最新の研究から、アトピーを考える(4)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、アトピー性皮膚炎の原因について見ていきましょう。
            
          
▼アレルギーが原因となるのは?
          
昔は、臨床例からアレルギーを原因として発症していると考えられるアトピー性皮膚炎が多かったのは事実です。ハウスダストや特定の食物に反応して炎症が現れることが多く、家族のアレルギーの既住歴などが確定診断を行う判断材料になっていたのもその現れでしょう。「アレルギー体質」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
しかし、最近のアトピー性皮膚炎は、アレルゲンが特定できないケースが増え、また家族にもアレルギーの病歴を持つ方が減ってきたことから、いろいろな研究が行われるようになりました。
その中で分かったことが、「アトピー性皮膚炎という病気に罹ったあとで、アレルギーが身体の中で作られるようになった」ということです。
アレルギーの関わる免疫は主に「IgE(グロブリンE抗体)」ですが、このIgEを増やすようになったきっかけが「皮膚機能の異常」と「免疫機能の異常」の二つが関係することが分かってきました。
          
つまり、皮膚機能や免疫機能の異常状態が生じたことで、アトピー性皮膚炎を発症、その結果、IgEを多く作り出すような状態に身体がなることで炎症から痒みに繋がった、ということです。
アレルギーが先にあって、アトピー性皮膚炎になったのではなく、アトピー性皮膚炎に罹患したから、アレルギー反応が出るようになった、と言えるでしょう。
もちろん、昔ながらのアレルギーが原因でアトピー性皮膚炎を発症する事例がなくなったわけではありませんが、急激に増加してきたアトピー性皮膚炎は、アトピー性皮膚炎に罹患することでアレルギー反応を示すようになったケースです。
          
まとめると、最近のアトピー性皮膚炎は、
          
・病気(アトピー性皮膚炎)の原因は、皮膚機能や免疫機能の異常にある
・IgEの産生が体内で増強されることで、アレルギー反応が生まれ、症状(痒み)が作り出される
       
ということになります。
つまり、病気の原因はアレルギーではありませんが、症状の原因はアレルギーが関係している、ということです。(ただし、痒みの原因はアレルギーだけが関係しているのではなく、痒みの神経線維の問題など、他の要因もある)
         
これに対して、昔ながらのアトピー性皮膚炎は、
          
・病気(アトピー性皮膚炎)の原因はアレルギーにある
・連鎖的なアレルギー反応により、症状(痒み)が作り出される
          
というように、アレルギーが病気と症状の両方の原因に関わってきたと言えるでしょう。
では、最近増加してきたアトピー性皮膚炎の原因ともいえる「皮膚機能の異常」そして「免疫機能の異常」とは、どういったものなのでしょうか?
              
        
明日は、最後に書かれている皮膚機能、免疫機能の異常とはどういったものなのかを見ていきましょう。

                         
おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎の原因は、単一のものとは考えづらい、というのが研究者の中では常識になりつつあります。
アトピー性皮膚炎の研究を行う専門家は、基本的に自分のテーマに沿った研究を行います。
腸内環境であったり、皮膚の感染症、神経、免疫など、そこには数多くのテーマが存在します。
そして、それぞれのテーマに沿った研究の中で「該当するアトピー性皮膚炎の事例」と「該当しないアトピー性皮膚炎の事例」が現れます。であるなら、それらの研究を「横につなげる」ことで、複数の原因から生じるアトピー性皮膚炎の全体像が見えてくるのではないでしょうか?
あとぴナビでは、主に、こうした観点から取材を行い、各取材で得られた情報を繋げていくようにしています。