2015年夏号から記事のご紹介(3)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日から3回に分けて、今月発刊された「2015年夏号」より、夏の時期にアトピー性皮膚炎の方が気をつけたいことについて書かれた記事を紹介したいと思います。
            
          
●初夏から夏にかけてのアトピー対策
(2015年夏号特集より)
          
■ポイント3 食生活による体調低下に注意を

・ミネラルとビタミンをしっかり摂る

暑い時期、体調を低下させる食生活の要因は大きく分けると二つあります。まず一つが「ミネラル」「ビタミン」などの栄養素の不足です。野菜類は、葉物を中心にこれからの季節、旬のモノが多くなってきますが、食生活が不規則なアトピー性皮膚炎の方の場合、意外とこれらの補給が足りていない、というケースは多く見受けます。
また、野菜を摂取する際、夏場はどうしても冷えた生野菜にドレッシングをかけてさっぱりと、という調理法が多くなりますが、生野菜は、量は多く見えても実際のかさは少なく、食物繊維や体への吸収面を考えると、やはり一度、加熱した方が良いと言えるでしょう。
もちろん、栄養素の中には加熱することで失われるものもありますが、完全に全て失われるわけではありませんから、例えば茹でることでカサが小さくなり、多めの量を摂取でき、加熱されることで体に吸収されやすくなるため、逆に必要な栄養素の量を補給しやすくなる場合の方が多いと言えるでしょう。調理方法を工夫しながら、野菜類をしっかりと摂取することを考えましょう。

・夏に不足しがちな脂質とタンパク質

次に気をつけたいのは、「脂質」と「たんぱく質」の不足です。アトピー性皮膚炎の方にとって、過剰な脂質やタンパク質は、痒みの原因となることもありますが、体の栄養素として健康を維持していくためには必須な栄養素でもありますから、必要量の摂取は行わなければなりません。
しかし、暑い時期、こうした脂質やタンパク質を多く含む食材は敬遠されやすく、これらが不足することで、皮膚の再生機能が低下したり、免疫力が低下することでアトピー性皮膚炎の状態が悪くなっている、というケースがあります。体の細胞は、外部からの栄養補給により作られ、その成分となる糖質、タンパク質、脂質、無機質などの栄養素には、いずれも「必要な量」があります。 この「必要な量」とは、健康維持に必要な量、健康改善に必要な量に分かれており、前者は比較的少量でも何とかなりますが、後者は一定の量を必要とします。自分の体にとって、「必要な栄養素」をバランスよく摂取できるように意識しましょう。

■それでも状態が悪化した場合のケアは?

日頃、こうしたケアをしっかり行っていても、ちょっとしたことをきっかけに、状態が落ちることがあるかもしれません。特に、ステロイド剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤を使用している方は、一定のケアを行っていても、常に「感染症」に対する一定のリスクを抱えた状態です。あるいは、休みの日に、ちょっと夜更かしをしたことをきっかけに、体調を崩して、そこから皮膚の状態も悪化した、ということがあるかもしれません。
いずれにしても、最大限の注意を払っていても状態が落ちることがあるので、そういった場合には、状況に合わせたケアを考えていくことが大切になります。

・ジュクジュク肌のケア

ジュクジュクした炎症を抱えている場合、多くは感染症が併発してその影響が見られているケースが多いものです。感染症自体は、病院での治療が必要になることもありますが、少しでも状態を持ち上げていくためには、「免疫力」と「バリア機能」を高めるケアを考えましょう。
冬の場合、乾燥した状態にある肌のバリア機能を高めるためには、固形のオイル系アイテムを利用すると良かったのですが、ジュクジュクした炎症の場合、感染症の影響があると、オイル系のアイテムを使ったケアだけでは十分でないことが多いものです。
こうした場合、まず適切な洗浄で肌を清潔に保ち、スキンケアの後に肌の上からチュビファーストなどで覆うことで擬似皮膚の代わりとなって、強力なケアが行え、感染症の対策につながることがあります。注意点としては、暑い時期、汗をかきやすいため包帯の下で汗がたまったまま長時間放置しておくと、今度は汗にかぶれることがありますので、短時間でこまめに付け替えるように注意しましょう。

・赤みを帯びた炎症のケア

暑い季節、ジュクジュクした炎症の他に多く見られるのが、赤みを帯びた炎症状態の肌です。こうした炎症状態は、主に皮膚下における免疫反応の結果生じていることが多いのですが、ジュクジュク炎症とは異なり、肌へのちょっとした刺激が、炎症を増強させる(あるいは痒みを強くする)ことがあるので、基本は「肌の刺激を緩和させるケア」を考えるようにしましょう。
また、乳幼児の場合、炎症の原因が食物アレルギーなど、アレルギーを起因として生じていることがありますが、そうした場合にはアレルゲンの曝露を防ぐ工夫も行うようにしましょう。成人の場合、紫外線や黄砂など、皮膚への直接の影響から炎症が生じることが多いのですが、それらはストレスにより増強することがあります。仕事や学業でのストレスは、できるだけ軽減される工夫(運動や睡眠など)を同時に行うようにしましょう。

                             
以上、今日は対策を行っても症状が悪化した場合のケアについて述べました。
暑さが日増しに強くなってくると、先月(5月)、先々月(4月)のケアとは、その内容が異なってきます。
もちろん、年中変わらない対処、というものもありますが、同時に、季節など変動要因によって対処を変えるべき部分もあることは忘れないようにしましょう。
適切なケアをしっかり行って、夏を乗り切りましょうね。

                             
おまけ★★★★北のつぶやき

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