医師は病気を治せるのか?(3)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               
昨日は、病気を治す主体の認識が患者側と医師側で異なることがあることを述べました。
今日はそこに潜む問題について考えましょう。

まず問題になってくるのは、患者側が「病気は病院が治すもの」という意識が強かった場合、仮に治療が「失敗」すると、患者側はその失敗の原因が医師にある、と考えることです。
もちろん、実際に医師側が施した治療が適切でなかった、という事例もあるでしょう。しかし、逆に医師側が施した治療が適切であっても患者側が適切に行っていなかった、というケースもあります。

「早く寝ましょう」「食べ過ぎに注意して」「お酒の飲み過ぎは止めましょう」「タバコはほどほどに」

病気に罹患した際、医師側が発するこうした言葉は、「当たり前すぎて」聞き流している方も多いのではないでしょうか?
しかし、投薬などよりも、こうした生活面での注意事項の方が重要になることも多く、医師側はこれらの「注意事項はすべて守ることを前提として」患者側の治療経過を想定していきます。
ところが患者側が、注意事項に重きを置かず十分に守らなかった場合、患者が持つ自然治癒力を十分に高めることができず、その他の治療行為(施術や投薬など)にも影響をもたらすことがあります。
例えば、風邪を引いた時、早く寝るように言われても、仕事が忙しい、友達との飲み会の約束が前からあった、など本人にとっては「当然の理由」で、早く寝なかった場合、免疫力は早く寝た場合と比較して、低くなることはあり得ても高まる可能性はほとんどありません。
その状況が毎日、積み重なっていけば、風邪が治るどころか、逆にこじらせることがあるかもしれません。
しかし、患者自身は医師に言われた通り、投薬された薬を飲んでいますので、「なぜ治らないのか?」と治療効果に疑問を持つことがあります。

投薬が生体にどういった効果をもたらすのか、もちろん医師はそれを十分に理解して処方しています。そして、「早く寝る」という生活行動が、その効果の前提にあれば、「良くなるまでは、早く寝てくださいね」と患者に注意喚起をするわけです。
これも、医師側の認識と患者側の認識のズレから生じる問題といえますが、その根底には、病気を「誰が治すのか?」という部分が潜んでいると言えるでしょう。
患者側は医師側が治すと考えていますから医師側が行う行為、つまり「投薬」を重視します。しかし医師側は患者側が治すと分かっていますので、患者側の自然治癒力を高めることを妨げない「手法」を提案しているわけです。
病気を治していくためには、医師に治療を任せる「他力本願」ではなく、病気を治せるのは自身が持つ治癒力しかない、つまり「自力本願」が必要になることを忘れてはいけないでしょう。

今回取り上げた記事にあった「病院が100%病気を治せるわけではない、という発言をしてはいけないのか?」ということについて、患者側が治療の効果を最大限に生かすためには、病気を誰が治しているのかを正しく理解する必要がある、ということから考えれば答えはおのずと明らかでしょう。
同時に、病気に対する医師が行う治療が適切なのかどうかの判断も、最終的に患者側が行わなければならないことは覚えておくようにしましょう。
患者側に「得られた結果」、つまり「治った」という結果と「治らなかった」という結果のいずれも、患者側の利益であり不利益でもある、ということです。医療ミスが明らかであれば、不利益の部分に対して補償を求めることも可能かもしれませんが、基本的に「標準治療」と認識されている範疇で行われている治療については、医師は一切の責任を負う「必要」がありません。
特に、アトピー性皮膚炎で使用されるステロイド剤のように、メリットとデメリットが共存する長期の投薬治療については、その両者のバランスをしっかり「患者側が認識する」ことも大切になってきます。
病気を治す主体は医師ではなく患者にあることを忘れないようにして欲しいと思います。

                   
おまけ★★★★南のつぶやき

医師は病気を治すことはできます。しかし、そのためには「患者自身しか病気を治すことができない」、つまり患者側の「協力」が最大限に必要であることを患者側が認識することも大切になることは忘れないようにしましょう。