硬水はアトピーが多い?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、アトピー性皮膚炎に関するヨーロッパの医学論文を一つ紹介しましょう。
        
        
●硬水と乳児アトピー性皮膚炎リスク増大の関連を確認
https://www.carenet.com/news/general/carenet/43287
       
アトピー性皮膚炎は、家庭用水の硬度が高い地域、および秋~冬に生まれた小児に多くみられるようだが、相乗作用があるかどうかはわかっていない。デンマーク・コペンハーゲン大学のKristiane Aa Engebretsen氏らは、大規模出生コホートを用いた研究を行い、生後早期の硬水への曝露ならびに秋~冬の出生は、生後18ヵ月以内におけるアトピー性皮膚炎の相対有病率の増加と関連していることを明らかにした。家庭用水の硬度と出生季節の間に相乗作用はなかったが、硬水とアトピー性皮膚炎との間には用量反応関係が観察されたという。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年12月22日号掲載の報告。
研究グループは、デンマークにおける全国出生コホートの小児5万2,950例を対象に、アトピー性皮膚炎の既往(医師による診断)と人口統計学的特性について聞き取り調査を行うとともに、市民登録システムから出生データを、デンマーク・グリーンランド地質調査所から家庭用水の硬度に関するデータを入手し、log線形二項回帰モデルを用いてアトピー性皮膚炎の相対有病率を算出した。
         
主な結果は以下のとおり。
       
・アトピー性皮膚炎の有病率は、15.0%(7,942/5万2,950例)であった。
・アトピー性皮膚炎の相対有病率(RP)は、家庭用水の硬度(範囲:6.60~35.90 deg.dH[118~641mg/L])が5度増大するごとに、5%(RPtrend:1.05、95%信頼区間[CI]:1.03~1.07)高くなった。
・アトピー性皮膚炎の相対有病率は、秋(RP:1.24、95%CI:1.17~1.31)または冬(RP:1.18、95%CI:1.11~1.25)の出生児で高かったが、家庭用水の硬度との有意な相互作用は観察されなかった。
・アトピー性皮膚炎に対する硬水の人口寄与危険度は2%であった。
        
       
記事は、デンマークでの調査のため、日本人にもそのまま当てはまるのかは不明です。
また、仮に硬水がアトピー性皮膚炎の発症率に関わるとしても、その原因は分かりません。
ただ、大規模調査の結果ですので、有意差は確かにあったのだと思います。
日本の場合、一部の地域を除いては基本的に軟水が多いですので、あまり気にする必要はないかもしれませんが、飲み水としてヨーロッパの硬水のミネラルウォーターを使用している方は、もしかすると気を付けた方が良いかもしれませんね。

▼硬度とは?
水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値のこと。
WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上が「硬水」となる。

                     

おまけ★★★★大田のつぶやき

もう一つ記事の中で、興味深いのは、「・アトピー性皮膚炎の相対有病率は、秋(RP:1.24、95%CI:1.17~1.31)または冬(RP:1.18、95%CI:1.11~1.25)の出生児で高かった」という部分でしょう。
秋から冬にかけて出生した子どもの方が、アトピー性皮膚炎の発症が高いのは、日本でも同様の調査結果があります。
これは、秋冬が、乾燥時期にあたることから、皮膚のバリア機能が未熟な乳幼児は、細菌叢を乱しやすいことが関係しているとも言われています。
秋冬は、しっかりスキンケアを行うことが大切だということですね。