【閑話休題】抗生物質の副作用に注意を

ショウゴです。

 

 

 

 

 

 

                         
連日になるけど、今日も、薬の話題を一つ紹介するね。
            
       
●抗生物質には未知の悪影響、「デブ菌」「ミトコンドリア」「スーパーバグ」など関係?!
http://www.mededge.jp/spcl/9112
            
これまでにも抗菌薬、いわゆる「抗生物質」の弊害は指摘されていたが、実は、抗菌薬にはこれまで知られてきた以上に幅広く複雑な悪影響があるようだ。
         
■腸内の影響をまるごと見る
          
米国メリーランド州の米国国立衛生研究所を中心とする研究グループは、その結果を消化器の病気の専門紙、ガット誌オンライン版で、2015年1月22日に報告した。
抗菌薬が使う側と微生物に与える抗菌薬の影響を明らかにする研究が行われた。
複数の抗菌薬を与えて微生物を排除したモデルマウスを用いて、腸内生物のゲノムから転写される全mRNAのデータ(トランスクリプトーム)と腸内微生物のメタゲノムの解析を組み合わせて行った。
生物は自ら持つDNAの情報に基づいて、タンパク質を作り出している。このプロセスでは、DNAからまずRNAを「転写」して、この転写されたRNAを「翻訳」してタンパク質を合成している。転写されているRNAを見ると、どんな遺伝子が働いているかを知ることができる。存在するDNAとRNAを全部見てしまおうという研究だ。
今回の研究は、著者らが「生物界間ネットワーク調査」(transkingdom network interrogation)と名付けた、バイオインフォマティクスを駆使した新しい解析手法を取り入れている点でも新しいという。
         
■3つの問題
       
その結果、明らかになったのは、抗菌薬投与には主に3つの問題が起きていると分かった。
(1)微生物叢の減少(2)抗菌薬を使った側の組織に対する抗菌薬の直接的作用(3)残った薬剤耐性微生物の影響である。
(1)の作用の結果、免疫力が低下することが知られている。腸内細菌をめぐっては糖尿病や肥満のほか複数の病的な状態との関係が注目されているので注意したいところ(どうやら「デブ菌」が現実に存在するらしい、肥満者の糞便移植で受けた人が急速に肥満にを参照)。
さらに(2)の作用の結果、宿主の組織のミトコンドリアの遺伝子発現と活性が阻害されるという。ミトコンドリアの機能が落ちると肥満につながるという研究結果も出ている(肥満で肝臓の「ミトコンドリア」が異常に、結果として病気がさらに近づくを参照)。肥満まで近づくとすれば全く予想外の作用と言えるかもしれない。
(3)の作用と相まって、死んでしまう腸内の上皮細胞の数が増える。薬剤耐性の細菌によって腸管が侵されていく。「スーパーバグ」という言葉もあるくらいで、要注意の存在だ(海外旅行中の下痢で抗菌薬に注意、かえって「スーパーバグ」に感染を参照)。
       
■最新技術を駆使して問題提示
        
なかなか見えてこない有害性が隠れていたというわけだ。
新しい研究によって、これまで知られていなかった抗菌薬多用の問題が浮かび上がってくる。気をつけたい。
       
          
ヒトの寿命が大幅に伸びたのは、抗生物質の発見が寄与することが大きいらしいんだけど、同時に、耐性菌の問題や、今回の記事にあるような問題がどうしても生じてくるようだね。
今の時期、感染症にかかって困っている人も多いと思うけど、黄色ブドウ球菌やトビヒの場合、抗生物質が処方されることも多いと思うので、こうした情報も知っておいた方がよいかもね。

                            
おまけ★★★★北のつぶやき

一カ月ほど前に、ある先生を取材させていただきましたが、その先生は、マウスを使ってアトピーの研究を行っていました。
その中で、細菌とアトピー性皮膚炎の研究を行う際、マウスに抗生物質の「カクテル」を使うことで、細菌を一気に減少させ、アトピー性皮膚炎自体も良くすることができたそうです。
ただ、そのカクテルは、耐性菌の問題からヒトへの応用はできない、ということでした。
薬剤は、強い効果を求めると、その反動も大きいと言うことが分かりますね。