ドクターが教えるアトピーケアの新常識(1)

編集の北です。

 

 

 

 

 

 

 

                   
今日は、あとぴナビ2014年冬号から、「ドクターが教えるアトピーケアの常識」の特集記事を紹介したいと思います。
          
         
●ドクターが教えるアトピーケアの新常識
 アトピー性皮膚炎のケアは、まずスキンケアから
 (あとぴナビ 2014年冬号より)
            
■黄色ブドウ球菌の感染がアトピー悪化に関係していた
         
アトピー性皮膚炎を発症、悪化させる要因として、アトピー性皮膚炎の9割以上の方に見られる黄色ブドウ球菌から出るデルタ毒素が関係していることが、昨年、英国ネイチャー誌の論文で発表されました(上記要約参照)。この論文についての詳細は、あとぴナビ2014年10月号「アトピーと感染症の最新研究」をごらんください。
          
■ステロイドなどの薬剤がアトピー症状を悪化させている
         
アトピー性皮膚炎の症状が一度は改善した場合でも、季節的な要因や体調的な要因で、バリア機能が低下したときは要注意です。皮膚に常在している黄色ブドウ球菌から出るデルタ毒素がIgE抗体を作り出すことで、免疫機能が過剰反応を示すからです。IgE抗体が増えることによって、アレルギー的因子が増大すると、アトピー性皮膚炎を再度発症させることがあります。
ステロイドの外用剤やプロトピック軟膏など、免疫を抑制する薬剤を使用している場合も、黄色ブドウ球菌などの感染症が起こりやすくなり、アトピーの症状を悪化させることがあります。
このときやっかいなのは、使用している薬剤により炎症そのものは抑えられた状態にあることです。皮膚の状態は一見すると悪くないのですが、黄色ブドウ球菌がもたらす悪化の影響を受け続けている状態です。
こんな状態で、炎症を抑える働きをしていた薬剤の使用を中断すると、体内ではアレルギー的な因子が増えた状況にあるので、一気に症状が悪化してしまいます。この状態が、いわゆる離脱症状(リバウンド)です。
             
■離脱症状を薬で抑えるのは危険
            
ステロイドなどの薬剤中断による症状の悪化(リバウンド)は、薬で抑えていたアトピー性皮膚炎の症状が悪化したことが原因であると、多くの皮膚科医師は考えています。したがって、離脱症状による症状悪化に対しても薬剤の再使用が必要ということになります。
もちろん、一時的に薬が必要となるケースがないわけではありませんが、薬剤を使用すると、どうしても長期にわたり症状悪化が続き、薬剤の強さのランクも上がっていくケースが多くなります。このようなケースにおいても、離脱症状を「単なるアトピー性皮膚炎の悪化」と捉えて薬剤治療を続けることには、大きな危険が伴います。
免疫を抑制する薬剤の副作用により、感染症が誘発されやすくなることは、周知の事実です。感染症がアトピー性皮膚炎を悪化させることは、科学的に証明されています。したがって、まずは感染症治療を主軸とする治療法が必要になると考えてよいでしょう。
皮膚のバリア機能が低下した状態の場合、病院で処方されるワセリンやクリーム、あるいは一般的なスキンケアアイテムでは不十分なことがあります。バリア機能を高める成分を配合したアイテムを上手に使用することも、考えていきましょう。
          
             
10月号で紹介した、黄色ブドウ球菌のデルタ毒素がアトピー性皮膚炎を悪化させる要因についてですが、実際のアトピー性皮膚炎における臨床例の中では、かなり大きなウェイトを占めているのではないかと思います。
アレルギー的要因と言える、体内の免疫機能の問題を除き、皮膚の機能を素因とする問題は、このデルタ毒素による影響が悪化因子として深く関わっており、もう一つの「バリア機能の問題」がここに加わると、疾患そのものを治りにくくさせているばかりか、症状である痒みや炎症についても難治化させる原因になっているのでしょう。
黄色ブドウ球菌に対してプラスに働く要因、そしてマイナスに働く要因はしっかり見極めていくことが大切でしょう。

明日は、続きを書きたいと思います。

                 
おまけ★★★★東のつぶやき

今回のブログに出てきた黄色ブドウ球菌のデルタ毒素が関わる問題については、下記の電子版でご覧いただけます。
興味のある方は、どうぞ。

●あとぴナビ 2014年10月号電子版
http://www.atopinavi.com/eb/201410_navi/index.html