ドクターが教えるアトピーケアの新常識(2)

北です。

 

 

 

 

 

 
今日は、昨日の続きです。
                   
         
●ドクターが教えるアトピーケアの新常識
 アトピー性皮膚炎のケアは、まずスキンケアから
 (あとぴナビ 2014年冬号より)
        
■肌の乾燥が痒みを誘発する仕組み
        
アトピー性皮膚炎の方は、これまでの研究で、角質層に水分を保持させるための因子、セラミドやフィラグリンが健常な方と比べると不足していることが分かっています。
皮膚が乾燥すると、本来、真皮内にとどまっている痒みを知覚する神経線維が表皮の角質層内に侵入することが研究で分かっています。この痒みを知覚する神経線維が角質層内まで侵入することで、皮膚表面への外的な刺激が、直接、痒みとして感じられることもあります。
いったん、痒みを感じて掻き壊すと、そこで炎症が生じますから、今度は炎症に関わる免疫機能の働きにより次の痒みが作られ、連鎖的に痒みが広がることもあります。
しかし、角質層内まで伸びた痒みを知覚する神経線維は、角質層内が十分に潤った状態を維持すると、元の真皮内に戻っていくことも研究で明らかになっています。
         
■アトピーケアのポイントは乾燥肌の解消
        
アトピー性皮膚炎以外のアレルギー的な要因がなく、乾燥肌でチクチクした痒みを感じる場合は、こうした痒みを知覚する神経線維が関わっているケースもあります。
また、角質層の水分保持が不十分な乾燥した肌は、バリア機能も低下した状態です。
感染症の誘発だけでなく、外部から異物が侵入することでアレルギー反応が起きやすくなっています。
このように、皮膚が乾燥した状態であることは、アトピー悪化につながる複数のリスクを抱えた状態と言えます。バリア機能を高めたり、角質層に水分を補給することで、乾燥肌の解消を図ることが大切でしょう。
        
■油分だけでは難しい肌の保水
         
ここで一つ注意したいのは、病院で処方される保湿剤の使い方です。ステロイド治療などでは、保湿剤としてワセリンが使われることが多いものです。ワセリンは、石油から作られた油分だけのオイルです。だから、角質層を覆うことはできても、角質層に水分を与えることはできません。
汗がしっかりかける状態の方ならば、汗である程度の水分を補給することができます。しかし、基本的に油分だけのスキンケアは、肌の乾燥の緩和にはあまり向いていないと言えるでしょう。
      
■水分保持+油分でカバーがスキンケアの基本
          
乾燥肌に対するスキンケアを行う場合には、まずローションやジェルなど、水分を多く含むスキンケアアイテムで、角質層に十分な水分を与え、その上で皮膚から水分が蒸散することを防ぐため油分を含んだアイテムを塗る、といった二重のスキンケアを行うことが基本です。
最近は、角質層に対して、水分を保持させることを強化する成分や、角質層からの水分蒸散量を低下させる機能を持った成分が配合されたアイテムも出てきていますので、活用してもよいでしょう。
          
         
今回の記事で述べていることは、これまであとぴナビで繰り返し述べてきたことですが、実際に、乾燥したお肌のケアとして、水分ではなく油分を使っている方は多く、それが乾燥から来る痒みを緩和することに十分役立っていないところがポイントになります。
スキンケアの基本、つまりお肌に必要な「要素」は、まず「水分」であることをしっかり意識しましょう。
特に寒い今の時期、ローション系の水分アイテムを敬遠される方は意外に多くおられます。
水分を与えずに、スキンケアを行うことは、正しいケアに繋がっていないことを認識するようにしましょう。

正しいケアをしっかり行って冬を乗り切りましょうね。

                           
おまけ★★★★北のつぶやき

今回の記事は、電子版でご覧いただけます。補足記事や図表なども見れますので、興味のある方はご覧ください。

●あとぴナビ2014年冬号
http://www.atopinavi.com/eb/201412_navi/index.html