貧血とアレルギーの関係とは?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                 
今日は、アメリカのアレルギーに関する調査記事を一つ紹介したいと思います。
            
          
●アトピー性の病気と貧血に関連はあるか?アメリカの子供たちでの調査
http://medley.life/news/item/569f4b37bd4caa3c008b45b5
         
アトピー性の病気には、炎症などの特徴があり、それらは貧血に関連性があることが指摘されています。そこで、アトピー性の病気と小児の貧血について調査が行われました。
         
◆データベースから小児のデータを使用
        
アトピー性の病気とは、免疫の異常が関連している病気を指します。アトピー性の病気について、米国国民健康調査から207,007人、国民健康栄養調査から30,673人の小児のデータを使用しました。そこから、アトピー性の病気とされる湿疹、喘息、花粉症、食物アレルギーについて報告があるかを調査しました。
         
◆アトピー性の病気と貧血との関連性
         
データから次の結果が得られました。
          
NHISの多変量解析では(主な結果を調整オッズ比[95%CI]として記す)、湿疹(1.83;1.58-2.13)、喘息(1.31;1.14-1.51)、花粉症(1.57 ; 1.36-1.81)、食物アレルギー(2.08;1.71-2.52)が、貧血のオッズが高かった(すべてP<.001)。NHANESでは、喘息(1.33;1.04-1.70;P=.02)および湿疹(1.93;1.04-3.59;P=.04)の現病歴が貧血、特に小球性貧血(喘息;1.61;1.09-2.38;P=.02;湿疹:2.03;1.20-3.46;P=.009)のオッズが高いことと関連したが、花粉症の病歴は貧血とは関連性が認められなかった(0.85;0.62-1.17;P=.33)。
          
          
この研究では、湿疹、喘息、食物アレルギーに、貧血との関連性が見られましたが、花粉症については、2つのデータで異なる結果となりました。
このデータでは、アトピー性の病気を持つ小児には、貧血の心配があるのか、貧血だからアトピー性の病気にかかるのかは判別できません。ただ、アトピー性の病気と貧血に関連性が認められたということは、今後の診断、予防に役立つかもしれません。
        
          
この記事でいう「アトピー性」とは、アトピー性皮膚炎だけに特定しているのではなく、免疫系の疾患を指しており、いわゆる「アレルギー」と考えた方が良いでしょう。
そして、アトピー性皮膚炎やぜん息、食物アレルギーなどでは、貧血との相関関係が見られた、ということで、記事にあるように血液とアレルギーのどちらが先の原因となっているのかは不明にしろ、何らかの関係性は見られる、と考えてよいのでしょう。

最近、あとぴナビでは、血管壁の取材をきっかけに、血液ではなく血管と細胞の間で生じる現象と関係性などを、いろいろと調べています。
もちろん、アトピー性皮膚炎の場合、特定の原因が全ての症例をカバーすることは難しいわけですが、少なくとも、皮膚のバリア機能を健全に保つためのキーワードの一つに「毛細血管」が関与していることは確かなようです。
貧血とは、血中のヘモグロビン濃度が減少していることを指しますが、ヘモグロビン濃度の低下は赤血球の低下を現わします。
赤血球の直径は約8ミクロン、それに対して毛細血管の直径は5ミクロンしかなく、赤血球が毛細血管を通って細胞に酸素を届けるためには、半ばつぶれて平べったくなった状態で毛細血管をとおっていきます。
貧血状態=酸素が上手く運べない状態、と考えるならば、皮膚の細胞にとっても掻き壊しなどがある場合、その修復に必要な因子が不足することになるのでしょう。
これは、その他のアレルギー性疾患でも、標的となった細胞の種類によっては同様のことが考えられるのかもしれません。

いずれにしても、血液=血管と考えて、そこからアレルギー、そしてアトピー性皮膚炎を考えていくことはこれから大きなポイントになってくるように思います。

                          

おまけ★★★ ★博士のつぶやき

体は、一つの「循環系」の体系により成り立っている部分は多い。
その「循環」が良い循環となるのか悪い循環となるのかは、その循環系が支配する「領域」に相反する結果をもたらすことになるじゃろう。
血液は、体にとって大きな「因子」じゃが、血液を活かすためには、その「ルート」がなければ意味がない。
そういった点において、「血管」は「血液」と同等以上に健康に対して大きな役割を持っておるのかもしれん。
今後の研究に期待したいところじゃの。