卵アレルギーは早くから食べると予防できる?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
食物アレルギーについては、食べることで慣れていく、という考え方は実際に医療現場でも取り入れられていますが、食べることで予防できる、という研究が発表されていましたので紹介しましょう。
         
         
●卵アレルギー、早くから食べると発症率低下 研究チーム
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161209-00000017-asahi-sci
         
アトピー性皮膚炎と診断された乳児が生後6カ月から卵を食べ始めると、1歳時点で卵アレルギーになるのを約8割減らせるとの研究結果を国立成育医療研究センターのチームがまとめた。アレルギーの原因となる食物は早く食べ始めた方がいいという考え方で、新たな予防法につながる可能性がある。8日付英医学誌ランセットに発表した。
生後4~5カ月時点で、食物アレルギーを発症するリスクが高いアトピー性皮膚炎と診断された乳児を、生後6カ月からゆで卵とカボチャの粉末を毎日食べるグループ(60人)と、カボチャの粉末だけを食べるグループ(61人)に分けた。
卵の量は、生後6~9カ月は1日50ミリグラム、それ以降は250ミリグラムと段階的に増やした。両グループともアトピー性皮膚炎の治療を並行して行い、1歳の時点で、ゆで卵2分の1個(32グラム)に相当する7グラムの粉末を食べてもらい、卵アレルギーを発症するかどうかを調べた。
その結果、卵を食べていない乳児の発症率が38%だったのに対し、卵を食べた乳児は8%と、発症を約8割抑えることができた。重い副作用はなかった。少しずつ卵を食べることで耐性がついたと考えられる。
          
           
アレルギー反応自体で考えると、アナフィラキシー的な危険なショック症状を示すのは、最初に抗原を取り入れた「次」からだと考えられています。
例えば、スズメバチに刺されたことによるアナフィラキシーショックも、まだ抗体を持たない初回の段階では引き起こされずに、一度刺されて抗体を持ったことで、次に抗原と接触した際、過剰な反応を示すことで生じます。
そう考えると、今回の研究から一つ明らかなのは、ここで予防できるとされる「卵アレルギー」とは、先天的に有していたものではなく、後天的に発症する卵アレルギーだといえるでしょう。
逆に考えれば、こうした乳幼児の食物アレルギーの多くは、先天的に抱えているのではなく、生後からの生活習慣の中で、「作られている」という部分があるということです。
他の研究では、皮膚のバリア機能の低下が、抗原に曝露される機械を増やすことで、食物アレルギーが引き起こされやすい、ということが発表されていましたが、今回の記事内容は、「アトピー性皮膚炎と診断された乳児が生後6カ月から卵を食べ始めると、1歳時点で卵アレルギーになるのを約8割減らせる」というものでしたから、アトピー性皮膚炎でバリア機能が低下した乳児でも、「慣れさせる」ことで予防ができる、裏返せば、バリア機能が低下した状態の乳幼児は、「慣れさせない」と、特定の食物に対するアレルギーが生じる恐れがある、ということでもあるのかもしれません。
今回は、卵が対象でしたが、同様に食物アレルギーが生じやすい食べ物については、同様のことが言えるのでしょう。
皮膚とアレルギーの相関関係だけでなく、「免疫機能の成長」という観点からも興味深い記事です。

                         
おまけ★★★★大田のつぶやき

食物アレルギーに対して、「制限」が必要な状況のときはありますが、それが後々への影響を加味した場合に、必ずしも「正しい」とは言えない、とういことが記事からわかります。
現在行われているアトピー性皮膚炎の治療は、「今」の状況を良くすることを重視して、将来への治療による影響が重視されることはありません。しかし、食物アレルギーについても、今の状況を重視して「食べない」という選択肢が、結果的に病状を悪化させる、という恐れがあることは、複雑な状態を示してはいますが、忘れてはならないことでしょう。