最新の研究から、アトピーを考える(3)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、病気と症状の違いについて考えていきましょう。
         
          
▼病気と症状の違い
         
「最近のアトピー性皮膚炎はアレルギーが原因ではないのに、痒みの原因はアレルギー?」という部分は分かりづらい方も多いかと思います。
そこで「病気」と「症状」の違いについて説明しておきましょう。
インフルエンザを例にとってみます。
まず、インフルエンザのウィルスに罹患すると、熱や鼻水、咳やくしゃみ、倦怠感などの症状が身体に現れます。
この場合、「病気」の原因に該当するのは、「インフルエンザのウィルスに感染した」という部分です。
そして、インフルエンザのウィルスに罹患すると、ウィルスの増殖に対抗すべく熱や鼻水などの症状を身体に示すようになります。インフルエンザのウィルスが身体の中で増殖していくためには適度な体温が必要です。そこで身体は熱を上げることでウィルスの増殖スピードを抑えようと働きかけます。インフルエンザに罹患した場合、熱が上がる、ということは、体がインフルエンザのウィルスと「戦う」ための自然治癒力の現れ、とも言えるでしょう。鼻水や咳、くしゃみは、鼻腔や気管支のウィルスを体外に排出するための働きです。倦怠感が現れるのも、安静に寝ることで体力を温存、免疫力が最大限働けるような環境を作るためです。
こうしたインフルエンザのウィルスと戦うための身体の反応が「症状」であり、体にとって「症状」とは、自然治癒力の一部であると言えるのです。
        
そして、インフルエンザで高熱が出た場合、熱自体は消耗性の状態を作り出しますので、解熱剤が処方されることがあります。この解熱剤により治すことができるのは「高熱」であり、インフルエンザのウィルスを退治することではありません。熱を下げる薬剤は、「症状」を治すための治療であって「病気」を直接治すための治療ではないのです。
もちろん、熱が下がって体力の消耗が避けられることで、免疫力が活性化、インフルエンザウィルスを身体が退治するのに役立つことはありますが、それはあくまで間接的なもので直接的な働き(ウィルスを退治するため)ではない、ということです。逆に熱を下げることは、体力の消耗を防げても、ウィルスが「増殖しやすい環境」も作り出しますので、免疫力が十分に働くことができなければ、かえって身体に危険な状況を生み出すこともあります。
            
インフルエンザを例にあげましたが、解熱剤が持つ意味合いは、比較的多くの方が把握されているかと思います。しかし、アトピー性皮膚炎に対する「治療法」は、病気の治療と症状の治療を混濁して理解している方が多いようです。
        
アトピー性皮膚炎に罹患する(インフルエンザに罹患する)と、「痒み」という症状(「高熱」という症状)が身体に現れます。ステロイド剤を使用した場合(解熱剤を使用した場合)、痒みと言う症状(高熱という症状)を抑えることはできますが、アトピー性皮膚炎という病気(インフルエンザという病気)を直接治療しているわけではありません。
確かに、「症状」の治療は「病気」の治療につながることがありますが、それは「症状を治すこと=病気を治すこと」というイコールの関係ではなく、症状の治療が間接的に病気の治療につながらなかった場合、病気は継続することになります。症状は病気によって身体が作り出していますので、病気が治らない以上、症状を抑えていた薬剤の効果が切れれば、再び症状が現れます。
インフルエンザが治っていなければ、解熱剤の効果が切れれば再び高熱が現れます。アトピー性皮膚炎も、ステロイド剤やプロトピック軟膏で痒みを治しても、アトピー性皮膚炎自体が治っていなければ、再び痒みが現れることになります。

逆に見てみると、「病気」が治れば、病気により作り出されている「症状」も現れなくなります。インフルエンザが治れば、身体は高熱を作り出す必要がなくなりますので、自然と熱は下がります。アトピー性皮膚炎も同様で、アトピー性皮膚炎という病気が治れば、痒みという「症状」を必要としなくなります。つまり「病気」を治すことは「症状」を治すことに繋がり、一部の例外を除いてはイコールの関係、「病気を治すこと=症状を治すこと」と言えるでしょう。

このように、「病気」と「症状」は一体の関係にはありますが、実は全く別物であるということがお分かりいただけたでしょうか?
ここで、話を「アレルギー」に戻します。

                                  
現在、皮膚科において行われている治療法は、実は「病気」の治療を行っているのではなく、「症状」の治療を行っている、ということです。もちろん記事中にあるように、症状の治療が病気の治療につながることはありますが、それは「絶対」ということではありません。しかし、「病気」の治療は基本的に「症状」の治療に必ずつながります。
また、病気が治療されない限り、「病気から症状が作られる」わけですから、アトピー性皮膚炎の場合、薬剤の効果が切れるたびに痒みが再発、慢性化していく恐れもあるわけです。

明日は、アトピー性皮膚炎の「原因」がどこにあるのかを考えてみましょう。

                 
おまけ★★★★南のつぶやき

症状は病気に紐づいて現れますので、どうしても病気と一体化して考えがちになります。
でも、基本的に症状は自分の身体が作り出しているものです。
そして「症状」を身体が作り出すことには、「意味」があることを忘れないようにしましょう。