アトピー性皮膚炎の原因を考察する(1)

明けましておめでとう。今年もよろしくじゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                      

新年早々じゃが、今年はアトピー性皮膚炎をしっかり治したい、と考えておる人のために、アトピー性皮膚炎を正しく捉える手段の一つとして、その原因を取り上げてみたいと思う。

                                            
これまであとぴナビでは、いろいろな先生方にアトピー性皮膚炎に関するお話をお伺いし、そして多くの論文を拝見させていただいた。
そうした中で、10年前、20年前とは、アトピー性皮膚炎の「姿」そのものを捉える考え方も変わってきておる部分がある。
そうしたことを踏まえて、現状におけるアトピー性皮膚炎の原因がどこにあるのかを考えてみたい。

                                

●免疫機能の原因と皮膚機能の原因とに分かれる

まず、アトピー性皮膚炎は、昔は医師の間でも、アレルギー性の疾患という位置づけじゃった。
最初はI型のアレルギー(即時型)では、という考え方から、その後、Ⅳ型(遅延型)が混合して生じておる、という考え方に変わっていった。
それは、Ⅰ型のアレルギーだけでは説明がつかない、アトピー性皮膚炎の患者がいたからに他ならないが、同時に、このⅠ型とⅣ型のアレルギーでは説明がつかない患者もおることがわかった。
そこで、いろいろな研究がなされることで、アトピー性皮膚炎患者には、皮膚のバリア機能に関するいくつかの因子が健常な方と比べて少ないことが分かって、アトピー性皮膚炎は、皮膚機能の異常から生じる、という考え方が今は一つの主流となりつつある。
その因子とは、少し前は「セラミド」がいわれており、最近では「フィラグリン」も取り上げられるようになった。
これらの因子が少ないことで、皮膚が乾燥しやすかったり、バリア機能が保持できない状況が生じることが原因とされたわけじゃ。

ここで一つ問題が生じてくるのは、「アトピー性皮膚炎」という病名を「一つの原因」の中に括りこもうとしておる部分があることじゃろう。
つまり、最近ではアトピー性皮膚炎の原因には、アレルギーが関与していない、という意見を持つ医師もおるのじゃが、アトピー性皮膚炎患者の病態をみる限り、アレルギーが関与している患者も多い。
例えば、食物アレルギーやハウスダストなどがそうじゃ。
そうしたアレルゲンが関与することで、実際の臨床的に症状が現れておる場合、アレルギーが関与していないとは言えない部分がある。

それらを、いろいろと総括して考えてみると、おそらくアトピー性皮膚炎は、いくつかの原因によって生じる皮膚の病態を指すのであって、いわゆる症候群的な側面が強いのではないじゃろうか?
さらにいうと、そうしたアレルギー的な免疫機能の要因と皮膚機能の要因は二つが絡み合って生じておるように思う。

実際のアトピー性皮膚炎患者をみておると、小児のアトピー性皮膚炎は、皮膚機能の要因よりもアレルギー的な要因が強く、成人のアトピー性皮膚炎は逆にアレルギー的な要因より皮膚機能の要因が強いように感じるのじゃ。
もちろん、必ずそのパターン、ということではない。小児でも皮膚機能の原因が強い人もおるし、成人でアレルギー的要因が強い人もおる。

こうしたアトピー性皮膚炎の原因は、もしかすると他にも考えられるのかもしれんが、今のところ、臨床と基礎から学術的に分かっている部分としては、この「免疫機能」が関与するアトピー性皮膚炎と「皮膚機能」が関与するアトピー性皮膚炎に大別できると言えるじゃろう。

では、さらに免疫機能や皮膚機能の異常を引き起こす原因はどこにあるのじゃろうか?
明日は、そこについて考えてみたい。

                               
おまけ★★★★博士のつぶやき

病院での治療は、基本的に症状に対する治療になるが、それでも、原因に対する治療も同時に考えていくことになる。
そうした中で、原因を取りちがえる、あるいは原因を見落とした場合、見落とした原因がから生じる痒みには対応が難しくなり、原因が解消されなければ、結果である「痒み」という症状をいつまでも体が作り出すことになるわけじゃから、症状だけ抑える治療を続けると、必然的にステロイド剤やプロトピック軟膏など免疫を抑制する薬剤の使用が長期化する恐れが生じることになるから注意が必要じゃの。