脳に電流でアトピーの痒みを抑制?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                 
アトピー性皮膚炎に関する研究は、さまざまな機関が日々、行っていますが、今日は、痒みを抑制するために、電流を用いた方法で研究がおこなわれている、という記事を紹介します。
         
            
●脳に微弱電流「かゆみ抑制」アトピー治療に期待
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150814-OYT1T50061.html
          
生理学研究所(愛知県岡崎市)は12日、感覚運動調節研究部門の柿木隆介教授(62)(神経科学)らの研究グループが、脳に微弱な電流を流すことでかゆみを抑えられることを世界で初めて突き止めたと発表した。
慢性的なかゆみを訴えるアトピー性皮膚炎患者などの治療に効果が期待されるという。研究成果はオランダの神経科学誌「クリニカル ニューロフィジオロジー」9月号に掲載される。
柿木教授らは、脳への電気刺激で痛みが抑えられるこれまでの研究結果から、かゆみに対しても同様の効果があるのではないかと着目。被験者14人に対し、左右両側の大脳皮質にある感覚をつかさどる部分(感覚運動野)に電極で1ミリ・アンペアという微弱な電流を15分間流して刺激。同時に左手首に強いかゆみを起こす化学物質のヒスタミンを塗り、皮膚に浸透させてかゆみが変化するかを実験した。
この結果、左手のかゆみを感じる右側の感覚運動野に神経細胞の興奮をもたらすプラス電流を流すと、かゆみが早く鎮まることが分かった。神経を興奮させたほうがかゆくなくなる理由は分かっていないが、脳が興奮状態だと他のシグナルを感じにくいのではないかという。
電流はほとんどの人が感じないほど微弱で、体の負担が少ないうえ、薬を使わないため副作用はなく、持続的に使用が可能で、全身どこのかゆみにも効果が期待できる。
柿木教授は「かかずにかゆみをコントロールできることが確かめられ、今後は臨床での応用に向け、最適な刺激条件の解明などを進めたい」と話している。
         
             
慢性的な痒みに神経細胞が関わっていることは、先月、九州大学が研究を発表していましたが、今回も、同じように神経的な面から痒みにアプローチしようという研究のようです。
神経にある程度刺激を与える、ということは、そうした刺激から回復させようとする働きも影響してくるため、反動的な面への確認も必要になるのだと思いますが、物理的に痒みを抑制させようという考え方は興味深いと思います。
もちろん、これは、「起きた痒み」に対処するだけであり、アトピー性皮膚炎という疾患そのものへの対応ができるわけではありませんが、薬剤と比べてマイナスの影響が少ない場合には、その実用化にも期待が持てるのではないでしょうか?
今後の研究に期待したいと思います。

                   
おまけ★★★★博士のつぶやき

痒みは、最終的には脳内で「判定」されておるといっていよい。
したがって、今回の研究のように、その「判定」を無害なものに変えることができれば、痒みを抑制することにはつながっていくのじゃろう。
他にも、痒みと痛みが同時に起こった場合、痛みの方が伝わりやすい、というのはこれまでの研究で分かっていて、痒いときにその部分を叩いてしまうのも、それに関係しているのじゃろう。
もっとも、叩く場合には、毛細血管に影響を与え、その後、痒みが増幅されることがある、というマイナス点があるのじゃが、今回の電流を用いて神経細胞へのアプローチも、何らかのマイナス点がないかはしっかり調べて欲しいものじゃの。