インフルエンザの悪化の仕組みが解明

東です。

 

 

 

 

 

 

 

 

                    
最近、免疫系に関する研究発表が相次いでいます。
アトピー性皮膚炎にも関わると思われるものを3つ、紹介したいと思います。
今日はまずインフルエンザの悪化の仕組みが解明された、という記事です。
         
        
●インフル悪化の仕組み解明 九州大、症状抑制に期待
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140820/scn14082019290004-n1.htm
            
九州大大学院理学研究院の小柴琢己准教授(分子細胞生物学)らの研究グループは、インフルエンザウイルスが細胞に侵入した後につくるタンパク質によって免疫機能が弱まり症状が悪化する仕組みを突き止め、20日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ電子版に発表した。
小柴准教授は「タンパク質の働きを抑えることができれば、ウイルスに感染しても症状が悪化しないようにする効果が期待できる」と話した。
研究グループは、インフルエンザウイルスがつくるタンパク質「PB1-F2」の大きさの違いに着目。多くの高病原性(H5N1型)ウイルスがつくる大型のPB1-F2がミトコンドリアに運ばれ、内部に蓄積することで、ミトコンドリアの免疫機能が低下することが分かった。
一方、低病原性(H1N1型)ウイルスがつくるPB1-F2の大半は小型。ミトコンドリアには運ばれず、免疫機能は低下しなかった。
            
         
今回の記事を簡単に説明すると、インフルエンザウィルスに感染することで作られるタンパク質により免疫機能が低下、そのため症状が悪化しやすくなる、ということがわかった、ということです。
逆にいえば、この免疫機能を低下させるタンパク質を抑えることができれば、低下しなかった免疫機能によりインフルエンザウィルスに対処できる、と考えられます。
インフルエンザウィルスも、体内においては「増殖したい」という「本能」を持っています。
しかし、そこで最大の妨害を行うのがヒトの免疫力です。
そのため、その免疫力をあらかじめ低下させ増殖しやすくなるように免疫機能を低下させるタンパク質を作っているのでしょう。
植物が、昆虫に食べられないように毒性の物質を作り出すのと似ています。
今回はインフルエンザウィルスに対する研究ですが、同じウィルスであれば、ヘルペスなども同様の仕組みを持っているのかもしれません。
アトピー性皮膚炎の方で症状が悪化しているときはヘルペスの感染症に罹りやすいことがありますが、こうした免疫機能を低下させるタンパク質を阻害することで、早期に感染症から脱却できる、ということも、今後研究が進めば解明されるかもしれませんね。

                               
おまけ★★★★博士のつぶやき

ここで一つ注意したいのは、免疫を低下させるタンパク質に「対抗」する力もヒトの免疫には備わっておるはず、ということじゃ。
でなければ、一度、インフルエンザに罹患すれば、容易に回復することは難しくなる、と考えられるからの。
研究が進む中で、単に免疫機能を低下させるタンパク質を阻害する、ことだけではなく、阻害された免疫機能をどのように回復させているのか、またその回復させる過程でどのような仕組みが関与しているのかも、明らかになると良いと思うの。