最新の研究から、アトピーを考える(2)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
昨日の続きで今日は、昔のアトピーと今のアトピーは、どう違っているのかについて考えてみましょう。
        
        
▼アトピーは子どもの病気?
        
昔は、アトピー性皮膚炎という疾患は、「子どもの病気」で成長と共に自然と治るケースが多いと言われていました。
1990年前後は、まだ「アトピー」という言葉が浸透しておらず、文部科学省が実施する学校保健統計調査では「ぜん息」の項目は昔からありましたが、「アトピー性皮膚炎」が統計調査の対象になったのは2006年からで、最近と言えるでしょう。
実際、昔は「子どもの病気」と言われていましたが、今は成人になってから発症する例も多くなり、また成長と共に軽快しないケースも増え、難治化することも決して珍しいことではなくなりました。
では、なぜ急に子ども以外にも、アトピー性皮膚炎が広がりを見せるようになったのでしょうか?
            
▼昔のアトピーと今のアトピーの違い
          
その答えの一つが、「子どもの病気で成長と共に治る」と言われたアトピー性皮膚炎と、成人にも増えてきている今のアトピー性皮膚炎は、原因そのものが異なっている、ということです。
以前は、「Ⅰ型(即時型)のアレルギー」と考えられていたアトピー性皮膚炎でしたが、その後「Ⅳ型(遅延型)のアレルギー」を示す病例が増え、さらに「Ⅰ型とⅣ型の混合」、そして最近では、「アトピー性皮膚炎はアレルギーが原因ではない」という考え方に変わりつつあります。
これは、実際の臨床例からさまざまな研究が行われた結果ですが、最近の「アトピー性皮膚炎はアレルギーが原因ではない」という考方があったとしても、「アトピー性皮膚炎により生じる痒みの原因は、主にアレルギーによる」という考え方に変わりはありません。
簡単に言えば、昔のアトピー性皮膚炎は主に「アレルギーを原因として発症するアトピー性皮膚炎の事例」が多かったのが、最近は「アレルギー以外を原因として発症するアトピー性皮膚炎の事例」が増えた、とういことです。ただ、アトピー性皮膚炎という病気に罹ってしまえば、そこから生じる症状である「痒み」は、主にアレルギー反応により起きていますので、昔も今も主な治療法としては、免疫を抑制する薬剤(ステロイド剤やプロトピック軟膏など)が中心になっています。

                     
今のアトピー性皮膚炎に対する標準治療の基本は、薬物治療ですが、この治療方法は「病気の原因」に対する治療ではなく、症状に対する治療、いわゆる「対症療法」と言えます。
ここで考えなければならないのは、「病気」と「症状」の違いを把握することです。
明日は、この病気と症状の違いについて見ていきましょう。

                     
おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎の原因が多様化していることは、昔から一部の医学者が主張していました。しかし、その当時のアトピー性皮膚炎への治療は、Ⅰ型アレルギーに対する(蕁麻疹など)の延長線上に近いものがありました。
原因を正しく把握することは、原因に正しく対応した治療法につながることからとても大切になりますね。