アトピー性皮膚炎と徹夜

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

                      
アトピー性皮膚炎の方にとって、睡眠は生活の中で重要な要因の一つと言える。
炎症が生じている際、炎症を抑える内分泌、そして掻き壊しがある際、掻き壊しを修復する内分泌の両方が、睡眠中に分泌されるからだ。
しかし、アトピー性皮膚炎の方は、痒みで夜の睡眠が取れず、症状が悪化すると昼夜逆転するケースもみられる。
今日は、Webで見つけた睡眠の記事を紹介したいと思う。
          
         
●【悲報】たった1晩の徹夜で体内時計の遺伝子に変化が生じることが判明
http://irorio.jp/kondotatsuya/20150726/247492/
         
私たちはちょっと徹夜をしたくらいで体に影響はないだろうと考えがちだが、スウェーデンのウプサラ大学の研究により、たった一晩、徹夜をしただけで、体内時計の遺伝子に変化が生じることが分かった。
       
■ラボで宿泊実験
        
研究チームは標準体重の男性15人にそれぞれ2回、ラボでの宿泊実験に参加したもらった。1回につきラボで2泊し、2回のうちどちらかで2泊目は睡眠を8時間とるか、眠らずに徹夜をするかしてもらった(1回目の2泊目で徹夜をしたら、2回目の2泊目では8時間寝る。もしくはその逆)。
       
■遺伝子と代謝機能は徹夜でどう変化する?
       
被験者の環境を同じにするため、実験中の光の条件、被験者の食べ物、活動レベルは厳密に管理され、眠らないあいだも被験者にはベッドで過ごしてもらった。
また、8時間寝る場合も、徹夜をする場合も、2泊目を過ごしたあとは、被験者の皮下脂肪および太ももの筋肉の組織をそれぞれ採取した。
さらに、インスリン感受性の低下があるかどうかを判断するため、砂糖水を飲む前と飲んだあとの血液もそれぞれ採取した。
          
■時計遺伝子に変化が
         
遺伝子の活性は、エピジェネティクス(DNA配列の変化を伴わず、環境の変化など、後天的な修飾により遺伝子発現が制御され維持される仕組)と呼ばれるメカニズムで制御されている。
このメカニズムによってDNA分子が化学的に変化し(DNAのメチル化)、遺伝子のオン・オフが制御されるのだが、徹夜をしたあとは、時計遺伝子のなかに、メチル化したDNA分子が増えていることがわかった。
また、時計遺伝子の発現にも変化が生じていることが確認された。
興味深いのは、一晩、寝不足になっただけで、すぐにDNAのメチル化が生じることであり、その変化が時計遺伝子で起きていることが重要だと研究を率いたJonathan Cedernaes博士は指摘する。
         
■徹夜で体内時計はシンクロしなくなる?
         
また、脂肪組織と骨格筋では変化の仕方が異なっており、一晩徹夜をしただけで、2つの組織の重要な分子時計がもはやシンクロしていないことが示唆された。
これは徹夜後の血液検査で、被験者の耐糖能(ブドウ糖が摂取されたとき、血糖値を一定に保つ調節機構)が低下していたことと関連があると考えられるそうだ。
       
■交代勤務に就く人の代謝機能に影響
          
今の段階では、これらの変化がどの程度持続するのかはわかっておらず、徹夜をしたあと、たっぷり睡眠をとれば、変化がリセットされる可能性もある。
その一方、こうした変化が交代勤務に就く人たちや、2型糖尿病を患う人たちの代謝記憶に作用する可能性もあり、それが長期に及んだ場合、代謝機能に影響を及ぼすことも考えられるとCedernaes博士は述べている。
ウプサラ大学の研究結果は『Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism』に発表された。
          
        
記事は、糖代謝機能に関わる部分を調べているため、直接、アトピー性皮膚炎とは関わりがないが、気をつけたい部分があるとすれば、「一晩徹夜をしただけで、2つの組織の重要な分子時計がもはやシンクロしていないことが示唆された。」という部分だろう。
ヒトは、生命を営む上で、さまざまな耐性を持っている。
もし、そうした耐性がなければ、ありとあらゆるストレスが、生命維持に対しても深刻な影響を与えることになるだろう。
だが、耐性があることは、いわゆる「無敵」の状態ではなく、受けた負荷を「先送り」している状態に過ぎない。
先送りさせた負荷を受けた部分を時間をかけて修復することで、負荷による影響を最大限、緩和させようとするわけだが、その耐性が強く働かなければ、負荷による影響も完全に避ける、ということは難しくなるだろう。
今回の研究でわかるように、睡眠についていえば、一度の負荷が体内時計に影響を与えるのであれば、睡眠から得られるメリット(痒みを抑える、掻き傷を修復する、など)を最大限に「失わない」ためにも、少なくとも状態が悪い時には、意図した徹夜、というのは避けるべきだろう(状態が悪くて、痒みで眠れない、などは別として)。
夏休み、いろいろなイベントで生活のリズムが乱れやすくなることがあるかもしれない。
注意して欲しいと思う。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

若い時には徹夜しても、特に不調は感じなかったが、年を取ると一晩の徹夜が体に応える、というのは年取った人なら経験しておると思う。
つまり、徹夜したことによる体への影響は、若い頃も年取ってからも同じように受けておるわけであって、その影響を自覚できるかどうかは、西君が書いておったように、「耐性」の問題に過ぎないとも言えるじゃろう。
睡眠が、症状に大きく関わるアトピー性皮膚炎の方の場合、徹夜は気を付けた方が良いかもしれんの。