最新のアレルギーの考え方(2)

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                       
今日は昨日の続きで、食物アレルギーに関する部分を紹介いたします。
          
          
●変わるアレルギー、「腸内フローラ」「Tレグ(制御性T細胞)」「舌下免疫療法」「特異的経口耐性誘導(SOTI)」の威力
http://www.mededge.jp/b/tech/11255
          
■衝撃の「ピーナッツを食べる予防法」
          
アレルギーを起こす物質を遠ざけようとするのではなく、あえて触れる機会を増やすというアプローチも注目されている。アレルギーを起こす物質になれると、アレルギーの症状がなくなるという発想だ。
2015年2月、世界的な有力医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌で報告されたピーナッツアレルギーの研究結果は世界に衝撃を与えた(「5歳までにピーナッツを食べさせるべし」、アレルギーが激減、有力医学誌で報告を参照)。
幼少期にピーナッツを食べている方がピーナッツアレルギーの可能性が減るというものだ。
従来、アレルギーを避けるためにはむしろアレルギーを起こす食品を控える傾向もあった。全く逆の結果が出たのだ。
ピーナッツアレルギーの有無によらず、ピーナッツアレルギーに対する過敏反応は、ピーナッツを食べていた子どもの方が減ったのだ。その程度は半減を下回るようなインパクトだったのも驚きを与えた。5歳までにピーナッツをできるだけ食べさせるようにすべきだと研究グループは指摘している。これまで良かれと思ってアレルギーを起こす物質を遠ざけていたら、むしろあだになっていた可能性もあるわけだ。
         
■花粉に触れさせる「舌下免疫療法」
        
ピーナッツアレルギーの研究が予防の話題だとすれば、あえてアレルギーを起こす物質に触れさせるアプローチは、治療の分野でも広がっている。
一つは、花粉症の治療で国内でも浸透しつつある「舌下免疫療法」だ。スギの花粉のエキスを口の中に含ませて、体を花粉にならしていく治療だ。
三重大学のグループが、舌下免疫療法による花粉アレルギーの症状軽減を報告しており、こちらもMedエッジで注目された(スギ花粉症「舌下免疫療法」で予防、国内では今シーズンから保険適用の薬を参照)。2014年10月から、日本国内で保険診療として使える薬剤が登場している。インターロイキン10という過敏反応に関係するタンパク質を増やしており、結果として花粉症の症状を抑制していると見られた。
同じ三重大学の研究では遺伝子レベルで変化を起こすと判明している(スギ花粉症の予防に舌下免疫療法、今季から保険適用、分子レベルで「違い」確認、三重大学を参照)。
            
■あえて食べさせる食物アレルギー治療法
        
Medエッジでまだ取り上げてはいないが、食物アレルギーの分野でも「特異的経口耐性誘導(SOTI)」と呼ばれる静かに広がっている。
食物アレルギーの分野では、かつてはアレルギーの原因になる食品を除いていく「除去食」が一般的だった。特異的経口耐性誘導は逆にアレルギーの原因になる食品を少量から食べさせていく治療になる。食物アレルギーでは、ときとしてアナフィラキシーショックという呼吸困難にもつながる症状が起こり得るため、慎重な観察の下で進めていく。食べさせる量を少しずつ増やして、最終的に食物アレルギーの克服までつなげていく。アレルギーの治療は、触れさせる治療が注目されている。
             
免疫の分野はがんの領域も同じだが、日進月歩で新しい発見が続いている。そうした発見の中から全く新しい発想の治療も生まれようとしている。
          
           
記事にある、「アレルゲンに接触させる」という方法は、減感作療法として、古くからある方法です。
アナフィラキシー型の劇症症状を示すような場合もありますので、専門医の指導の元、行う必要がありますが、言葉を変えると「慣れる」という点からみると、重要なポイントなのかもしれません。
接触することでアレルギー反応が生じることが避けられないこともあり、まだ普遍的な方法ではありませんが、除去と上手に組み合わせることで新たな解決法に繋がっていくかもしれませんね。

                            
おまけ★★★★南のつぶやき

アトピー性皮膚炎の方で、小さなお子さまの場合、食物アレルギーは比較的よく見受けます。
そうした方の多くは、アトピー性皮膚炎の症状が良くなった後で、少量ずつ試していくと、普通に食べられるようになります。
結局のところ、アレルギー反応とは、「出す力」が問題になるよりもアレルギー反応を「抑える力」の方が重要なのかもしれませんね。