは一切、行わない、という考え方なのです。

では、この脱保湿の考え方は、どういったプラス面があって、どういったマイナス面があるのでしょうか?
続きは明日にしたいと思います。

                         
おまけ★★★★南のつぶやき

脱保湿を行う医師のほとんどは、「脱ステ」も行っています。ステロイド剤そのものがワセリンやクリームを基材に使用していますので、薬を使うことが「保湿剤」を使っているに等しいため、当然と言えば当然なのですが、その逆で「脱ステ」を行う医師は、必ずしも脱保湿を行っているわけではありません。
アトピー性皮膚炎の患者が、医師が行う「脱保湿」について誤解していると、自分が望んでいるのとは異なる治療法だった、ということがありますので、注意は必要でしょうね。