新生児に有益な細菌を与える?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                
連日ブログを担当します。
昨日に引き続き、今日も乳幼児のアレルギーに関するアメリカの研究記事を紹介しましょう。
            
          
●帝王切開児に有益な細菌与える方法を発見、米研究
http://news.line.me/issue/oa-afpbb/u7ol5zl4146a
         
帝王切開で生まれた新生児に、有益な細菌を与える方法を発見したとの研究結果が1日、発表された。体全体を覆う保護膜を形成する細菌は、自然分娩時に産道で体内に取り込まれるが、帝王切開児はその機会を逸しているとされる。
人間の皮膚、口、腸などに生息する細菌は、消化、代謝、免疫などで重要な役割を担っている。
だが、生涯にわたる恩恵をもたらすと考えられている通路の産道を経由せずに生まれる帝王切開児の体内細菌は、産道を通る自然分娩児とは大きく異なる。
英医学誌「ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)」に掲載された研究論文によると、統計上、帝王切開児は後年に肥満、ぜんそく、アレルギー、免疫不全などを発症する可能性が高いという。
今回の研究に参加した科学者らが所属する米ニューヨーク大学ランゴンメディカルセンター(New York University Langone Medical Center)から発表された声明は「自然分娩でもたらされる細菌が施す『教育』を、帝王切開が妨げている」と述べている。
とりわけ重要なのは、新たに形成される免疫系が、有益な細菌と疾患を引き起こす細菌とを見分けるのを、これらの細菌が助けることだ。
        
▼自然分娩児が持つ細菌の一部獲得に成功
         
今回の研究で、研究チームは、帝王切開で生まれた新生児に、母親の膣から採取した体液を塗布した。
研究チームは、この新生児を30日間観察した結果、自然分娩児が持つ細菌の全部ではないが一部が、新生児の体内に取り入れられていることを発見した。
母親の体液を塗布されなかった帝王切開児は、マイクロバイオームとして知られる体内の細菌叢(さいきんそう)が大きく異なっていた。
だが、この塗布治療が長期的な保護効果をもたらすかどうかはまだ不明だ。
論文主執筆者のマリア・ドミンゲス・ベロ(Maria Dominguez-Bello)氏は、声明で「現在、米国の新生児の3分の1が帝王切開で生まれており、医学上必要な数の2倍に上っている状況においては、新生児の誕生時のマイクロバイオームが将来の疾患リスクに影響するかどうかということが、ますます差し迫った問題となっている」と指摘している。
        
          
アトピー性皮膚炎と皮膚の細菌叢の関係については、最近のあとぴナビでも、関係するいろいろな医学論文を特集で紹介していますが、ヒトの身体に有益な細菌叢は、皮膚、腸内など、いろいろな場所で関わります。
記事に書かれている帝王切開で生まれた新生児の細菌叢を自然分娩児の細菌叢に近い状態にするための研究結果は、ヒトと細菌との共生が重要であることも物語っていると言えるでしょう。
皮膚における細菌叢は、先天性で得たものが一生そのままで続く、というものではありません。実際、成人のアトピー性皮膚炎発症のメカニズムの中には、皮膚の細菌叢が乱れることが原因の一つとして考えられています。
ということは、逆に考えると、先天性として乱れた細菌叢があったとしてもそれは後天的に「正す」ことが可能であること、そして、そうした細菌叢を「正しく成長させる」ための日常生活行動をどのように行っていくのかがポイントになるのではないでしょうか?

                             
おまけ★★★★東のつぶやき

アトピー性皮膚炎の原因が「皮膚」にあるという考え方、アレルギーは悪化要因に過ぎない、という考えて方は、比較的最近の研究から分かっており、そこに「細菌叢」が深く関わっています。
今後も、あとぴナビでは、こうした皮膚の細菌叢、そしてバリア機能に関わる記事を取り上げていきたいと思います。ご期待ください。