子どもの指しゃぶりにアレルギー予防の効果が?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
さて、今日は海外の研究ですが、子どもの指しゃぶりにアレルギー予防の効果が見られた、という記事を紹介しましょう。
         
         
●子どもの指しゃぶり、アレルギー予防に効果か NZ研究者ら
http://news.livedoor.com/article/detail/11757596/
         
子どもの頃に指をしゃぶったり、つめをかんだりする癖があると、アレルギー発症の確率が低くなるとの研究結果が発表された。ニュージーランドの研究者らが約1000人の子どもを対象に追跡調査を実施した。
この研究は、ニュージーランド・オタゴ大学のボブ・ハンコックス准教授らが11日、小児科専門誌「ピディアトリクス」で報告した。
米国などで近年、アレルギー疾患が増えている原因について、衛生状態が向上し、日常生活の中で病原体などに接触する機会が減ったためとする説がある。研究チームはこの説を検証するため、指しゃぶりなどの不衛生な習慣でアレルギーが減るかどうかを調べることにした。
対象はニュージーランドで1972~73年に生まれた子ども約1000人。5歳前後で調査を始め、32歳になるまで追跡した。
子どもたちが5、7、9、11歳の時に、指をしゃぶったりつめをかんだりする癖があるかどうかを両親に尋ねた。指しゃぶりなどをよくする子は全体の約31%を占めた。
13歳になった時にアレルギーの有無を調べるため、皮膚に原因物質を置いて針で微小な傷をつける「プリックテスト」を実施。32歳の時点でこれを繰り返した。
その結果、子どもの頃に指しゃぶりかつめかみ、あるいは両方の癖があったグループはそうでないグループに比べ、アレルギーの発症率が30~40%低いことが分かった。発症率の低さは成人時にも維持されていた。ただし、ぜんそくと花粉症については相関関係がみられなかったという。
ハンコックス氏によると、病原体にさらされることで体内の免疫機能にどんな変化が起きるのか、その正確な仕組みは分かっていない。アレルギーの発症よりむしろ感染症に対する抵抗力の方に影響を及ぼすようだと、同氏は指摘する。
米疾病対策センター(CDC)によると、97年から現在までの間に米国の子どもの食物アレルギー発症率は3.4%から5.4%、アレルギー性皮膚炎は7.4%から11.6%にそれぞれ上昇した。アレルギーの年間患者数は5000万人以上とされる。
            
            
記事は、いくつかの興味深い点を示しています。

1.指じゃぶりがあると、プリックテストによるアレルギー反応(皮膚での反応)が低い
2.ぜん息と花粉症については、関連性が見られない

という点でしょうか。
日頃、菌にさらされるかどうかで、アトピー性皮膚炎の発症に影響がみられたかどうかの研究は、他でも多く見られていて、過去の研究では同様の傾向が示されています。
つまり、幼少時に菌に曝露されていたかどうかが、重要であることは確かなのでしょう。
問題は、他のアレルギー疾患には、それが関連付けられない場合、アトピー性皮膚炎とぜん息や花粉症は、同じアレルギー症状を示していても、別の系統の疾患と考えた方が良い面がある、ということなのでしょう。
おそらく、アトピー性皮膚炎は免疫機能を原因として発症するパターンと、皮膚機能を原因として発症するパターンの二つがありますので、そういったことも、関連しているのではないでしょうか?
記事では、感染症との関係性を指摘していますが、今後の研究に期待したいですね。

                                
おまけ★★★★博士のつぶやき

最近のアトピー性皮膚炎に関する研究報告は、「菌」に関するものは非常に多くなっておるの。
とはいえ、「バランスの良い菌群」と考えると、「バランスが良い状態」の人と「バランスが悪い状態の人」に大別できるわけじゃが、そういった菌に関する治療は後者に対しては有効性を示しても前者に対しては、有効性が示しづらいとも言えるじゃろう。
最近は、乳酸菌の研究なども進んでおるようじゃが、実際の臨床においては、全員に有効性が示されないのも、そうしたことが関係しておるのじゃろうの。