学会が定めた指針と異なる治療を実施?(2)

西だ。

 

 

 

 

 

 

 

                      
今日は、昨日の続きだ。

昨日の最後で書いたように、今回の記事で考える必要があるのは、

・専門医でも、ガイドラインに沿わない治療を行う医師がいる
・専門医よりも、非専門医の方が患者を多く診ていることがある

という点だろう。
一つずつ見ていきたい。

                             

●専門医でも、ガイドラインに沿わない治療を行う医師がいる

記事にあるように、専門医はガイドラインを熟知しているといえる。つまり、専門医でガイドラインに沿わない治療を行っている場合、それはガイドラインを知らないケースもあるのかもしれないが、「あえてガイドラインに沿わない治療を選択している」ケースもある、ということだ。
あとぴナビでは、過去、アトピー性皮膚炎の治療を行っている皮膚科医、内科医、小児科医などを数多く取材してきた。
そうした実際に臨床を行っている医師で、特に今回の記事にある「専門医」の資格を持つ先生方が、日本皮膚科学会が定めるアトピー性皮膚炎治療のガイドラインに100%沿った治療を行うケースは少なかった、といえる。
逆に100%沿わない専門医、というのもほとんどいなかった。
つまり、専門医であるからこそ、ガイドラインも熟知して実際の診療の現場の中で「正しい情報」と「正しくない情報」を臨床の中で見極めて治療を行っている、ともいえるのだ。
Aという医師にとって「○○」という治療法が正しいと考えていても、Bという医師が「○○」という治療法を行ってそれが患者の実態に合わずに「▲▲」という治療法を選択した場合、その「○○」そして「▲▲」で良くなった患者さんにとっては、それぞれの医師が正しく、良くならなかった患者さんにとっては、それぞれの医師は正しくない、ということになる。

簡単に言えば、ガイドラインを作成した学会側は、そのガイドラインの治療が「正しい」と考え、その治療法で良くならない患者は、ある意味「切り捨てている」ということになる。
そして、そうした切り捨てた患者を救うため他の治療法を行う医師は「間違っている」と言っているわけだが、果たしてそうだろうか?

もちろん、独自の治療が、その医師が持つエビデンスのみに根拠があり、多くの患者に適用した場合、かえってマイナスだった、ということもあるだろう。
だが、当然、他の治療でダメだった患者が、その治療法で救われることもある。
特に、ステロイド剤の治療については、多くの患者自身がそれを経験してわかっていることだろう。
少なくとも、「ガイドラインが100%正しい」とする「エビデンス」に対して、それを否定する「エビデンス」が存在しているところ(全て、ではなく部分的に)は忘れてはならないだろう。

長くなるので、続きは明日にしたい。

                             
おまけ★★★★西のつぶやき

専門医は、常に最新の「情報」を得ながら、患者をどのように治療していけば良いのかを考えていると言ってよい。
そういった点では、ガイドラインが「最新」であるならば、まだそれに従う意味合いがあるだろうが、ガイドラインに「沿わない」というだけで取り入れていないガイドラインが、果たして「正しい」と言い切れるのだろうか。
もちろん、新しい情報は十分な検証は必要だろう。だが同時に、ガイドラインも常に新しい情報を取り入れる姿勢は必要だと感じる。