2017年6月号特集記事より(1)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、今月に掲載された特集記事を紹介しましょう。
          
        
●アレルギー体質ならば知っておきたい 花粉と食物アレルギーの不思議な関係
監修 福冨友馬(独立行政法人国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター 診断・治療薬開発研究室長)
         
豆乳などの摂取により起こる「口腔アレルギー症候群(OAS)」と呼ばれるアレルギー症状が増えています。いわゆる食物アレルギーとは少し違ったアレルギー疾患が起こる仕組みと、日常的に気をつけたいポイントをお伝えします。
          
▼大豆の加工食品は食べられるのに豆乳アレルギー?
            
独立行政法人・国民生活センターには、2008年あたりから「豆乳を飲んだらアレルギー症状が出た」という相談が度々寄せられるようになりました。症状としては、喉の痛みやかゆみ、鼻づまり、目のかゆみ、瞼の腫れなど。まれに重篤なアナフィラキシーのケースもありますが、口や喉に症状が出ることが多いことから、口腔アレルギー症候群(OAS:Oral
Allergy Syndrome)と呼ばれています。
口腔アレルギー症候群は、豆乳を飲んで十数分後に現れるケースが多く、一見して大豆による食物アレルギーかと思われがちです。ところがなぜか、これらの患者さんは、他の大豆加工食品(煮豆・味噌・醤油・納豆など)ではアレルギー症状が出ないといいます。
豆乳でアレルギー症状が出ているのに、大豆の加工食品ではアレルギーはでない。しかも症状は口腔部分に集中している。これはどういうことでしょうか?
         
▼豆乳アレルギーと花粉症の関係は?
      
もともと大豆アレルギーではないのに豆乳ではアレルギー症状が出てしまう。こんなタイプの患者さんには、いくつかの特徴があります。
          
①リンゴやモモ、サクランボなどの果物を食べた際にも、喉が痒くなるなど似たような症状が出ることがある
        
② 豆乳によるアレルギー症状の相談は、4~6月の時期に多い。
         
③ 豆乳アレルギーを訴える患者さんたちの多くは、花粉症を併発している。
          
もともと大豆アレルギーではなく、花粉アレルギーがあるということは、豆乳アレルギーは花粉に関係しているのでしょうか?
患者さんたちの花粉アレルギーについて調べてみると、揃ってカバノキ科植物の花粉症であることがわかりました。ということは、カバノキ科植物の花粉に何か秘密がありそうです。
         
▼白樺と大豆はソックリさん?
              
左の図Aを見てください。左がシラカンバ(白樺)花粉に含まれる抗原(アレルゲンタンパク)Bet v 1 、右が大豆に含まれる抗原Gly m 4の立体構造を表しています。なんとなく形が似ていると思いませんか?
形が似ているのには理由があって、Bet v 1 とGly m 4 は共にPR-10(Pathogenesis-related protein-10)というタンパク質の仲間なのです。PR-10タンパクは、植物の種を超えて広く分布しており、植物の生体防御に関与しています。同じような働きを持つタンパク質同士ということで、その構造(アミノ酸配列)が似ているのです。
図BはBet v 1 とGly m 4のアミノ酸配列ですが、一致率は52%です。
52%というとあまり高くない数字という印象がありますが、アミノ酸配列の類似性を判定する際の閾値は50%程度なので、結構似ていると考えてよいでしょう。
         
        
今日は、まず記事の前半部分について紹介しました。
明日は後半部分で豆乳アレルギーの原因について述べます。

                    
おまけ★★★★東のつぶやき

今回の記事は、以前に新聞記事として掲載されていたことをブログでも紹介しました。
アトピー性皮膚炎の方に関係する話として、今回、取材をお願いいたしました。
今後のアトピー性皮膚炎の「在り方」にも深く関わる部分がありますので、ぜひお読みいただければと思います。