抗菌薬を使用した際の注意点とは?

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

                         
アトピー性皮膚炎の方は、今の時期、皮膚の感染症に罹りやすい状況にることが多い。
黄色ブドウ球菌、ヘルペスなどの感染症に罹患した場合、前者は抗生物質、後者は抗ウィルス剤が処方される。
こうした薬剤は、病原性細菌やウィルスの増殖を抑えるために有効な薬剤ではあるが、同時に、弊害をもたらすこともある。
気になる記事があったので紹介しておきたい。
            
         
●抗生物質を使った子どもは若年性特発性関節炎を発症しやすい?
http://medley.life/news/item/55bb66cdf2706385014bbd56
         
子どもが抗菌薬を使うと、本来の免疫に影響が出るという説があります。若年性特発性関節炎という、免疫の異常が原因とされる、子どもにまれに起こる病気の頻度を統計解析した研究で、抗菌薬を使った子どもにその後の発症が多かったことが報告されました。
       
◆イギリスの発症例から
       
研究班は、イギリスの診療データベースを参照し、若年性特発性関節炎を新たに発症した子どもの情報を統計解析しました。
          
◆抗菌薬使用で発症増加
       
次の結果が得られました。
任意の抗菌薬曝露が、若年性特発性関節炎の発症率の増加と関連した(調整オッズ比2.1、95%信頼区間1.2-3.5)。
対照的に、抗菌薬以外の抗微生物薬、すなわち抗真菌薬と抗ウイルス薬は、若年性特発性関節炎とは関連しなかった。
種類を問わず、抗菌薬を使った子どもでは、その後に若年性特発性関節炎を発症する率が高くなっていました。しかし、細菌の治療に使う抗菌薬ではない、真菌(カビ)やウイルスの感染に対して使われる薬を使った子どもには、この傾向は見られませんでした。
この結果から、研究班は「抗菌薬曝露は若年性特発性関節炎の病態発生において何らかの役割を、可能性としては微生物叢の変化を介して、果たすかもしれない」と推論しています。
         
人間の体には、腸などさまざまな場所で、つねに住み着いている細菌がいます。それらは普段は異常に増殖したり病気を起こすことがなく、むしろ細菌どうしのバランスによって、正常な免疫の働きに貢献していると言われています。抗菌薬を使うことでこのバランスが崩れて起こる病気も知られています。
この研究の結果に対して、細菌のバランスが崩れることで若年性特発性関節炎に関係するという解釈に強い根拠はありません。とはいえ刺激的な解釈であり、抗菌薬が本当に発症のしくみに関わっているのかどうか、気になる結果です。
              
             
薬剤によって、マイナスの作用、つまり副作用の出方は異なるが、抗菌薬により、本来、体が持っている細菌叢(病原性のない細菌によるフローラ)を乱すことで、何らかの疾患につながるのであれば、少し皮肉な面があるともいえるかもしれないが、それだけ、ヒトは菌との共生が大切だとも言えるのだろう。
アトピー性皮膚炎の場合も、皮膚表面におけるフローラや、腸内におけるフローラが乱れることでアレルギーの症状が現れることが、研究により知られているが、一つの疾患を治療するために使用する薬剤が、他の弊害を生むことが極力少なくなるように注意すべきだろう。

                                 
おまけ★★★★博士のつぶやき

薬剤の副作用は、効果を伴う以上、大なり小なりあるものじゃ。
もちろん、副作用が現れる前に、薬剤の使用を止めることができれば、つまり、ベネフィット(効果)だけを享受できれば良いのじゃが、長期連用の場合には、ベネフィットに見合う「リスク」を受けやすくなることも確かじゃ。
このリスクは、薬剤により異なるわけじゃが、アトピー性皮膚炎の場合も、長期連用による薬剤のリスク、というのは確かに存在しておるわけじゃから、注意が必要じゃろう。