マラリアに感染でアトピーが改善?(1)

東です。

 

 

 

 

 

 

                     
今日は、最後の3つ目の記事を紹介します。
マラリア原虫に感染することでアトピーが改善した、という群馬大学の記事です。
            
               
●アトピー性皮膚炎改善、寄生虫関与の仕組み解明
http://www.yomiuri.co.jp/science/20140820-OYT1T50021.html?from=ycont_top_txt
              
群馬大大学院医学系研究科の石川治教授(皮膚科学)らの研究グループは19日、寄生虫の感染でアトピー性皮膚炎が改善する仕組みを解明したと発表した。
仕組みを応用すれば、新たな治療法の開発につながると期待されるという。
グループは、アトピー性皮膚炎が先進国で多く、発展途上国で少ない原因の一つとして、寄生虫の感染が関係していると考えられていることに着目。
湿疹があるマウスに、寄生虫のマラリア原虫を感染させたところ、感染症状が進むにつれて湿疹が改善したという。
その皮膚を調べた結果、免疫力に関係するナチュラルキラー(NK)細胞が増加していることが分かった。一方、NK細胞が増加しないよう薬剤を投与したマウスでは、湿疹は良くならなかった。また、マラリア感染で増加したNK細胞を、湿疹がある別のマウスに静脈注射したところ、症状が改善したという。
天野博雄講師は「感染でNK細胞が増加する仕組みを解明し、感染以外の方法で増やすことができれば、新たな医薬品の開発などにつながる可能性がある」としている。
             
                
寄生虫に対抗するための免疫が、アトピー性皮膚炎に関わる免疫であるグロブリンE抗体(IgE抗体)であることは昔から知られており、同様に寄生虫に感染することでアトピー性皮膚炎の症状を改善しようという研究は、過去にもいろいろと存在しました。
今回、それらの研究と違う点は、寄生虫に感染することで、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)が増加し、そのNK細胞がアレルギーに関係する免疫を抑制しているのではないか、と考えられることです(マラリア感染で増加したNK細胞を、湿疹がある別のマウスに静脈注射することで、そのマウスの湿疹症状が改善した、とあるため)

昨日と一昨日で、免疫に関係する研究を紹介しましたが、これらの記事を見てわかるように、免疫機能とは、一対一の対応でのみ機能している、ということではありません。
外敵が体内に侵入した際にも、その外敵が行うさまざまな影響(因子)に、個々に対応して、そういった因子を解消すべく機能しているわけです。
今回の研究でも、マラリア原虫に感染することでNK細胞が活性化することは確認できていますが、では、NK細胞が活性化することで、免疫機能そのものにプラスの影響とマイナスの影響がそれぞれ、どのように現れてくるのは、これからの研究なのでしょう。
ただ、アトピー性皮膚炎の原因が単一ではない以上、こうした他の影響により左右される因子が重要になってくることも否定できません。

では、どういったところが問題になるのか、詳しくは明日、述べたいと思います。

                    
おまけ★★★★西のつぶやき

こうした研究は、その研究に対する「費用」を回収できる結果につながる必要がどうしてもある。
もちろん公的な機関の場合、猶予はあるわけだが、それでもその猶予は有限だ。
したがって、最終的に費用が回収できる「薬剤」などへの転用、その特許、というのが研究機関の目指すところになるのだが、今回の研究だけで見ると、ポイントはNK細胞、ということになる。
NK細胞を増強させることは、医薬品に限らず、例えば日頃の食事などでも一定の増強は可能と言われている。
できれば、多くの人が日頃から実践できる形で研究が還元されると、よりよいものになるのではないだろうか?