2016年3月の朝日新聞の記事より(3)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、アトピーの連載記事の最後の紹介です。
      
        
●アトピー(4)重い症状優先で
(朝日新聞記事より)
        
アトピー性皮膚炎の患者は推計45万6千人(2014年・厚生労働省調査)。
ぜんそくや食物アレルギーなどを同時に持っている人も多い。皮膚科や小児科など複数の診療科が関わるが、皮膚の治療はできても、ぜんそくは専門外というケースもある。
複数のアレルギーがあるときに何科を受診すればいいのか。日本アレルギー学会の元会長で国立病院機構東京病院院長の大田健さんは「まずは、最も症状が重い病気を専門にしている科を選んでほしい」。中でもぜんそくは命に関わることもあり、優先したい。
同学会のホームページでは都道府県別に同学会の専門医を調べられ、診療科で絞り込むこともできる。「ぜんそくで受診した場合でも、皮膚炎や鼻炎もあると、遠慮せず伝えて」
同学会ではスキンケアからステロイド吸入まで総合的に学べる医師向け講習会を14年に始めた。15年は開業医も含めて約1700人が参加。科の枠を超え患者を診られる医師が少しずつ育っている。

           
            
今回の記事は、現在の治療が抱えるアトピー性皮膚炎治療の「方向性」の問題を示しているといってよいでしょう。
アトピー性皮膚炎は、最近の研究で、アレルギー的な部分は「原因」ではなく、皮膚のバリア機能が低下したことによる「結果」であり、発症要因、というよりも悪化要因であると考えられています。
もちろん、乳幼児のアトピー性皮膚炎など、食物アレルギーからスタートしたアレルギー的な要因を抱えるアトピー性皮膚炎患者もいますが、最近の「治りづらくなってきた」と考えられているアトピー性皮膚炎の多くは、皮膚機能が発症要因のケースが多いことが分かっています。
そして、こうした皮膚機能が発症要因となっているアトピー性皮膚炎に対して、アレルギー的な要因からの「治療」を施すことが、「アトピー性皮膚炎を治りづらくしている」とも考えられています。なぜなら、アレルギー的な要因は悪化要因ですので、その治療を施すことがアトピー性皮膚炎により「生じた」症状を抑えることには繋がっても、アトピー性皮膚炎の発症原因にアプローチできていないことから、「新たなアトピー性皮膚炎」あるいは再発を招くことで、治っては再発を繰り返すことになりやすいからです。
もっとも、記事に書かれているような科の枠を越えて患者を診療すること自体は、非常に意味があることだと思いますが、アレルギーを抑える治療だけを施しているのだけでは、全てのアトピー性皮膚炎に対して対応することは難しいとも言えるでしょう。
発症要因と悪化要因、それぞれに合わせたアプローチを、見極めたうえで施す治療が今後は、必要に思います。

                    
おまけ★★★★博士のつぶやき

最近は、乳幼児の「食物アレルギー」の原因は、皮膚のバリア機能にある、という研究もなされておるようじゃ。
それだけ、皮膚は、ヒトにとって「重要な臓器」であり、乾燥してバリア機能が低下した状態は、「良くない状態」であると言えるじゃろう。
自分の症状に対して、何が必要な治療で、何ができていない治療なのかは、いろいろ探っていくことも必要なのかもしれんの。