睡眠の話(特集より・2)

北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
今日は、昨日の続きです、快眠のための条件などについて見ていきましょう。
      
       
●アトピー改善に役立つ睡眠の話
(あとぴナビ2015年秋号、特集より)
      
■なかなか眠れないのですが、どうしたらいいですか?
         
・快眠のための3つの条件
まず、よく眠れるための3つの条件を整理しておきましょう。1つめは、日中しっかり起きて活動すること。昼間にしっかり活動すると、夜には脳が疲れて眠くなります。次に、毎日夜の同じ時間帯に眠ること。これは、日中活動して夜は休息するという生活リズムができているかという体内時計の問題です。最後の条件は、快適に安心して眠れる睡眠環境を作ること。
アトピー性皮膚炎の患者さんの場合、併行して原疾患の治療が必要なことはもちろんですが、不眠に関しては、睡眠環境を整えることがとても大切です。睡眠の妨げとなるアトピー性皮膚炎特有のかゆみや掻き壊し部分の痛み、不快な寝汗などを緩和することが大事だからです。睡眠環境については、前の質問を参照してください。
       
・体内時計がずれると睡眠が不規則になる
起床と睡眠のリズムを司っている体内時計は、目覚め直後の太陽の光を手がかりにリセットされ、1日の時を刻んでいきます。だから、太陽光による朝のリセットが起床時にしっかり行われないと、夜眠くなる時間が遅くなっていきます。起床と睡眠時刻が次第にずれていくことで、夜型の昼夜逆転した生活リズムが作られてしまうのです。
体内時計がずれて睡眠時間帯が不規則になったり夜型化した状態を元にもどすには、まず朝の起床時間を一定にすることから始めます。起きる時間が規則正しくなると、体内時計のリセットが正常化するので睡眠全体が規則正しくなっていきます。
夜なかなか寝ることができずに昼夜逆転してしまった場合も、体内時計をリセットする太陽光を手がかりとすれば、少しずつ改善することができます。朝方やっと眠れて昼間は動けないという人でも、日中はできるだけ日当たりのよい場所で過ごすなど、体が光を受ける時間帯のメリハリをできるだけつけていくことが基本です。
ちなみに体内時計を調整してくれる太陽光の明るさがどれくらいのものなのか、簡単に説明しておきましょう。通常の室内照明の明るさは200?500ルクスで、太陽光の明るさの10分の1にすぎません。曇の日でも、屋外の明るさは室内の5倍以上あるでしょう。家庭用照明程度の明るさは睡眠に大きく影響するものではなく、確実に目が覚めるほど強い人工照明となると、野球場の照明レベルと考えていいでしょう。
         
・眠るための努力をしないこと
そしてもう一つ、眠れなくなる原因として特に気をつけなければならないのは、気持ちの問題です。不眠を訴える患者さんの多くは、睡眠に対して非常にナーバスで、眠れないことを心配しすぎる傾向があります。眠るための努力をしすぎると、気持ちが「眠らなければいけない」という緊張した状態になり、ますます眠れなくなるものです。
眠くないのに、「睡眠時間を確保しないといけない」と部屋を暗くして布団に入り、眠れないで横になっている時間をむやみに延ばすと、睡眠がしだいに浅くなりちょっとした刺激で目覚めやすくなるという悪循環におちいります。このような浅い睡眠が習慣になると、眠ろうと努力した割には、朝目覚めたときにはよく寝たという感覚(休息感)が得られにくくなります。
夜になってもなかなか寝付けないという人は、寝不足を心配するあまり、夜は何もせずに眠ることばかり考えてしまう傾向があります。まずはそこを改善するために、夜を楽しく過ごすことから始めましょう。眠くないのなら、少々時間が遅くなってもテレビでも見ながらリラックスすることを心がけてください。そして眠くなってから床に入るようにしましょう。
          
■眠れないときは睡眠薬を使ってもいいの?
          
・最近の睡眠薬は安全性が高い
どうしても眠れない日が続くようであれば、睡眠薬の利用を考えてもよいでしょう。最近の睡眠薬はベンゾジアゼピン受容体作動薬が主流で、一昔前の睡眠薬のように習慣性の強いものではありません。安全性が高く、本来の治療目的で使用する場合の習慣性は低い睡眠薬です。
        
・睡眠薬をうまく使うポイント
ベンゾジアゼピン受容体作動薬が体にどのように作用するのか、薬をうまく活用するために知っておくとよいでしょう。睡眠は脳を休ませるための仕組みですが、ベンゾジアゼピン受容体作動薬はこの仕組みを利用し、脳の働きを抑える鎮静作用で睡眠を促がします。この薬をうまく使うポイントは、不眠の症状に合わせて薬の作用時間を基準に選ぶこと。寝つきが悪い場合は、寝つくまでの間薬が効いていればよいのだから、服用後短時間だけ効く薬を選びます。夜中に目が覚めやすかったり全体的に睡眠が浅い場合は、朝方まで効く薬が必要です。薬の作用時間と不眠の症状がちぐはぐになると、効果がまるで出なかったり、薬が効きすぎて辛い思いをすることもあります。
         
・必ず医師に相談し、飲酒との併用は避ける
睡眠薬を使う際は、かかりつけの医師に相談し、指示された用法や用量を守ることが基本です。患者の判断で薬の量を増やしたり、減らしたり、使用を中止することは避けてください。また、薬とお酒を一緒に飲むことは絶対に避けてください。ベンゾジアゼピン受容体作動薬の場合は、服用後の記憶がすっぽり抜けるほどの記憶障害が起こることがあります。薬は眠るべき適正な時間に服用し、飲んだ後は飲酒せずにすぐに床につくことが大切です。
         
         
       
今日は、ここまでです。
明日は、最後にホルモン(内分泌)と睡眠の関係について考えたいと思います。

                           
おまけ★★★★南のつぶやき

痒みなどで睡眠時間が確保できない場合、睡眠導入剤などについてご相談を受けることがあります。
記事にもあるように、結局のところ、薬である以上、「使い方次第」ということにはなってくるのでしょう。
ただ、薬を飲まないと「眠れない」という状況は作り出さないように注意した方が良いでしょう。