皮膚を守るメモリーT細胞とは?

東です。

 

 

 

 

 

 

 

                        
最近、T細胞に関する記事をよく見かけるようになったような気がします。
今日は、その中の一つの記事を紹介したいと思います。
               
             
●アトピー性皮膚炎や乾癬の解決にもつながるか?皮膚守るのは4種の「メモリーT細胞」、数は200億個
http://www.mededge.jp/a/drge/11259
        
皮膚を守っているのは、4種類の「メモリーT細胞」という細胞だと分かった。
メモリーT細胞は異物から体を守る免疫を担い、皮膚を守る一方で、過剰になると皮膚の病気であるアトピー性皮膚炎や乾癬といった病気にも関係すると見られている。そうした治療のターゲットを考えるときの手がかりを与えてくれそうだ。
米国ハーバード大学医科大学院を含む研究グループが、サイエンス・トランスレーショナル・メディシン誌3月号で報告した。
        
■200億個のメモリーT細胞
          
人間の成人の皮膚は、およそ200億個のメモリーT細胞を含んでいる。T細胞は役目を終えると通常は死んでしまうが、一部は自分の役目を記憶したまま細胞分裂を止めて休止。次に同じ役目が必要になったときに備えている。「メモリー」の名前のゆえんだ。
人間の皮膚ではどうなっているか意外と分かっていなかった。
研究グループは、このたび人間の皮膚のT細胞がどうなっているかを調べた。
         
■常在型は循環型より作用力が強い
       
T細胞は4種類あって、2種類は皮膚組織に常在し、2種類は血液中を循環していると分かった。
細胞の持っているタンパク質によって、機能はさまざま。その目印を手がかりに何種類が存在するかを調べた結果として、4つに絞り込むことができた。
皮膚は、表面が表皮、深くにあるのが真皮と呼ばれている。双方に1種類ずつが存在している。「常在型のメモリーT細胞」というタイプで、全てCD69というタンパク質を持っていた。
真皮に存在しているのは、主にCD103というタンパク質を持たないヘルパーT細胞。
表皮では、主にCD103というタンパク質を持っているヘルパーT細胞。CD103を発現していないタイプと比べて増殖能力が限られていた。常在型メモリーT細胞は、循環型より作用が強いのが特徴だ。
          
■異物を食べる細胞を連れてくる。
          
循環型のメモリーT細胞には明確な2集団があり、どちらも「CCケモカイン受容体7」を持っていた。マクロファージと呼ばれる異物をたべる細胞を連れてくる働きがある。
循環型は一方は、「Lセレクチン(白血球と血管内皮細胞の接着に関与するタンパク質)」を持っているメモリーT細胞。このメモリーT細胞はセントラルメモリーT細胞と呼ばれるもので、休止している間にも増殖することができる。一方で、Lセレクチンを持たないメモリーT細胞もあった。
人間の皮膚は、分布が異なる機能を持つ4種類のT細胞グループによって保護されている。今後の診断や治療のヒントを提供しそうだ。
               
              
今回の研究も、まだとっかかりの状況かと思いますが、皮膚の免疫の仕組みから研究が進むことで、新たな発見が見つかるかもしれません。
免疫システムは、簡単にいうと「指令」と「実行部隊」に分かれるわけですが、今回記事中にあるメモリーT細胞は「指令」の分類に入ります。
一般的にアトピー性皮膚炎は、この「指令」の免疫システムが「誤った」働きをすることで、炎症が生じている(アレルギー反応)と考えられている部分があります。
今後、どのように進んで行くのか研究に注目しておきたいと思います。

                           
おまけ★★★★博士のつぶやき

表皮と真皮で、違うタイプの免疫が常駐しておる、というのは興味深いところじゃ。
なぜなら、表皮で生じる異常状態と真皮で生じる異常状態が、関連性はあったとしても作用機序が異なる、ということがあるかもしれんわけじゃからの。
すぐにアトピー性皮膚炎の解決に繋がる、ということではないが、炎症が生じる原因の解決に繋がる可能性はあるから、見守りたいの。