我慢できない皮膚のかゆみの原因と対処とは?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                       
2月は2/20が「アレルギーの日」で、その前後一週間が「アレルギー週間」とされています。
制定されたのは1995年ですので、さほど古くはありません。
そうした中、最近は、アレルギーに関する記事が多く出ていますが、今日は日経新聞に掲載された皮膚の痒み対する記事を紹介しましょう。
          
          
●我慢できない皮膚のかゆみ 乾燥やこすり過ぎで悪循環 入浴後、10分以内に保湿ケア
(日経新聞  2016.1.30)
         
乾燥の季節だ。「皮膚がかゆくてかきむしり、出血した」「かかとのひび割れがひどくて歩けない」など肌トラブルの多くなる時期でもある。原因は皮膚の乾燥。乾燥するのは気候や加齢もあるが、実は生活習慣が大きく関わっている。無意識に皮膚の乾燥を招く肌ケアの落とし穴や改善策を探った。
        
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「就寝中も、スネや腰など、体のあちこちがかゆくて起きてしまう」。こう訴え、東京都に住む53歳の女性は皮膚科を受診した。腰や腕の外側は乾燥し、粉がふいた状態で「乾皮症」、すねはひび割れて赤く炎症を起こしており、「皮脂欠乏症湿疹」と診断された。
      
■皮脂膜が減少
        
この女性は、エアコンで乾燥した職場での長時間勤務。入浴時はナイロンタオルで体を強くこすっていた。診察した東京女子医科大学付属女性生涯健康センターの檜垣祐子教授は「過度な洗浄で皮膚が乾燥、受診する人は少なくない」と話す。
肌乾燥の主な原因は加齢変化、気候、生活環境、間違ったスキンケアだ。「生活環境やスキンケアに気を付けるだけで、症状が改善される人が多い」(檜垣教授)。この女性の場合、すねにはステロイドの塗り薬を使ったが、それ以外は職場での加湿器の導入と肌の洗浄・保湿法を指導。約1週間で改善したという。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層でなる。表皮の外側は皮脂膜で覆われ、角質とともに水分蒸発を防いで肌の潤いを保ち、細菌やアレルギーの原因物質などの外的刺激をはねかえす「皮膚のバリアー」機能を担う。
ところが乾燥やこすり過ぎでバリアー機能が衰えると、角層がめくれあがり皮脂膜も減少。さらにバリアーが壊されたという信号で、本来は表皮の下にあるかゆみを感じる神経が角層近くまで伸び、刺激に敏感になる。
細菌やアレルゲンの侵入によっても神経が刺激され、強いかゆみを覚えるようになる。水分が蒸発して肌の乾燥が進み、炎症を引き起こして皮脂欠乏症湿疹の発症やアトピー性皮膚炎の悪化を招くという悪循環に陥る。
東京逓信病院皮膚科の江藤隆史部長は「皮膚バリアーを壊さない洗浄と保湿を続ければ、健康な皮膚を取り戻せる」と説明する。
皮膚バリアーのケアで特に注意すべきなのが、入浴時だ。バリアーは厚み約0.02ミリメートルと食品用ラップ2枚分ほどの薄さ。強くこすると簡単に壊れる。洗浄剤を泡立て、泡の力だけでなでるように洗いよくすすぐ。洗浄後は刺激しないよう上からタオルで優しくおさえるように水滴をとろう。
「入浴直後の肌は潤っているが、表面を覆う油膜・皮脂膜がかなり落ちており、水分が急速に失われる」(江藤部長)。入浴後約20分で入浴前よりも皮膚の水分量が減少するという。保湿剤を入浴直後10分以内にすばやく塗り、弱くなっている皮膚バリアーを保護して乾燥を防ぐ。
        
