梅雨の時期、感染症の注意と対策を(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今週は、西日本を中心に、大雨となっていましたが、まだしばらく梅雨の時期は続くようです。
アメリカでは、50℃を超える史上最高気温を記録、NASAも今年の猛暑の確率が99%であると発表していますが、高温多湿の状況が続いた場合、アトピー性皮膚炎の方にとって心配なのが「感染症」です。

実際、最近のご相談をみていると、ヘルペスや黄色ブドウ球菌の感染症と思われる事例も増えており、特に顕著なのが、お子さまを中心にした「とびひ」の感染症です。
アトピー性皮膚炎の方の場合、もともと皮膚を掻き壊した状態があり(皮膚を掻き壊しているのでバリア機能が低下、感染症に罹りやすくなっている)、感染症に罹患しても、「アトピー性皮膚炎の炎症」と「感染症の炎症」の区別がつきづらい状況を見受けます。
そのため、病院を受診すると、感染症よりもアトピー性皮膚炎の炎症を優先、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、炎症を抑制する薬剤を処方されることが多くなります。

こうした感染症を併発したアトピー性皮膚炎の症状は、アトピー性皮膚炎と感染症と両方の原因が絡み合って炎症を形成していることがほとんどで、多くの場合、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤の治療は、見た目の症状を「抑える」には有効に働きます。
しかし、免疫を抑制することで一時的な炎症は抑えることができても、皮膚表面における免疫機能そのものを低下させている状態でもあるため、「感染症」そのものは悪化させる恐れがあります。

アトピー性皮膚炎の症状を悪化させる要因は、いくつかありますが、「感染症」もその一つです。
したがって、感染症を併発した状態のアトピー性皮膚炎の方が、ステロイド剤やプロトピック軟膏などの「免疫を抑制することで炎症を抑える薬剤」を使用した場合、それらの薬剤の免疫を抑制する「効果」により、感染症が悪化、アトピー性皮膚炎の悪循環を作る「きっかけ」となることがあります。

今のような高温多湿の梅雨の時期、環境的には「外敵の繁殖」には適していると言えます。
また、単独の感染症だけでなく、部位によって、異なる原因菌による感染症がみられることもあります。
例えば、背中や肩、お腹の部分は黄色ブドウ球菌を原因とした「とびび」が、首のシワになる部分は真菌の感染症、そして顔はヘルペスウィルス、といった具合です。
本来、こうした細菌や真菌、ウィルスは日和見菌が多く、比較的、どこにでもいますが、皮膚のバリア機能と免疫機能がしっかりしていれば、「発病」にいたることはありません。
しかし、アトピー性皮膚炎の掻き壊し状態がみられるバリア機能が低下した皮膚の場合、こうした原因菌が繁殖することによる「悪影響」を受けることが出てくるわけです。

同時に、今の時期は汗もかきやすく、そしてかいた汗が湿度が高いせいで蒸散しづらくなっているため、マラセチア菌による痒みも生じやすく、こうした感染症の状態をより悪化させやすいとも言えるでしょう。

では、こうした感染症に対して、どういった治療が行われているのでしょうか?
続きは、明日、述べたいと思います。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

「汗」は特に今の季節、曲者、ということが言えるじゃろう。
まとわりつくような蒸散しない汗は、真菌や細菌にとって「餌」の成分となる。
そしていったん繁殖活動が強まると、そうした真菌や細菌が出した排せつ物が、今度は炎症を引き起こす「基」となり、さらに掻き壊しが強まる・・・といった悪循環が形成されやすい、ということじゃな。
今の時期、汗の対策は、感染症予防のためにも、しっかりと行いたいものじゃ。