ステロイド剤が抱える問題点を間違えないこと(1)

大田です。

 

 

 

 

 

 

 

                         
さて、現在、アトピー性皮膚炎の治療には、ステロイド剤やプロトピック軟膏など免疫を抑制する薬剤が主に使用されています。
これらの薬剤の問題点は、以前から医師の間でも議論されてきましたが、アトピー性皮膚炎に対する「問題点」については、いまだに誤解があるように思います。
まず、最近Webで見つけた記事を一つ紹介したいと思います。
        
         
●ステロイドはなぜこわい薬と言われているのか?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141018-03847532-mynaviwn-hlth
          
■そもそもステロイドって何?
いわゆる「ステロイド」といわれるものは、副腎(腎臓の上にある臓器)で作られるステロイドホルモンを配合した薬のことで、炎症を抑える効果があります。内服薬(飲み薬)や外用薬(塗り薬)があり、アトピー性皮膚炎をはじめとした皮膚疾患には、主に外用薬を使用します。
         
■ステロイドの2つの副作用
ステロイドには局所的副作用と全身的副作用の2つの副作用があります。
        
 <局所的副作用>
・皮膚の萎縮
・毛細血管の拡張
・ステロイド紫斑
・多毛
・皮膚の感染症の誘発、増悪(にきび、カンジダ、ヘルペス等)
・酒さ様皮膚炎(顔面に赤み、腫れ、ほてりが出て悪化します)
        
などが挙げられますが、薬剤の使用を中止すれば治っていくものです。
        
 <全身的副作用>
・感染症にかかりやすくなる
・高血圧
・糖尿病
・満月様顔貌(顔が丸みをおびる)
・骨粗鬆症
・白内障
          
などがありますが、これらは主に、内服治療などで多くの量を必要とした場合に起こりえます。

ステロイドに抵抗感をもつ患者さんの中には、外用薬の副作用として全身の副作用を混同している場合があるのです。外用薬では、血液中に入るステロイドの量は多くないため、全身の副作用が起こることはほとんどありません。
また、ステロイドの強さにも違いがあり、通常は体(首より下)に使うお薬は中くらいの強さのお薬となります。炎症の強い湿疹ですと、期間を限定して非常に強い(副作用も出やすい)お薬を使うこともあります。
からだの部位によっても吸収率に違いがあり、顔面・陰部では血流がよくステロイドの吸収率が高いため、弱いお薬を使用します。
          
■使用をやめるとリバウンドする?
いっぽうリバウンドといって、ステロイドを長期間使用した場合などに、副腎によるホルモンを作る機能が低下してしまい、薬を止めた場合に炎症が治療前より強く出てしまうことがあります。
酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん:局所の副作用のひとつ)では薬剤の中止により一時的に症状が悪化することがわかっていますが、徐々に治っていきます。また、長期間の治療が必要な「アトピー性皮膚炎」では、専門家により薬を少しずつ減らしていくなどの方法でリバウンドが出ないような治療も行われます。
            
■まとめ
適切な処方がなされていれば、ステロイド外用薬の使用が危険なことはほとんどありません。むしろ、患者さんの自己判断で使用を中止すると、抑えられていた病気の症状が悪化しかねません。定期的に主治医に相談し、症状の変化をみてもらいましょう。
        
          
ステロイド剤の影響を受けた人にとっては、「突っ込みどころ」が満載とも言えますが、この記事の注意点としては、
         
・ステロイド剤の問題点を、薬物が持つ副作用として考えていること
・ステロイド剤が薬剤として持つ副作用は、使用を中断することで回復するが、ステロイド剤により影響を受けた機能の回復は他の要因の影響を受ける
・専門医の使用方法でも、アトピー性皮膚炎に対するマイナスの影響を避けることは難しい
         
という部分があります。
それぞれ、どのような意味合いなのかは、長くなるので明日に続けたいと思います。

                     
おまけ★★★★博士のつぶやき

今日、大田君が取り上げた記事は、ステロイド剤の使用を専門医の指導のもとで行えば安全に使用できるとする医師が主張する内容ともいえる。
確かに臨床的にみれば、全身的副作用は外用ステロイド剤の使用で頻度が高く起きるものではない。
だが、ステロイド剤の「影響」とは本来、異なった部分にあるのであって、こうした全身的副作用がないことをもって、ステロイド剤が持つリスクを低く表現するのでは、実際に使用した患者に生じておる状況からすれば、合致しないことにもなるから注意が必要じゃろう。