【閑話休題】犬のアトピーの新薬

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
アトピー性皮膚炎は、ヒトだけに生じる疾患ではなく、犬にも多い疾患なんだけど、犬のアトピーの新薬に関する記事が出ていたので紹介するね。
           
           
●アトピー性皮膚炎の犬に処方する新薬について教えてください
http://nichigopress.jp/live/live_sodan/141890/
         
Q うちの犬は小さいころからアレルギー体質で、いつも体のどこかをかゆそうにしています。最近、アトピー性皮膚炎に効く新しい薬が出たと聞きましたが、どんな薬なのかとても興味があります。この薬で治るのでしょうか。また副作用などの安全性も教えてください。
 (45歳主婦=女性)
          
A 犬の皮膚のかゆみを抑える新薬アポクェル/アポキル(APOQUEL)が、2016年からオーストラリアでも発売されました。成分名はオクラチニブ(Oclacitnib)です。この薬は犬のかゆみに対して即効性があり、安全性も高く、長年アトピーやアレルギーで苦しんできた犬にとって高い効果を発揮しています。
          
▼皮膚のかゆみの原因
          
犬のかゆみを伴う皮膚疾患で一番よく見られるのがアレルギーやアトピー性皮膚炎です。
アレルギーは、ノミや食物など特定の物質に対して免疫が過剰に反応してしまう疾患で、通常激しいかゆみを伴います。
アトピーは、体質や環境など複合的なものによって皮膚に炎症が起こる疾患で、原因がはっきりと特定できません。かゆみの度合いもさまざまで、眠りの妨げになるほどのかゆみを伴うこともあれば、足をぺろぺろと舐めるだけのこともあります。
         
▼かゆみの悪循環
       
皮膚にかゆみを感じると、その箇所をかいたりかじったりすることで細胞が傷ついて炎症が増幅します。炎症はかゆみの誘発物質を更に出すので、より強く高い頻度でかきむしり、どんどん症状が悪化してしまいます。皮膚炎の治療は、まずこのかゆみのサイクルを断ち切ることが重要となります。
        
▼従来の薬
        
これまでは、炎症とかゆみを抑える強い効果があるステロイド剤がよく使われてきました。しかし、ステロイド剤は全身への副作用も多いため長期使用は避けたい薬です。ステロイド剤より副作用の少ないシクロスポリン(免疫抑制剤)やワクチンでの減感作治療などがありますが、効果が出るのに4~6週間と時間がかかります。
       
▼アポクェル/アポキル(APOQUEL)
             
従来の薬と異なり、新薬アポクェル/アポキル(APOQUEL)はかゆみのシグナルを伝達する酵素(ヤヌスキナーゼ)を阻害することでかゆみと炎症を抑えます。ステロイド剤と同じほどの効果と即効性(4時間以内)がありながら、かゆみを起こすシステムに的を絞って作用するので、全身への副作用と免疫系への影響は最小限で済みます。また、ステロイド剤は抗炎症剤との併用ができなかったりなどの制約がありますが、この薬にはありません。
使用法については、最初の2週間は1日2回で、それ以降は1日に1回(または半量を2回)投与します。小さな錠剤なので無理なく与えられます。
まれに吐き気を催すといった副作用があるそうですが、当院の今までの使用で特に目立った副作用は経験していません。また、重度な感染症がある場合は悪化させる恐れがあるため使用できません。
アポクェル/アポキル(APOQUEL)は発売されてまだ1年足らずですが、既に多くの犬に対し良い効果が得られています。しかし、これはアレルギーやアトピーを治すものではなく、症状を抑えるだけのものです。薬を止めればかゆみはすぐ戻ってしまいます。費用はステロイド剤に比べるとだいぶ高くなります。犬の大きさにもよりますが、薬代は1日4~5ドル程です(100錠入りボトルで計算)。
         
            
ステロイド剤のような免疫抑制剤ではなく、サイトカインを調整する働きが主なよう。
この新薬の添付書もネットで公開されているね。
      
▼アポキル錠
http://www.maff.go.jp/nval/tenpubunsyo/pdf/apq_z003r.pdf
        
犬のアトピーは、年々増加しているようだけど、原因は分かっていないみたい。
ヒトの場合、皮膚のバリア機能などが関係するけど、「スキンケア」の機能は、毛に覆われている犬と覆われないヒトでは、全く同一ではないから、ヒトとは違う原因も考えられるみたいだね。
痒みを引き起こす仕組みは、ヒトも犬も似ているようだから、いずれヒトへの応用なども考えられているのかもね。
ただ、添付書を見ると、有効率は50~60%のようだし、またアトピーを治すのではなく、痒みを抑えるだけ、としっかり明示されているのは「良心的」に感じたね。

                     
おまけ★★★★東のつぶやき

犬のアトピーも、発症の原因は同一でなくても、痒みが生じる「仕組み」自体は、似たようなところがあるようです。
そのため、犬のアトピーに有効だったものが、その後、ヒトへの臨床が行われたこともあり、実際、TGFガード、Fグリンアップのように、有効性を示したサプリメントなどもあります。
犬もヒトも、より良い治療につながるような研究が進むと良いですね。