アレルゲンの早期摂取でアレルギー抑制?

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

                         
昨日は、東君がアレルゲンとなりやすい食品の摂取開始時期が遅くなっている、という記事を紹介していたが、今日は、海外の研究で、アレルゲンとなりやすい食品を早期摂取することでアレルギーが抑制された、という報告を紹介しよう。
              
         
●ピーナツ早期摂取でアレルギー抑制 英研究チーム
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H0F_U5A220C1000000/
          
生後5~11カ月からピーナツを含む食品を取り続けた子供は、食べるのを避けていた子供に比べ、5歳の時点でピーナツアレルギーを発症するリスクが70~86%低かったとする疫学研究結果を、英研究チームが米医学誌に23日発表した。
研究対象としたのは開始時点でピーナツアレルギーはないが、アトピー性皮膚炎や卵アレルギーがあり、発症するリスクの高い子供たち。
チームは「アレルギーを恐れてピーナツの摂取を避けることには疑問がある」と指摘。卵など他の食品でも早く食べ始めることで発症を抑える効果があるかどうかは今後の研究課題だが、アレルギー予防の新たな指針づくりにつながりそうだ。
ロンドン大キングズ・カレッジのチームは、2006~14年に英国で11カ月未満の約640人を、ピーナツバターを含む食品を週に3回以上食べるグループと、食べるのを避けるグループに分けて追跡した。
5歳時点で発症した割合は、食べるグループが2~11%なのに比べ、食べないグループが14~35%と高かった。統計的な発症リスクは、食べるグループが70~86%低いという結果になった。
欧米では最近10年で子供のピーナツアレルギーの比率が倍増。英国や米国では一時、幼児や妊婦にアレルギーの原因食品の摂取を避けるよう勧める指針が出たが、効果が不明なため取り下げられた経緯がある。
日本では厚生労働省の研究班が「正しい診断に基づき摂取を避ける食品は必要最小限にする」との手引きを出している。
              
          
今回の記事は、特定の食品がアレルギー症状を発症させるかどうか、というよりも、アレルギー症状を持つ子どもたちが、特定の食品に対するアレルギーを発症するか、ということを調べていることが、昨日の記事とは違うところだろう。
欧米人にとってピーナッツアレルギーは、日本でイメージするとソバアレルギーのようなアナフィラキシーショックを引き起こす可能性がある即時型のアレルギーといえる。
アトピー性皮膚炎のような遅延型の症状を示すアレルギーとは少し異なるわけだが、IgEが関与している部分で考えると、似たアレルギー疾患と言えるだろう。
昨日の新聞記事で、海外で早期摂取を避けることが予防効果が認められない、とする研究結果があると書かれていたのは、こうした記事を指しているのだろう。
即時型の食物アレルギーと、アトピー性皮膚炎における食物アレルギーは、アナフィラキシー症状を伴うかどうか、という側面もあるため、同じに扱うことはできないが、こうした結果が示されたのは、知っておいてもよいだろう。
もっとも、だからといって、アトピー性皮膚炎の子どもたちが、コントロールされることなく、アレルギーを引き起こしやすい食品を早期に摂取することが大切、ということは、実際の臨床例から見ても、あまり賢明な方法とは言えないことは確かだ。
いずれ、追加の研究がなされていくと思うので、その結果を待ちたいと思う。

                          
おまけ★★★★西のつぶやき

昨日のおまけで東君が、記事の書き方によって受け手側の印象が異なることを書いていたが、今回の記事では、最後に「日本では厚生労働省の研究班が「正しい診断に基づき摂取を避ける食品は必要最小限にする」との手引きを出している。」と書かれているため、全体の記事が日本では当てはまらない、というイメージを持つ方もいるのではないだろうか?
こうした記事も、他の臨床例を調べながら、自分に当てはまるのかは慎重に考えていくことが大切だろう。