2017年6月号特集記事より(3)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                      
今日は、Q&Aを紹介します。
         
        
●アレルギー体質ならば知っておきたい 花粉と食物アレルギーの不思議な関係
監修 福冨友馬(独立行政法人国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター 診断・治療薬開発研究室長)
         
▼福冨先生に聞きました 口腔アレルギー症候群に関する素朴な疑問
         
Q.豆乳を飲んだら喉が痒くなることがあります。アレルギー検査では豆乳アレルギーと診断されたのですが、現在問題なく食べることができている大豆食品も食べないほうがいいですか?
        
A.花粉症が原因の場合は、症状が出なければ食べても問題ない
        
豆乳で喉が痒くなるのであれば、摂りすぎには注意してください。しかし、アレルギーの原因が花粉症である場合は、豆乳を頻繁に飲み続けることで病気が進行してアレルギー体質が悪化していくということはないでしょう。悪化予防のためには、豆乳を避けるよりも、原因花粉を避けることの方が大切です。
他の大豆食品に関しても同様に考えて、症状が出なければ食べても問題ありません。
         
Q.リンゴを食べると喉が痒くなります。豆乳を飲んだことはないのですが、豆乳も避けたほうがいいですか?
      
A.リンゴで症状が出る場合は、豆乳にも注意が必要
        
相模原病院アレルギー科を受診したリンゴやモモなどのアレルギーの患者さん47名のうち、43パーセントが大豆のアレルギー症状を合併していました。
リンゴやモモでアレルギー症状が出る場合は、豆乳でも症状が出る確率はかなり高いといえます。初めて豆乳を飲む場合は、少量で試したほうがいいでしょう。
豆乳を摂取してアレルギー症状が出た場合は、直ちに医療機関で受診してください。症状が重い場合は、もやし、枝豆、豆腐などの大豆食品にも注意してください。
加工度が高い発酵大豆食品(味噌、醤油、納豆)で症状が出ることはほとんどありません。極めてまれなケースと考えていいでしょう。
他に気をつけるべき果物野菜については、表1「原因花粉とアレルギーの出やすい食物」を参照してください。
      
Q.私はスギ花粉症ですが、ハンノキ花粉症も心配です。どこで調べたらいいですか?
       
A.アレルギー専門の医療機関が安心です
         
ハンノキやシラカンバなどカバノキ科植物の花粉症かどうかは、全国の医療機関(アレルギー科、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科など)で調べることができます。
ただし、ハンノキやシラカンバのアレルギーに詳しいお医者さんはまだまだ少ないのが現状です。なるべくならアレルギー科などアレルギー専門の医療機関で受診することをお勧めします。
         
Q.大豆アレルギーの検査は陰性でしたが、豆乳に含まれるGl y m 4 についても陰性と考えてよいのですか?
         
A.Gly m 4 の検査を受けましょう
          
結論から先に述べれば、Gly m 4 の検査をしないと陰性かどうかはわかりません。陰性の結果が出たのは、従来の大豆特異IgE抗体検査によるものです。この検査は、様々なタンパク質(粗抽出抗原)に対するIgE抗体を測定するので、正確性に欠けるところがあります。
表3を見てください。大豆特異的IgE抗体検査(下から4行目)では、陽性が48%(半数以上が陰性)のみですが、Gly m 4の検査では100%が陽性です。
Gly m 4の検査が診療に活かせるようになったのはつい最近ですから、それまでの大豆アレルギー検査だけでは見逃されがちだったといえます。
            
Q.Gl y m 4 の検査はどのようなものですか?
         
A.血液検査だけで診断が可能です
            
大豆アレルゲンのGly m 4 については、これまでプリックテスト(皮膚にアレルゲンを注入する検査)を行っていましたが、2016年からは血液検査だけで診断できるようになり、全国の医療機関で検査を受けることができます。ただし、Gly m4 の受託検査を行う会社はまだ少ないこともあり、アレルギー専門の医療機関を選んだ方が確実でしょう。
         
Q.メロンを食べると喉がイガイガします。これも口腔アレルギー症候群ですか?
          
A.カバノキ科以外の原因花粉も考えられます
            
メロン、スイカ、キュウリ(共にウリ科)、トマト(ナス科)、オレンジ(ミカン科)、バナナ(バショウ科)、アボカド(クスノキ科)などの果実は、カバノキ科植物とは違った花粉(イネ科のカモガヤ、キク科のブタクサやヨモギなど)に交差反応を示します(表4)。
これらも口腔アレルギー症候群に分類されています。
         
Q.ラテックスフルーツ症候群と口腔アレルギー症候群は、どこが違うのですか?
          
A.ラテックスフルーツ症候群は重篤化しやすい
          
天然ゴム素材にアレルギーを起こすラテックスアレルギー患者は、特定の果物野菜にもアレルギー反応を示すことが多く、これをラテックスフルーツ症候群といいます。
ラテックスフルーツ症候群は、ラテックス抗原(Hev b 6.02 など)と果物野菜に含まれる抗原の交差反応により起こるので、アレルギー反応が起こるメカニズムは口腔アレルギー症候群とほぼ同じと考えてよいでしょう。ただし、ラテックスフルーツ症候群で交差反応を示す果物野菜の抗原は過熱変性に強いので、口腔アレルギー症候群のように症状が口や喉にと
どまらないことが多いのです。つまり、アナフィラキシーのような全身への強いアレルギー反応を引き起こしやすいので、症状はより重篤になりがちです。
         
※ラテックスフルーツ症候群を引き起こしやすい食物:クリ、バナナ、アボカド、パインなど
          
              
Q&Aは、かなり分かりやすく説明されていたかと思います。
アトピー性皮膚炎の方に以前、アンケートを実施したところ、もっとも併発しているアレルギー疾患は「花粉症」でした。
今回の記事に書かれているアレルギーには注意してみましょう。

                       
おまけ★★★★北のつぶやき

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図表なども分かりやすくなっていますので、興味のある方はご覧ください。

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