2016年春号より「春先のアトピーケア」(1)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          
今日は、あとぴナビの春号より、これから春先のアトピーの悪化要因に、どのように対処していけばよいのか、「春先のアトピーケア」の記事を紹介したいと思います。
        
        
●春先のアトピーケア
(2016年あとぴナビ春号より)
         
冬から春への季節の変わり目は、アトピー性皮膚炎の方にとって、毎年、状態を落としやすい時期です。
特に今年は、冬の時期、気温の変動が大きく、その影響を受けている方が多いため、十分な注意と対策が必要です。
春先のアトピーケアとして注意すべき悪化要因と、その対策について考えていきましょう。
        
■乾燥対策
          
まず、この時期に必要なベースの対策は、やはり「乾燥対策」が中心となってくるでしょう。
アトピー性皮膚炎の方の肌状態を考えた場合、「低下している機能」はバリア機能です。
バリア機能が低下しているゆえに、表皮における細菌叢が異常状態となり、黄色ブドウ球菌やボービス菌など、アレルギー(IgE)に関わる素因の増加を招きやすくなる、そして、炎症から痒みが増加し、皮膚をかき壊すことでさらにバリア機能を低下させる…という悪循環が形成されることが、慢性化したアトピー性皮膚炎の病態を作り上げる一因となっていることは確かでしょう。
したがって、まずアトピー性皮膚炎の方が目指すべきところは「健全な細菌叢の形成」=「バリア機能の健全化」となってくるわけですが、冬から春先の時期、季節的な環境要因を加味すると、意識する必要があるのは、「乾燥対策」です。
そして、「乾燥」=角質層内における水分の不足、という状態を指していますので、まず最初に行うべきケアは「保水」です。
       
▼水分の補給が基本
掻き傷があると、どうしても水分系アイテムは、傷に浸みやすく、ローションやジェルなど水分を多く含むアイテムを敬遠しがちの方も多いようです。
そうした掻き傷に対しては、浸みづらいオイル系アイテムが使いやすく、実際、「コテコテ」の油分で「スキンケア」を完結させる方が多く見られます。
病院でよく処方されるスキンケアは「ワセリン」ですが、ワセリンも鉱物系の油で水分を一切含みません。したがって、掻き傷などにも浸みづらく使いやすいわけですが、こうしたオイル系のアイテムでケアを行っても「水分不足」の状態は解消されません。
冬から春先にかけて「誤ったスキンケア」として最も多いのが、この「オイル系アイテムのみでのスキンケア」を行うことで、角質層の乾燥状態が解決されず、結果的に異常な細菌叢を形成している表皮の状態を改善することができていないケースです。
        
▼工夫して水分の補給を行う
とはいえ、浸みるのを我慢しながら水分系アイテムを使い続けることはかなり苦痛になりますし、浸みる=お肌にダメージを与えている、という相反した状況を生み出していることは確かです。
そこで、オイル系アイテムと水分系アイテムを上手に活用しながら、「水分の補給」を第一に行いながら、掻き壊しなどのダメージを軽減する「保湿」「保護」のケアを重ねるスキンケアを行うことが大切になってきます。
春先のアトピーケアは、この「保水」がまかなえた状態になっているかが、最大のポイントになることを忘れないようにしましょう。
「水分不足」のケアは、アトピー性皮膚炎の方のケアとして、不十分なケアではなく事実上「マイナスのケア」となっていることを忘れないようにしましょう。
         
              
アトピー性皮膚炎の方が行うスキンケアで「誤ったケア」として最も多いのは、油系のアイテムだけ使ってのケアです。
本来、ダメージを受けた肌、バリア機能が低下した肌の回復に最も必要なのは、「水分」です。
痒みの神経線維の問題もありますので、まずは角質層に水分を補給、与えた水分をどのように肌に「留める」のかを考えるために必要なのが「油分」となります。
同様に、ステロイド剤などお薬をお使いの方の場合も、薬剤のベースが軟膏(ワセリン)である場合は特に、同様の「水分不足」に陥っていることがあります。
せっかく、お薬の効果で痒みを抑えても、お薬では抑えられない「痒み」の部分が改善していなければ、繰り返す痒みに悩まされることにもなるでしょう。
スキンケアの基本は「保水」にあることを忘れないようにしましょう。

明日は、入浴の部分の記事を紹介します。

                          
おまけ★★★★博士のつぶやき

かき傷が多い方の場合、ケアアイテムとして水分を多く含むアイテムは、傷口に浸みやすく、敬遠することが多いようじゃ。
それもあって、オイル系アイテムでのケアを好む方が多いのじゃが、水分不足の状態を放置しておくことは、他の側面から「痒み」につながる恐れがある。
アトピー性皮膚炎の方の肌を考えた場合、まず考えなければいけないのは「保水」にあることを忘れないようにして欲しいものじゃ。