花粉症でアトピーに「悪いもの」とは?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                                      
花粉のピークは過ぎ、「非常に多い」という地域はなくなって、九州地方を中心に「少ない」という地域も増えてきました(日本気象協会の花粉情報のホームページより)。
しかし、これから今度は、黄砂が増え始める季節です。
ここ数年、黄砂によるものと思われる症状悪化のご相談は、5月にかけて増える傾向があるので注意が必要でしょう。

こうした「花粉」「黄砂」を考えた場合、悪いのが、そうした「花粉」「黄砂」と思いがちですが、いろいろなデータを調べると一概にそうは言えない面があるようです。
          
          
●花粉症の原因は車の排気ガスだった!農村部より都会のほうが花粉症患者が多いワケ
http://biz-journal.jp/2015/04/post_9547.html
         
街中や電車の中で、マスクを着用した人を多く見かけます。もうインフルエンザのピークは過ぎたので、おそらく花粉症対策のためなのでしょう。今や国民のおよそ4人に1人が発症しているという花粉症。その最大の原因はスギ花粉とされていますが、本当にそれが原因なのでしょうか。スギは太古から分布していたのに、花粉症が騒がれだしたのは、ここ数十年のことです。また、スギ自体は農村地帯に多いのに、花粉症で苦しんでいる人は、東京などの大都市やその周辺に多いのです。なんとも不可思議です。戦後、スギの植林が政府の施策として進められ、それらが成長したためにスギ花粉が増えたといわれていますが、それだけではこれらの疑問は解けません。スギ花粉以外に、何か原因があるのではないでしょうか。
          
■スギよりも排気ガスの影響が大きい
        
日本でスギ花粉症が最初に発見されたのは、栃木県日光市で1960代前半とされています。日光といえば、日光街道沿いのスギ並木が有名です。ただし、スギ並木のスギは、自動車の排気ガスの影響で減ってきています。
その日光市の住民を対象にした、花粉症に関する興味深いデータがあります。それは、古河日光総合病院の小泉一弘院長(当時)が、85年に行った調査です。小泉院長らは、日光市と隣の今市市(現在は日光市に合併)の住民の中から任意に3133人を選び出し、次の3つのグループに分類しました。
         
1.自動車交通量が多く、渋滞の激しい「スギ並木地区」
2.スギは多いが交通量は少ない「スギ森地区」
3.その他の「一般地区」
      
そして、これらの人々に3月中旬から4月にかけて、クシャミや鼻水、鼻づまりなどの鼻症状、充血や涙、かゆみなどの目症状が現れるか、アンケート調査を実施したのです。つまり、花粉症の症状と住んでいる地域のスギの量および交通量との関係を調べたのです。
花粉症の発生が最も多かったのは、今市市の「スギ並木地区」で14%でした。次に多かったのは、日光市の「スギ並木地区」で12%。そして、スギの多い「スギ森地区」は、予想に反して7~10%、その他の「一般地区」が7~10%で、全体の平均は10%でした。
           
この疫学調査から、どんなことがわかるでしょうか。
        
もし花粉症の原因が花粉だけであるなら、スギの多い「スギ森地区」での発生が最も多いはずです。ところが、実際には「スギ並木地区」や「一般地区」よりも少なかったのです。しかも、スギが極めて多く交通量の少ない日光市小来川では5.1%と、「スギ並木地区」の約3分の1でした。
これは、花粉症の発生に自動車の排気ガスが深くかかわっていることを意味しています。つまり、花粉症を増加させている主原因は、スギ花粉よりも自動車の排気ガスであることがわかったのです。
            
■花粉だけでは花粉症は発生しない
         
これを裏付ける動物実験データもあります。それは、医学専門誌の「週刊日本医事新報」(日本医事新報社/85年4月6日号)に発表されたもので、東京大学物療内科の村中正治助教授(当時)らの研究グループは、マウスを使って次のような実験を行いました。
まず、スギ花粉中のアレルギー原因物質(アレルゲン)をマウスに注射して、それに対するIgE抗体がどの程度できるかを調べました。花粉症は、花粉アレルゲンに対して、免疫システムが反応し、リンパ球の一種であるB細胞がIgE抗体を作ることで発生します。したがって、もしIgE抗体ができなければ、花粉症は発生しないことになります。
実験では、マウスにスギ花粉のアレルゲンを4週ごとに1回、合計24週間で6回注射しましたが、IgE抗体はできませんでした。さらにスギ花粉のアレルゲンを10倍の量に増やして同じ実験が行われましたが、結果は同じでした。
次に、スギ花粉アレルゲンとともに、ディーゼル車排気ガス中の微粒子(DEP)をマウスに注射するという実験を行いました。その結果、注射して2週間後からIgE抗体が見つかるようになり、その後4週間ごとの注射で、明らかにIgE抗体が増えていったのです。スギ花粉アレルゲンを減らした場合でも、DEPとともに注射した場合にはIgE抗体が見つかり、12週間後からは明らかにIgE抗体が増えたのです。
この実験から、花粉だけでは花粉症は発生せず、ディーゼル車の排気ガスが加わると発症することがわかります。
日光での調査とこの動物実験によって、花粉症の大きな謎が解けたことになります。すなわち、なぜスギの多い農村部ではなく都会に花粉症患者が多いのか、なぜスギは太古の昔からあるのに高度経済成長期以降になって初めて患者が見つかり、その後増え続けているのか――それは謎ではなく、当然のことといえます。高度経済成長期以降に自動車が普及したので、それに合わせるように花粉症患者も増えたのです。また、都会は自動車が多く排気ガスによる空気汚染がひどいため、農村部よりも花粉症の発生する割合が高いのです。
結局、花粉症は単に花粉が原因ではなかったのです。人間が乗り回している自動車から出る排気ガスの影響によって生み出され、増加しているのです。このことをしっかり受け止めて、花粉症対策をしていかないと、いつになっても花粉症の患者は減らないでしょう。
            
               
記事にあるように、花粉症の場合、悪いのは「花粉」ではなく、花粉に付着した排気ガス、と考えられます。
このことは、他の研究でも同様のものがあり、見解としては、花粉が排気ガス中の窒素と結合して窒素化合物となり、それに反復継続して曝露されることで、ヒトの免疫システムの標的になりやすくなるのでは、とされています。
これは「黄砂」も同様で、中国の黄砂が舞い始める地域よりも、それが海を越えてくる日本の方がアレルギーなどの症状が出やすくなっている、という報告もあるようです。

このように、アレルギーを考える場合、「悪者」がどこにいるのか、その対処を見誤らないようにすることは大切なことでしょう。

                                       
おまけ★★★★東のつぶやき

日本の植林政策の都合から、スギが増えたことが花粉症に大きく関わっている、とする考え方もあるようですが、スギが主要因と言うより、杉は媒介している一要因と考えた方が良いのかもしれません。
大気中の化学物質は、呼気により体内に吸収されますが、食物や水などに含まれ消化器官から吸収される量の5倍以上の量を呼気から吸収していると考えられていますので、十分な注意は必要でしょう。