2016年7月号レターより、アトピー相談(2)

北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                
今日は、昨日の続きで後半部分と、解説について紹介しましょう。
        
         
●みんなのアトピー相談
(2016年7月号あとぴナビレターより)
      
        
■2016/05/14(土)
●K・J さん
おはようございます♪ Kの肌の状態が段々とよくなってきました(^^)
ぼこぼこして湿疹の目立っていた表面がツルツルしてきていい感じです♪
        
●山田修平 相談員
K . Jさん おはようございます。Kくんのお写真ありがとうございます。
2カ月ですごく綺麗になりましたね!お子さんがとても気持ち良くお風呂に入れるように、お母さんと楽しい入浴が出来たのでしょう。薬で抑えなくて良かったですね!
       
●K・J さん
ありがとうございます。
      
●山田修平 相談員
この春はアトピーが酷くて我慢が出来ずに、ステロイドを使ったら良くなったけど、塗るのを止めたらまた酷くなってしまったというご相談がありましたよ。
Kくんは痒みを我慢して、お風呂で治せたことを褒めてあげてくださいね。
        
●K・J さん
山田さんに連絡させていただいた時は本当に状態が悪くて、かなり悩んでいました。
痒みもひどく、夜中にボリボリ掻いたり、眠れず起きてきたり。一瞬皮膚科かなぁ~と思いましたが、まず薬を処方されるだろうなぁと思い、思いとどまりました。
不安もありましたが、今思えば本当に薬に頼らなくて良かったです!
ステロイドの副作用の怖さは自分が体感してよく知ってるので。まだ完全ではありませんが、夏には堂々とプールにも入れそうです。
         
●山田修平 相談員
そうですよ。薬を使っていないほうが、治りも速いので、これからはもっともっと良くなっていきますよ。
       
■2016/05/29(日)
●山田修平 相談員
こんばんは。今日も暑いですね!
汗をかきやすくなりましたが、痒みは大丈夫ですか?
          
■2016/05/30(月)
●K・J さん
返事が遅くなりすみません。昨日は子供と一緒に寝ちゃってました…
今のところ肌の状態は落ち着いていますが、汗をかき体温が上がるとちょっと痒そうな時はあります。けど、本当に良くなってきていて嬉しいです!
    
●山田修平 相談員
おはようございます。今朝は雨が降って涼しくなりましたが、晴れると夏みたいな暑さになりますから、汗をかいたらまめに拭いてあげてくださいね。
今の段階で落ちついているようですから、これからも汗に気をつけていたら大丈夫でしょう。
        
●K・J さん
ところどころ掻いてしまっていますが、全体的には肌はキレイです。触った感じはツルツルしていて、ザラザラ感はなくなりました。
         
●山田修平 相談員
ありがとうございます。
いつもの明るい笑顔、最高です!!
       
●K・J さん
半袖が着れないかも…と心配していたので、夏までに落ち着いてきて嬉しいです。
          
        
<<解説>>
    
▼小児のステロイドの継続使用は要注意
       
最近では、食べ物などが、バリア機能の低下した肌で先にアレルギー反応が起きてしまうと、その食べ物を食べたときに、激しい食物アレルギーを起こす可能性があるということで、「ステロイドでまずは肌を治しましょう」という説明を受ける患者が増えています。
それは、正しい場合もあり、正しくない場合もあるということです。
正しい場合とは、ステロイドを塗って、そのまま肌が治ったというお子さんです。正しくない場合とは、1週間、1カ月塗っても「炎症やかゆみがひかない」、「むしろだんだん広がっている」、「数カ月経つが、まだ止められない」という方で、その後の継続使用は考えたほうが良いといえます。
というのも、「ステロイド使うと、IgEの数値が上がる(=アレルギーが強くなる)」ことがわかっているからです。
下の図をみてください。小児14名が1カ月ステロイドを使用したら、使用前と比べて変わらずの1名を除き、残りのすべての小児のIgE が増えたという結果です。中には2倍近く増えたという小児もいます。ステロイドの継続使用でIgEが上昇することは、良く知れた事実です。
また、ステロイドの継続使用により皮膚免疫が低下しますので、皮膚の細菌叢の乱れも重なり、黄色ブドウ球菌などが優位になることが分かっています。そうなると黄色ブドウ球菌の排泄物であるデルタトキシンもIgEを増やす作用がありますので、アレルギーを強めてしまいます。
つまり、継続使用をしていくと「アトピーを治そうと治療していたら、かえってアレルギーを強くしていた」ということが起きる可能性があり、実際に、長年病院を転々としながらも、同じステロイド治療を繰り返すことで、非常に重いアレルギーになっている方も多いのも事実です。
先ほども述べたように、ステロイドをちょこちょこと使って、知らない間にそのまま治ったという小児も多くいることは事実です。しかし、一方で長期間使って症状は悪化しているという小児が多いのも事実です。後者に関しては上記の点からも深刻で、やはりステロイド治療からの離脱は、アトピーを治すことにおいては重要なポイントとなります。
         
          
ステロイド剤の治療は、ある意味、諸刃の部分を含んでいます。
これは、ほとんど全ての薬剤について言えることですが、薬剤は「プラス」と「マイナス」の両方を持っており、使用期間が長引くことで、マイナスの要因が現れやすくなります。
ステロイド剤の場合も、短期使用では大きな問題が見られなかったものが、長期連用を続けていくことで、体の内部と皮膚そのものに影響を示すことがあります。
そういった点から見れば、やはり薬は「使い方」がポイントになるのでしょう。
そして、ステロイド剤は、アトピー性皮膚炎により生じる「症状」の治療は行えても、アトピー性皮膚炎という疾患そのものの治療を直接行えるわけではありません。
治療の「順位」というもののも治療法を考える際には、大切な要因となります。
リスクを出来る限り避けられるよう気をつけたいですね。

                     
おまけ★★★★北のつぶやき

今回紹介した記事は、電子版でもご覧いただけます。
実際の症状の変化なども写真で掲載されていますので、興味のある方はご覧ください。

●あとぴナビ電子版(2016年7月号)
http://www.atopinavi.com/eb/index.html