今年の秋の入浴とスキンケアのポイントとは?(4)

北です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                     
今日は最後の「バリア機能の問題」について考えてみましょう。
        
           
●2014年11月のアトピーケアのポイントとは?
(あとぴナビレターより)
            
■バリア機能が低下することで黄色ブドウ球菌の感染症のリスクが高まる
          
角質層が乾燥した状態は、本来レンガ状に綺麗に積み重なっているはずが、すき間がいたるところにできて、外部から異物の侵入を許しやすい状態を生んでいます。
こうした状態は、アレルゲンとなる物質の侵入の問題もありますが、それ以上に心配なのが黄色ブドウ球菌による感染症の問題です。
先月号( 10月号)の特集でも取り上げたように、ネイチャーの論文発表によると、アトピー性皮膚炎の方は、90%以上が黄色ブドウ球菌が定着し、デルタ毒素の影響を受けやすい状態にあることがわかっています。
デルタ毒素は、肥満細胞からヒスタミンなど炎症や痒みにつながる化学伝達物質を放出させるだけでなく、IgEも増強することが確認されています(アトピー性皮膚炎を「作り出す」おそれがあります)。
アトピー性皮膚炎の症状改善、そして予防のために、乾燥対策とバリア機能の強化に気をつけましょう。
         
このように、アトピー性皮膚炎の症状を悪化させない、またアトピー性皮膚炎の状態を改善していくために、角質層の水分を保持させる「スキンケア」は大切であり、特に11月からは、湿度の低下に合わせて、保水と保湿を高めていくケアを考えていくことが必要になると言えるでしょう。
          
          
バリア機能の問題は、乾燥に対する問題、異物の侵入を容易にする問題と並んで、この黄色ブドウ球菌の感染症による問題は、現在、アトピー性皮膚炎が抱える問題の重要な部分を占めていると考えられます。

特に、黄色ブドウ球菌のデルタ毒素がIgEを作り出す、という問題は深刻です。
これは、現在、アトピー性皮膚炎でない方が、IgEが増強されることでアレルギーの反応を示すようになる、つまりアトピー性皮膚炎を発症するリスクがある、というだけでなく、デルタ毒素によるマスト細胞からの脱顆粒は、IgEにより、さらに促進される、という傾向があり、悪循環を作り出す一つの要因となっているからです。
アトピー性皮膚炎と、脱ステロイドを行った際のリバウンドの問題に、このバリア機能の問題が大きく関わっていることは、知っておいた方が良いでしょう。

これから冬に向けて、スキンケアと入浴を上手に取り入れて、アトピー性皮膚炎克服を目指して頑張ってくださいね。

                      
おまけ★★★★博士のつぶやき

昔のアトピー性皮膚炎は、子どもの疾患で、成長ともに自然と治るケースが多いとされておったが、今は、成長の過程で治りきらなかったケースや、成人以降で発症するケースも増えておる。
おそらく、その「治りにくい疾患」の部分に、このバリア機能と黄色ブドウ球菌の感染症の問題が、深く関わっておると考えられておるのじゃ。
アトピー性皮膚炎に対するステロイド剤治療は、感染症に対しては、免疫抑制作用を持つため、マイナス要因として働きやすいから、気をつけるようにして欲しいものじゃの。