保湿剤の必要性を論文から探る

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
アトピー性皮膚炎の方にとって、皮膚のバリア機能を、どのように維持するのかは大きなテーマです。そしてこのバリア機能の維持のためには、スキンケアが不可欠だといえますが、今日は、保湿剤の必要性について過去の医学論文を調べた研究の記事がありましたので、紹介しましょう。
         
          
●アトピー性皮膚炎に保湿剤は効く?
https://medley.life/news/item/58c0c22767f66981048b4570
      
アトピー性皮膚炎の治療にはステロイド薬や免疫抑制薬が有効ですが、スキンケアも大切です。保湿剤の効果について、これまでの研究でどのような結果が出ているかが調査されました。
       
▼アトピー性皮膚炎に対する保湿剤の効果
         
文献を調査する方法で、アトピー性皮膚炎に対する保湿剤の効果として過去に報告されている内容をまとめた研究を紹介します。
この研究では、研究データベースを2015年12月の範囲まで検索し、関係する研究報告を集めました。アトピー性皮膚炎の患者を対象として、保湿剤を使うか使わないかをランダムに割り当てる方法の研究(ランダム化対照試験)を選びました。
         
▼症状がわずかに改善
        
採用基準を満たす77件の研究が見つかりました。
データを解析した結果、保湿剤を使うことで重症度のスコア(SCORAD)がわずかに改善すると見られました。
副作用の可能性があるヒリヒリ感、かゆみ、赤み、毛包炎などの数は、保湿剤を使わない場合と比べて統計的に違いが見られませんでした。
尿素を含むクリームを使った人は、皮膚の状態がよくなったと自己申告する割合がわずかに増えましたが、副作用の可能性がある症状などもわずかに増えると見られました。
グリセロール(グリセリン)を含む保湿剤を使った人は、重症度のスコアがわずかに改善し、皮膚の状態がよくなったと感じることもわずかに増える一方、副作用の可能性があることの数は保湿剤を使わない場合と違いが見られませんでした。
研究班は「ほとんどの保湿剤は何らかの有益な効果を示した。どれかの保湿剤がほかのものより優れているという信頼できる証拠は見つからなかった」と結論しています。
       
▼まとめ
        
アトピー性皮膚炎に対して、保湿剤の効果は医学研究の結果としても確かめられていました。
アトピー性皮膚炎では、皮膚がかゆくて掻く、掻くと皮膚が傷付いてますますかゆくなるという悪循環も起こりがちです。保湿剤などを使って皮膚の状態をよくすることには意味があると考えられます。
保湿剤がすべての患者に有効というわけではありません。また、保湿剤だけで完治を期待することは必ずしも正しくありません。必要なときに必要なだけ薬を使うことは大切です。
治療の中にうまく保湿剤も取り込むことで、少しでも症状を楽にしたい人の役に立つかもしれません。
         
         
最近のアトピー性皮膚炎の研究から鑑みると、このスキンケアの必要性は言うまでもないことでしょう。
とはいえ、過去の文献を精査したことで、有意性があったことは意味が大きいと思います。
一般的なアトピー性皮膚炎の研究で考えると、現状では、「保水」「保湿」の差をあまり考えてはいないようですので、今後の研究においては、「水分」と「油分」をアトピー性皮膚炎のダメージ肌に使用した場合の差異なども対象になることを願いたいと思います。
もちろん、研究には「目的」がある以上、多くの研究が薬や何らかの有効成分を基礎に行われていることは仕方がないことかもしれません。
しかし、少なくとも「保湿剤」を使用することがアトピー性皮膚炎に対して有効であるならば、広義の意味での「保湿剤」ではなく、水分系アイテム、油分系アイテム、ジェル系アイテムなど、多岐にわたる種類の中で、どういった症状の方にはどういった種類のアイテムが有効なのか、またその理由なども探ってもらうと、より細かなアトピー性皮膚炎のケアにつなげることができるのではないでしょうか?
今後の研究に期待したいと思います。

                   
おまけ★★★★東のつぶやき

もう一つ興味深い点は、「尿素」の場合、効果とともに副作用もみられた、という部分でしょう。
ダメージ肌に対して、何か目的をもって有効性が確認できる成分は、その効果が強ければ、同時に「反作用」も起きやすい可能性があります。
グリチルリチン酸などもそうですが、効果と副作用は対の関係にあることを忘れないようにしましょう。