■コタツにも注意
       
保湿剤には、皮膚の表面を油脂で覆うワセリンや保湿効果のある尿素、ヘパリン類似物質、セラミドやヒアルロン酸を含むものがある。形状も軟膏、オイル、乳液、クリームなど様々だ。塗りやすく刺激の少ない物をこまめに塗ると良い。
江藤部長は「薬、保湿剤共に、フィンガー・ティップ・ユニット(人差し指の第一関節ほどの量)を目安にたっぷりと塗ることが大切」と強調する。これは0.3~0.5グラムに相当、両手の面積に使用する目安だ。乾燥して角層が乱れた皮膚に薄く塗ってしまうと患部を十分にカバーできないことがある。ティッシュを置いてひっくり返してもくっついてはがれ落ちないくらいが適量だ。
踵のひび割れで悩む人も多い。汗をかきにくいため乾燥して固くなりがちな部位だ。厚くなった角質を落としてから保湿剤を塗る。病院などではサリチル酸ワセリンを処方されることが多いが「市販の尿素軟膏を塗った踵をラップでくるんで一晩置くのを2、3日くりかえせば改善する」(江藤部長)。
室内環境の見直しも大切だ。エアコンで乾燥しがちな室内では加湿器を用意しよう。「コタツが原因で手足が乾燥し、皮脂欠乏症湿疹を発症する高齢者も目立つ」(檜垣教授)。ホットカーペットや床暖房でも、長時間座っていたり寝そべっていたりすると、皮膚の乾燥を招く。かゆみをおぼえて肌をかくうちに悪化し、炎症をおこして治療が必要なレベルまで悪化してしまうという。長時間の使用を避け、頻繁に保湿剤を塗ろう。
          
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▼肌の健康は、柔軟な血管から
肌の健康状態には血管や血流も関係する。花王の研究によれば、冷水に手を浸した後、皮膚温の回復が遅い人は血流調節の力が弱い可能性があるという。冬に角質が乱れ、白く粉がふいたような状態の鱗屑(りんせつ)になったり、肌荒れがひどくなったりすることがわかった。
九州大学大学院芸術工学研究院の前田享史教授は「運動能力が高いほど血管の柔軟性があり、血流を調節する力もある」と解説する。1日30分以上の運動を2か月間続けると、血管の柔軟性が高まって体温調節機能も向上することを突き止めた。寒いからと家に閉じこもらず、健康な肌のためにも適度な運動を。
          
          
記事の内容は、これまであとぴナビで述べてきたことですので、特に目新しいものではありませんが、痒み関する神経線維については、あとぴナビが取材に基づいた記事として紹介させていただいたのが最初ですので、一般の皮膚科医にも、乾燥による痒みの神経線維の問題が浸透してきたことは、正しいスキンケア、そしてバリア機能の重要性からも、より的確なアトピー性皮膚炎の方のケアへと繋がっていくでしょう。
ただ、角質層の乾燥状態が継続することで真皮から角質層内に侵入した痒みを知覚する神経線維を、「どのように解決するのか」が書かれていないのが残念です。
いったん伸びた痒みを知覚する神経線維は、角質層内の水分量が維持できることで、つまり乾燥状態が緩和することで真皮内に戻っていくことが分かっています。
そのことからも、「アトピー性皮膚炎の方にとって必要なケア」のポイントとは、角質層内の「水分保持」にあることが分かるでしょう。
また、記事の最後に書かれていた「健康な肌のためにも適度な運動を」という考え方も、とても大切なことです。
体の機能を健全な状態で維持するために必要な「運動量」を、今の私たちの社会生活環境下においては、交通網の発達などにより足りていない現状があります。
「運動」「睡眠」「食事」こういった毎日の生活習慣の積み重ねの中で、アトピー性皮膚炎は「作られ」、そして「解決」していくものであることを忘れないようにしましょう。

                      

おまけ★★★★北のつぶやき

痒みに関する取材は、過去のあとぴナビの記事でご覧いただけます。
興味のある方は、ぜひご覧ください。

●かゆみのメカニズムとアトピー
http://www.atopinavi.com/navicontent/list?c1=chishiki&c2=2&c3=1