かゆみを促進する遺伝子を発見?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                           
アトピー性皮膚炎などに関連する研究は、日々行われ、進歩していますが、今回、かゆみを促進する遺伝子が発見されたという記事がありましたので、紹介したいと思います。
         
         
●慢性のかゆみに悩む人に朗報、かゆみを促進する遺伝子を発見
http://www.mededge.jp/b/heal/14925
       
長引くかゆみに悩む人に朗報となるかもしれない。
かゆみを促進する遺伝子が発見された。
米国カリフォルニア大学バークレー校とバック加齢研究所の研究グループが、神経科学分野の科学誌ニューロン誌オンライン版で2015年6月11日に報告した。
      
■強いかゆみのもとを検証
        
皮膚炎は、慢性の痛みと同じくらい生活の質を損なうが、慢性的なかゆみに対する有効な治療法はほとんどない。
研究グループは、ネズミを使った実験で、最も強いかゆみがあると判断できたネズミの神経細胞を使ってかゆみによる差を検証した。
       
■「幸せホルモン」かえってかゆくする
        
結果として脳では幸せホルモンとも言われることもあるホルモン、セロトニンを受け取る受容体「HTR7」が遺伝的にほかと比べて多く働いていると発見した。
セロトニンの受容体であるHTR7があると好ましいどころか、皮膚への刺激が問題となっているという結果。
さらなる実験を進めたところ、慢性的なかゆみでHTR7が果たしている役割を確認している。
手足など末梢の神経にあるHTR7の働きが活発になると、かゆみを強く起こしていると分かった。かねて異常なセロトニンの信号伝達は、湿疹を含むかゆみを起こす原因になると知られている。まさにその通りになっていたわけだ。
ただし、痛みを起こすことはなかった。
          
■かゆみにスイッチ入れる「HTR7」
            
HTR7はセロトニンの影響を受けると、炎症につながる細胞の内外でイオンをやり取りする仕組みである「イオンチャンネル」の働きを促す。「TRPA1」という名前のイオンチャンネルとなる。
セロトニンのほか、うつ病の薬として知られるセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)によって、神経でセロトニンが増えてくると、こうしたHTR7とTRPA1の連携によってかゆみが起こってくると考えられる。
         
■薬の可能性も
         
治療の観点から見ると、HTR7とTRPA1がないと、アトピー性皮膚炎の発症を軽くできることになる。
研究グループは、急性および慢性のかゆみにHTR7が大きく関わっていると示していると指摘。HTR7を邪魔する薬を使えば、さまざまなかゆみの解決につながるかもしれない。
             
             
炎症を引き起こす免疫仕組みの観点からではなく、痒みの神経伝達の観点を着目した研究で、興味深いと思います。
セロトニンは、ノルアドレナリンやドーパミンと並んで、体内で重要な「三大神経伝達物質」の一つで、精神安定剤とよく似た構造をもち、落ち着きや安らぎ、といった気持ちの伝達に使われているとされています。
このセロトニンの受容体が痒みのスイッチを入れるきっかけになるようです。
今後の研究に注目したいと思います。

                         
おまけ★★★★博士のつぶやき

最近は、アレルギー的な要因以外からアプローチされたアトピー性皮膚炎の研究を目にするようになった気がするの。
いずれも、こうした研究が「利益」を生むために「薬剤」に落とし込むことが模索されておるようじゃが、同じ原理に基づいた、生活内でプラスの影響を与えられる要因があれば、ぜひ考えていきたいところじゃの。