バリア遺伝子の制御

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               
今日は、阪大から発表された、バリア機能に関する遺伝子の働きについての記事を紹介しましょう。
        
         
●バリアー遺伝子制御、症状再現=アトピー治療に貢献期待-阪大
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062200048&g=soc
          
皮膚の水分を保ち、病原菌の侵入を防ぐバリアー機能を担う主要遺伝子の働き具合をマウスで制御し、アトピー性皮膚炎のような症状を再現できたと、大阪大の徳増玲太郎特任研究員や月田早智子教授らが22日までに発表した。論文は米科学アカデミー紀要に掲載される。
この遺伝子「クローディン1」が生み出すたんぱく質は、表皮の細胞同士をつなぎ合わせる役割がある。クローディン1が少ないと表皮に異常が生じ、免疫機能が働いて炎症が起きてしまう。
アトピー性皮膚炎は幼少期に重く、成長に伴って回復する場合が多いが、マウスでこの遺伝子の働き具合を変えると、回復ぶりも違った。この実験手法は治療法の改善や予防法の確立に役立つという。
遺伝子は父母それぞれから受け継いだ染色体にある。マウス実験で両方の染色体のクローディン1遺伝子の働きを完全に止めると、生後1日で死んでしまう。このため、染色体ごとに遺伝子の働きを変え、組み合わせる方法を開発した。
            
             
今回の記事で注目したいところは、

1.バリア機能に関する遺伝子の働き具合を制御してアトピー性皮膚炎のような症状を再現できた
2.クローディン(遺伝子)が少ないと表皮に異常が生じ、免疫機能が働き炎症起きる

という点でしょうか。
「1」については、バリア機能を変化させるだけでアトピー性皮膚炎の症状が再現できた、ということは、アトピー性皮膚炎の原因の一つは、バリア機能にあることを証明しているのでしょう。
免疫機能はアトピー性皮膚炎にとって炎症を生じさせる要因ではありますが、これはアトピー性皮膚炎の原因というより、アトピー性皮膚炎の症状を引き起こす原因と考えた方が良いのでしょう。
「2」については、表皮の異常がクローディンで発生し、それが免疫機能を働かせて炎症を生じさせている、ということで、同様に皮膚の機能がアトピー性皮膚炎に関わっていることを現わしているのでしょう。
おそらく、免疫機能を主因とするアトピー性皮膚炎もあるはずですので、今回の研究結果が、アトピー性皮膚炎の全体像を示しているわけではないでしょうか、アトピー性皮膚炎の一部の姿を現わしていることは確かでしょう。
今後の研究に注目したいところです。

                             
おまけ★★★★大田のつぶやき

もう一つ注目するならば、バリア機能に関する遺伝子が特定できたのならば、バリア機能を高めることも遺伝子操作で可能なのかもしれませんね。
もちろん、遺伝子による働きは、「次の働き」に連鎖的に関わっていますから、一方的な方向性に導くことが常に正しいとは限りません。ただ、その方向性の中に、アトピー性皮膚炎の解決に向けた大きなヒントが隠されていることも考えられます。
いずれにせよ、こうした研究が進むことは良いことですね。