表現の仕方でイメージが変わる?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
一般的な方が持つ「物差し」は、その対象に対するイメージが大きな影響を持っていると考えてよいでしょう。
今日は、関連する記事を一つ紹介します。
        
      
●糖質0グラムの麺に「レタス4個分の食物繊維」…これってどうなの?
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171106-00010000-yomidr-sctch
       
先日、コンビニエンスストアで販売されていた「糖質0グラムの麺」をカレーうどん風にして食べてみました。一個人としての意見ですが、「こんなものなら、もう麺を食べなくてもいいかも」というくらい、期待を裏切られました。このような麺が販売されているということは、世の中にニーズが少なからずあるのでしょうか。糖質を控えたいのなら、「本物の麺」を半玉に減らすとか、夕食の「肉じゃが」の予定を「肉豆腐」に変えるなど、「一日に摂取する糖質量」を調整すればいいのですが、わかりにくいし面倒くさい。
そしてパッケージには、「レタス約4個分の食物繊維含有」と表記されています。「ああ、またこの手のアピールか……」とさらにゲンナリしました。
そもそも、レタスの食物繊維は多いのか?
読者のみなさんも、このような表記を見たことがあると思います。さすがにレタスを一度に1個食べるのは無理だし、ましてや4個なんて不可能です。なんだかすごい量の食物繊維が入っていそうです。
例えば「とても広い場所」を表すのに、「東京ドーム〇個分」という例えがよく利用されますね。正確な広さは分からなくても、「すごく広い」ことは伝わります。「東京ドーム」を見たことのある人なら、よりイメージしやすいのではないでしょうか。
しかし、私は東京ドームに行ったことがありません。その代わり、東北楽天ゴールデンイーグルスのホームグラウンド「Koboパーク宮城」なら何度も行ったことがありますので、「Koboスタ〇個分」という表記の方が分かりやすいです。人によって「広さの物差し」は違っても仕方ないのかもしれません。
それでは、「食物繊維の物差し」はどうでしょう。食物繊維の多さを「レタス」でイメージできるものでしょうか?
管理栄養士には「食物繊維を多く含む食物」として「レタス」と答える人は1人もいないでしょう。今回、私が食べてみた麺のパッケージには「レタス1個分を250グラムと設定」とありました。レタス1個に含まれる食物繊維の量は約2.8グラムです。
対して、食物繊維を多く含む「ゴボウ100グラム( 茹で)」に含まれる食物繊維の量は約6.1グラム。きんぴらや煮物なら一つの小鉢に50グラム程度は入りますので、食物繊維の量は約3グラム。つまり、レタス1個分とほとんど変わらないのです(七訂食品成分表2016 女子栄養大学出版部)。
ゴボウ1本に含まれる食物繊維は約9グラム、レタス約3個分に相当します。しかし、「ゴボウ約1本分」と表記してもインパクトが薄いので、あえて食物繊維量が少ない野菜を使ってパッケージでアピールしているのではないでしょうか。
消費者が賢くなって「見極める目」を持つことが必要だと思います。
食物繊維、食べられるだけ食べた方がいいのか?
ここで食物繊維の働きについて確認してみましょう。
食物繊維とは、炭水化物の中でも消化できない繊維質のことです。水に溶ける食物繊維と、溶けないものに分けられます。糖質などの栄養素の吸収を邪魔して、血糖値の上昇を緩やかにしたり、肥満を防いだりすることが明らかになっています。食物繊維の摂取不足が生活習慣病の発症に深く関わっているという研究が多数報告されていて、特に心筋梗塞や脳卒中の発症に影響を及ぼしていると考えられています。「病気予防」の観点からも、積極的に摂取したい栄養素のひとつです。成人男性は1日20グラム以上、女性は18グラム以上が目標値となっています(日本人の食事摂取基準2015年版より)。
「レタス4個分の食物繊維」に話を戻しましょう。
「糖質0グラム麺」のパッケージに記載されていた栄養成分表示には「食物繊維11.7グラム」との記載があり、1日の目標量の約6割の食物繊維が含まれているということになります。確かにかなりの食物繊維の量ですが、それだけで1日分が取れたわけではありません。残りは別の食品から摂取する必要がありそうです。
ちなみに、食物繊維を多く含む食品と言えば、根菜類、海藻類、きのこ類です。
また、「食物繊維は食べられるだけ食べた方がいい」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、腸の消化吸収能力が低下している人や、貧血や骨粗しょう症がある方は、鉄やカルシウムの吸収を邪魔してしまうため、取りすぎに注意が必要です。
特にサプリメントなどで食物繊維を大量に摂取している方は、お気をつけください。
            
            
記事にあるように、一般の方には「ごぼう」よりも「レタス」の方が量をイメージしやすいので、レタスが「物差し」として使われているのでしょう。
しかし、考え方を変えれば、「優良誤認」の可能性もあると言えます。
本来ならば、「健康」を基準に考えた場合の物差しは、その商品を販売する側に有利なイメージを与える「レタス」ではなく、「成人一日の摂取量」の方がより誤認されにくいのではないでしょうか?
「自社比較」など、結局のところ対象となる「商品」がいかに優れているのかをアピールするだけの「物差し」には気を付けた方が良いのかもしれませんね。

                    
おまけ★★★★東のつぶやき

最後の方にあるように、体にとって必要な、あるいは健康に良いと言われている「栄養素」も、無制限、ということではありません。
「イメージ」を重視して行動する人もいますが、「自分にとって必要なのか」は常に考えるようにしたいですね。